シェフミッキーに行って、感動した話。
昨日娘と2人でシェフミッキーへ行ったら、初めてここを訪れた日のことを思い出したので隙あらば自分語りです。
あれは2018年の夏。
ぼくが初めてバケーションパッケージを使用して娘の誕生日をお祝いした時のことだった。
当時やっていたインスタで、訪れた方々の素敵すぎるお写真の数々を眺めながら、「いつかここへ行きたい!」と思っていた。
投稿には「#予約困難」とか書かれていたから、宿泊特典でなんの苦労もなく予約が完了した時は随分拍子抜けだった。
というか、必要か?そのハッシュタグ。そんな単語で検索しなくない?
「#ファインダー越しの私の世界」とかもよく分からなくない?
「#回らない寿司」…だからなんなんだっていうんだよ!
一個ずつ寿司撮る文化は一体何なんだよ!!
とにかく、期待を胸にドキドキワクワクで当日を迎えた。
その日は朝からパークを大満喫、初夏の気温をものともせず、親子ではしゃぎ倒した。
お店の予約時間は18時頃だったと記憶している。
移動中は何かと暑く、じんわり汗をかきながら待ち列に並んだ。
食事時とあって店内はすでに賑やかであることが遠目でもみてとれた。
皆さんが撮影されている壁のイラストや、入り口の「CHEF MICKEY」の看板をカメラで撮ったりした。
「楽しみだねぇ。」と娘と話した。
予約時間と人数を確認され、入口を通ってソファに座る。後ろに飾られているオブジェが可愛い。ここもまた写真を撮った。
キャストさんから名前を呼ばれた。いよいよだ。店内の説明を受けながら席まで案内をされた。
事前にいろんな方のブログでメニューを確認した。
グリーティングにおけるルールを公式に問い合わせて確認した。
ホームページでドリンクオーダーのシステムを何度も反芻した。
完璧だ。あとはグリーティングに全力で臨むのみである。
「それではごゆっくりどうぞ。」
自分たちのテーブルへキャラクターたちが来てくれる時間はもう少し先だ。
ぼくは娘を連れて食べ物を取り、今か今かと待ち構えていた。
正直、味なんか分かったものじゃない。
今でこそ面構えが違うが、さすがにこの時は緊張と期待と不安がすごかった。パーク内でさえ中々会えないキャラクターたちに、一度に、4人に会えるのだ(当時は4人でしたね。あぁーあの頃に戻って欲しい!!!)。
そうこうしていたらあっという間に我々の順番が回ってきた。
当日は娘に浴衣を着せていたので、最初に来てくれたミッキーさんのリアクションはとても良かった。娘に全力で「かわいいね!」「似合ってるよ!」というようなモーションをしてくれた。加えてバースデーシール付きなのだから、もうこれ以上ないだろうというコンボである。
娘はとても喜んでくれて、ぼくはホッと胸を撫で下ろしていた。
そして、ミニーさんがテーブルに来てくれた。
ミッキーさんと同じように娘にコミュニケーションをとってくれるミニーさん。
その時、ぼくは信じられない光景を目にした。
撮影後、なんとミニーさんが膝をついて娘と向き合ってくれたのだ。
たんじょうびおめでとう!
なんさいになったの?
これからもげんきでいてね!
きてくれてありがとう!
完全にぼくのイマジネーションでしかないけれど、恐らくミニーさんは娘とそんなふうに対話を試みてくれていたのかもしれない。
ぼくは、とんでもなく感動した。
ミニーさんの衣装が汚れてしまうかもしれない。
時によってはキツい体勢なのかもしれない。
もしかしてこれは例外的なことで、公式には認められていないことなのかもしれない。
これまでパーク内でこんなことはなかったから、とても戸惑った。
でも、彼女は何の躊躇いもなく、非常に滑らかな所作で膝をつき、娘と同じ目線になってくれたのだ。
ギュッと娘の手を握ってくれたこの瞬間、ぼくはマジで泣きそうだった。
こんなこと、してくれるんだ…!
「ありがとうございます!」とぼくは何度もミニーさんに頭を下げた。
「期待以上の+αがあって初めて人は感動する」と、シェフの鳥羽周作さんが仰っていた。
まさしくあの瞬間、ぼくの期待をはるかに超える+αの空間がそこにあった。
ホスピタリティとは何か、サービスを提供することの奥深さの一端を見、学んだ瞬間でもあった。
初めてお店に足を運んだあの日から、ぼくはシェフミッキーの大ファンになった。
あれから年月が過ぎ、お店のルール、ひいてはパーク全体のルールも変わってきた。
コロナ禍という大惨事を経験してきた中で、お店の在り方も変わってきているように思う。
でもそれでもぼくは、あの空間が大好きだ。
軽快なアレンジ楽曲が流れるあの空間が大好きだ。
様々な可愛いオブジェが立ち並ぶあの空間が大好きだ。
「ハッピーウィッシュデー!」とお祝いが始まるあの瞬間が大好きだ。
たまにもらい泣きしそうになる時がある。拍手。
スチームベジタブル(特にブロッコリー)食べ放題なのが大好きだ。
贅沢品のパイナップルとメロン食べ放題なのが大好きだ。
デニッシュパンが大好きだ。うますぎだろ、パン。ありえねぇだろ、パン。
赤だしが大好きだ。ねぎわかめ入れ放題。嗚呼幸せのミルフィーユ。
超絶最高ありがとうマジで。
自分がいい思いをしたいという下心がある。
いいね欲しさもある。当然だ。
ただそれと同じぐらい、一緒にあの空間を娘や知人友人、お誘いいただける方や、ぼくからの誘いを快く受け入れてくださる方々と共有したいという思いもある。
そして、こんな素晴らしい空間と時間を提供してくださるキャストの皆さんに、厚かましくも、ほんの僅かでもいい、自分が対価としてお支払いした金額が還元されたらとても嬉しい。
そういえばつい最近も感動したことがある。
それは、スープをすくうおたまが両利き用に変わっていたことだ。
ぼくは左利きなので、スープをいつもこぼしてしまいそうになっていた。
しかも以前のおたまは熱伝導がすごくて結構熱かった。それすらも無くなっていた。
あれは本当に感動した。思わず声出そうになっちゃった。
驚きすぎて手が震えてうまくすくえなかった。意味ねぇじゃん。
全体から見たら些細なことであろう事象を変えてくれるのはとても素晴らしいと思う。ちゃんと見てくれているんだなぁって感じられる。
たかだか6年ぐらいの年月だけど、シェフミッキーには思い出が詰まり過ぎている。
なんだか色々思い出しちゃってしみじみしちゃうなぁーと、娘に「あの時のこと覚えてるー?」と聞いたら即答、「覚えてねェ!!」だそうです。
寂しいって。