看護師国家試験 看護ケア項目 3
腎・泌尿器疾患の看護ケア
1.IgA腎症の看護ケア
IgA腎症の患者に対しては、薬物療法のほかに、腎機能を悪化させないための生活上の制限や食事療法の指導が必要となる。
腎機能が保たれている場合の食事療法は1日7-8gの塩分制限のみでよい。
過度な運動や過労を避けること、定期的な受診や血圧の自己測定の指導が大切である。
特に運動時や夏場に脱水状態にならないよう水分補給に留意する。
2.腎結石症の看護ケア
積極的治療として体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、経皮的腎尿管砕石術(PNL)、経尿道的尿管砕石術(TUL)などがある。
再発予防のため、水分は2L/日以上とるように勧める。
夕食から就寝までは4時間はあけるように指導する。
食事内容は、動物性タンパク質やシュウ酸の過剰摂取制限や、カルシウムの適正摂取(600-800mg/日)、塩分10g/日以下、炭水化物の適正摂取、脂肪の過剰摂取の制限、クエン酸の適正摂取を勧める。
3.ネフローゼ症候群の看護ケア
浮腫が高度な場合は臥床安静とし、塩分や水分の制限を行う。腎機能が低下した状態では、タンパク質摂取制限も行う。
薬物療法では、浮腫に対してループ利尿薬が用いられる。一次性ネフローゼ症候群の治療薬には通常はステロイド薬が比較的長期に投与される。
高度な浮腫の場合は、全身倦怠感や胸水・腹水貯留に伴い呼吸困難症状が出現しやすいため、ファウラー位など体位の工夫を行う。
感染症合併や皮膚損傷を避けるため、清潔(特に陰部や腋窩、口腔など)を保持し、圧迫を避けるために締めつけないような衣類の工夫をする。
4.酸塩基平衡障害の看護ケア
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