第3章 主な医薬品とその作用
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第3章 主な医薬品とその作用
1 かぜ薬
問題1 かぜは、主にウイルスが鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称である。
答1.〇
かぜの症状は、くしゃみ、鼻汁・鼻閉、咽喉頭痛、咳、痰などの呼吸器症状と、発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感などの全身症状が組み合わさって現れる。
問題2 かぜの原因は、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスのいずれかによるものである。
答2.☓
かぜの原因の約8割はウイルスの感染であるが、細菌の感染や、まれに冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もある。
問題3 かぜは通常、数日〜1週間程度で自然寛解する。
答3.〇
症状が4日以上続くとき、急激な発熱を伴うときは、かぜではない可能性を考慮する。
問題4 発熱や頭痛を伴って悪心・嘔吐、下痢などの消化器症状が冬場に現れたときは、かぜに罹患したと考えられる。
答4.☓
「かぜ」ではなく、ウイルスが消化器に感染したことによるウイルス性胃腸炎であることが多い。
問題5 かぜは、インフルエンザ(流行性感冒)とも呼ばれる。
答5.☓
インフルエンザは、かぜとは区別して扱われる。かぜと同様、ウイルスの呼吸器感染によるものであるが、感染力が強く重症化しやすい。
問題6 かぜ薬は、ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを体内から除去するものである。
答6.☓
かぜ薬は、咳で眠れなかったり、発熱で体力を消耗しそうなときなどに、それら諸症状の緩和を図る対症療法薬である。
問題7 かぜをひいたときは、どのような症状であってもかぜ薬(総合感冒薬)を選択することが最適といえる。
答7.☓
発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合にはかぜ薬(総合感冒薬)ではなく、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬など症状に合った薬を選択することが望ましい。
問題8 15歳未満の小児で水痘にかかっているときは、サリチルアミド、エテンザミドの使用を避ける必要がある。
答8.〇
他にアスピリン、サザピリン、イブプロフェンについても、一般用医薬品では、小児に対してはいかなる場合も使用してはならない。
問題9 15歳未満の小児でインフルエンザにかかっているときは、サリチルアミド、エテンザミドの使用を避ける必要がある。
答9.〇
インフルエンザの流行期には、解熱鎮痛成分がアセトアミノフェンや生薬成分のみからなる製品を提案するなどの対応を図ることが重要である。
問題10 サイコは、アドレナリン作動成分と同様の作用を示す生薬成分である。
答10.☓
「サイコ」ではなくマオウが、アドレナリン作動成分と同様の作用を示す。
問題11 ナンテンジツは、鎮咳作用を目的として、かぜ薬に配合されている場合がある。
答11.〇
ナンテンジツ(南天実)は、メギ科のシロミナンテン(シロナンテン)またはナンテンの果実を基原とする生薬で、知覚神経・末梢運動神経に作用して咳止めに効果が期待される。
問題12 セミアルカリプロティナーゼは、タンパク質分解酵素で、体内で産生される炎症物質(起炎性ポリペプチド)を分解する作用がある。
答12.〇
セミアルカリプロティナーゼには、抗炎症作用のほか、痰粘液の粘り気を弱めて痰を切れやすくする働きもある。
問題13 ブロメラインは、フィブリン類似の物質を合成し、炎症による腫れを和らげる。
答13.☓
ブロメラインは、毛細血管やリンパ管の沈着物質(フィブリン類似の物質)を分解して浸出物の排出を促し、炎症による腫れを和らげる。
問題14 セミアルカリプロティナーゼは、血液凝固異常のある人では出血傾向を悪化させるおそれがある。
答14.〇
セミアルカリプロティナーゼは、フィブリノゲンやフィブリンを分解する作用があるためである。
問題15 トラネキサム酸は、出血傾向のある人は、使用する前に医師などに相談する必要がある。
答15.☓
トラネキサム酸は、血栓のある人などでは使用する前に医師などに相談する。これは、凝固した血液を溶解されにくくする働きがあるためである。
問題16 グリチルリチン酸を大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがある。
答16.〇
グリチルリチン酸の化学構造が、ステロイド性抗炎症成分に類似しているためである。
問題17 いかなる人であっても、1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上となる製品は、使用する前に医師などに相談する必要がある。
答17.☓
「いかなる人」ではなく、むくみ、心臓病、腎臓病または高血圧のある人や高齢者に対して使用する場合である。
