ツアーガイドの思い出 第十話

再会、サプライズ第一弾の後の移動中は写真撮影と施設案内を行った。
シンデレラ城をバックに、ご家族3人の記念撮影。
幸いにも待ち列が殆どなくスムーズに撮影ができた。ポーズと画角を変えて何枚か。

その後シンデレラ城内に入り「ガラスの靴」へ。ガラス工芸品の見学を行った。場内通路のタイル絵もしっかり拝見。恥ずかしながらぼく自身も、普段はスルーしてしまいがちな場所であったのでゆっくり目を通すことができて眼福だった。

見学を終えファンタジーランドを抜けてトゥーンタウンへ。到着後最初の体験は「ミニーのスタイルスタジオ」でのミニーさんとのグリーティングとなった。待ち時間20分。素晴らしすぎる!ここ数日のグリーティング待ち時間は逐一確認をしていたが、なんという空き具合か!

並び列へひと足先に着き、ぼくは入り口のキャストさんへとある確認を行った。
準備品をお伝えすると、「バッチリです!」とご快諾。
並び列に入り待機中、ぼくはサプライズ第二弾、サインセットを取り出した。

バインダー、クリアファイルと、太めの油性ノック式ペン。
これは完全に内緒にしていたもので、前日までに取り揃えておいた。
クリアファイルはもちろんディズニーのもの。総柄ではなく、いい具合に余白が何箇所かにあるものをチョイスした。今回限りではなく、今後こちらに来られる際、他のキャラクターからもサインをもらえるようなものにしたかった。
バインダーは園内でもらえる様々な種類のシールを貼ってデコレーションしてもいい。スーツケースにステッカーを貼るように、自分だけのものにしてほしかった。
ノック式ペンは、以前インスタをやっていた際、お繋がりの方からアドバイスをいただいたものだった。キャラクターが持ちやすいのは太めのもの、かつ、ご衣装や手指に汚れがつかないよう、ノック式に。

ぼくは説明をしながらお子さんへお渡しした。めっちゃ目がキラキラしている、多分。おそらく好意的に受け取ってくれたかもしれない。

「やば!KAZさんすげぇーーーー!!」

社長、週末の新橋のサラリーマンのような声を上げる。ハズかった。



結論、グリーティングは大成功だった。
ミニーさんがお誕生日シールに注目してお祝い、更にサインをスラスラーっと鮮やかに書き上げてくださった。「遠くから来てくれたんだよー」と、サポートのキャストさんがナイスアシスト。ミニーさんは飛び跳ねて喜んでおられた。
ご家族皆さんでの1ショット、触れ合い時の写真も大量に、そしてお一人ずつのハグ。この時のミニーさんは動きがとてもチャーミングで品があって素敵だった。血圧が低い時のミニーさんでなくてよかった。
次グループとしてお会いしたぼくと娘も、ちゃっかりサインもらったりなんかして。

お子さんはとても大事そうにファイル一式を両手に抱えていた。

「これから来る時、ほかのみんなからもぜひサインをもらってね!」

笑顔でこくりと頷いてくれた。よかった。
ディズニーにおいて初めての時というのは、本当に記憶に残るものだと思う。ぼくたちも初めてキャラクターからサインをもらった時のことを鮮明に覚えている。サイン帳を選ぶのにもずいぶん時間をかけた。
そういえばあの時こんなことしたっけなぁと、思い出として残してくれていたなら、こんなに嬉しいことはない。

昼食の予約時間まであと20分。移動を含めたらちょうどいい時間になった。
信じられないぐらいスムーズな運び出し。これは本当にいい2日間になるかもしれない。
移動先はクリスタルパレスレストラン。ぼくたちもお腹が空いてきた。
夏の日差しを浴びながら、我々はお店へと向かった。



ーつづくー

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