問題18 グリチルリチン酸の食品への使用は、認められていない。
答18.☓
グリチルリチン酸は甘味料として、一般食品や医薬部外品などにも広く用いられている。
問題19 グリチルリチン酸を含む生薬成分として、マオウがある。
答19.☓
「マオウ」ではなくカンゾウが、グリチルリチン酸を含む。
問題20 葛根湯は構成生薬として、カンゾウ、マオウを含む。
答20.〇
葛根湯では、まれに重篤な副作用として肝機能障害、偽アルドステロン症を生じる。
問題21 小柴胡湯は、かぜの初期に用いられる。
答21.☓
小柴胡湯は、かぜの後期の諸症状などに適すとされる。
問題22 小柴胡湯は、インターフェロン製剤で治療を受けている人では使用を避ける必要がある。
答22.〇
小柴胡湯は、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるためである。
問題23 糖尿病の診断を受けた人では、小柴胡湯を使用する前に医師などに相談する必要がある。
答23.☓
「糖尿病」ではなく、肝臓病の診断を受けた人である。これは、肝臓病自体が間質性肺炎を起こす要因の一つとされているためである。
問題24 柴胡桂枝湯は、まれに重篤な副作用として、間質性肺炎、肝機能障害を生じることがある。
答24.〇
柴胡桂枝湯は、体力中等度またはやや虚弱で、多くは腹痛を伴い、ときに微熱・寒気・頭痛・吐きけなどのあるものの胃腸炎、かぜの中期から後期の症状に適すとされる。
問題25 小青竜湯は、痰のからむ咳に用いられる。
答25.☓
小青竜湯は、体力中等度またはやや虚弱で、うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に適すとされる。
問題26 かぜ薬に制酸成分が配合される場合、胃腸症状に対する薬効を標榜することができる。
答26.☓
かぜ薬に制酸成分が配合されていても、胃腸症状に対する薬効を標榜することは認められていない。
問題27 かぜ薬には、抗ヒスタミン成分による眠気を解消する目的でカフェインが配合される。
答27.☓
カフェインは、解熱鎮痛成分の鎮痛作用を補助する目的でかぜ薬に配合される。
問題28 かぜ薬の重篤な副作用は、抗炎症成分によるものであることが多い。
答28.☓
「抗炎症成分」ではなく、解熱鎮痛成分(生薬成分を除く)によるものであることが多い。
問題29 まれにショック(アナフィラキシー)が起きることが、かぜ薬(漢方処方成分、生薬成分のみからなる場合を除く)の使用上の注意の共通の記載となっている。
答29.〇
ショック(アナフィラキシー)のほか、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、喘息、間質性肺炎についても使用上の注意の共通の記載となっている。
問題30 大人のかぜでは、急性中耳炎を併発しやすい。
答30.☓
「大人」ではなく、小児のかぜにおいて併発しやすい。
問題31 2歳未満の乳幼児がかぜをひいた場合、医師の診断を受けることを優先する。
答31.〇
2歳未満の乳幼児では、一般用医薬品の使用はやむを得ない場合のみとする。
問題32 サリチルアミドは、解熱鎮痛成分である。
答32.〇
サリチルアミドは、サリチル酸系解熱鎮痛成分である。かぜ薬、解熱鎮痛薬に配合される。
問題33 カルビノキサミンマレイン酸塩は、抗コリン成分である。
答33.☓
「抗コリン成分」ではなく、抗ヒスタミン成分である。かぜ薬、鎮咳去痰薬、内服アレルギー用薬に配合される。
問題34 メキタジンは、アドレナリン作動成分である。
答34.☓
「アドレナリン作動成分」ではなく、抗ヒスタミン成分である。かぜ薬、内服アレルギー用薬に配合される。
問題35 ヨウ化イソプロパミドは、鎮静成分である。
答35.☓
「鎮静成分」ではなく、抗コリン成分である。鼻汁分泌やくしゃみを抑えることを目的として、かぜ薬、内服アレルギー用薬に配合される。
問題36 チペピジンヒベンズ酸塩は、解熱鎮痛成分である。
答36.☓
「解熱鎮痛成分」ではなく、中枢性の非麻薬性鎮咳成分である。延髄の咳嗽中枢の興奮を鎮めて咳を抑える。かぜ薬、鎮咳去痰薬に配合される。
問題37 クロペラスチン塩酸塩は、鎮咳成分である。
答37.〇
中枢性の非麻薬性鎮咳成分である。かぜ薬、鎮咳去痰薬に配合される。
問題38 ブロムヘキシン塩酸塩は、殺菌消毒成分である。
答38.☓
「殺菌消毒成分」ではなく、去痰成分である。分泌促進作用・溶解低分子化作用・線毛運動促進作用を示す。かぜ薬、鎮咳去痰薬に配合される。
問題39 セミアルカリプロティナーゼは、去痰成分である。
答39.☓
「去痰成分」ではなく、抗炎症成分である。鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげることを目的として、かぜ薬に配合される。
問題40 メチルエフェドリンサッカリン塩は、アドレナリン作動成分である。
答40.〇
①鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる目的でかぜ薬に、②咳や喘息の症状を鎮めることを目的として鎮咳去痰薬に配合される。
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