フランスの医療システム:お土産も買える薬局編
フランスの医療システムシリーズの続きです。今日は薬局のお話。
フランスの薬局といえば、光る緑の十字看板が目印です。
お店によって光り方が様々で、遠くからでも主張しています。
中に入ると雰囲気は、日本の調剤薬局とあまり変わりません。
調剤コーナーあり、美容グッズあり。
この記事の後半に、フランスのオススメの薬局、お土産にオススメ商品も紹介します!
日本と同様に、自分が好きな薬局を選べば良いのですが、私はいつも近所の同じところに行くようにしています。
うちでお世話になっている薬局には、ちょっとお節介でも面倒見の良いおばちゃん薬剤師さん達がいます。
基本的にいつも同じメンバーで、今までの処方内容や、子供の年齢や名前も覚えてくれていたり。
聞きたいことがあるときは電話をかければ、過去の処方箋のデータを見ながら答えてくれるし、医師からの処方内容に疑問がある場合は、代わって電話をかけて問い合わせてくれます。
娘が水疱瘡になったとき、2歳になる前だったのですが、処方箋には2歳以上からの薬が…。
薬剤師の方が先生に電話してくれましたが、つながらず、結局代わりに「小さい子どもにも使えるナチュラルなお薬」を出してくれました。
回復して、先生に経過を見せに行ったとき、その話をしたところ「まったく薬剤師は細かいんだよ!全然大丈夫なのに!」とお怒りに。
医師と薬剤師、完全なる主従関係ではない様子が伺えて、印象的でした。
少し話がそれるのですが、水疱瘡といえば、日本では感染症として指定されており、出席停止になります。
フランスでは、水疱瘡でも保育園、幼稚園、学校などの集団生活を行っても良いのです!
娘は保育ママさんの元で、他にあと2人の子供達と、日中過ごしています。
ひとりが先にかかり、嫌な予感がしていたら、娘も感染。
残るひとりはまだかかっていないから、うつさないためにも、もう預けられないな…と思っていたら、保育ママさんが「もうひとりの子も、これをきっかけにかかっておいた方がいいわよ」と!
念のために、かかりつけ医にも確認したところ「フランスでは、水疱瘡を理由に保育を拒否することはできない」という回答が。
へぇーーーーー!!
それを聞いて、イタリアでワクチン反対派の人たちが、水疱瘡感染パーティで、わざとかかって抗体をつくろうとしている、という話を思い出しました。
ラテン系は楽天的ですな!
さて、フランスの薬局。
日本にはないサービスがあります。
それは、不要になった薬を引き取ってくれるということ。
日本では服用期間ピッタリの個数が出されますが、フランスでは処方される薬も箱入りのもので、服用期間に対して多めに渡されるので、余りがちなのです。
そういった余って捨てられた薬を、ゴミ箱の中から漁って、売る人がいるのだそう。
正しい知識なく服用されてしまうことを避けるための対策ということです。
確かに、粗大ゴミは前日の夜に出すと、翌日の朝、収集車が来る前には消えています。
大型ゴミを出すときは、市役所に事前に連絡をしなければならないのですが、正直あまり必要性を感じません。
上質なゴミは誰かの生活の糧になっている国なのです。
日本のドラッグストアには負けますが、パリの薬局もお土産を買うのに、とっても楽しい場所なのです。
私のオススメ薬局を右岸と左岸それぞれひとつ、ご紹介したいと思います。
Citypharma
26 Rue du Four, 75006 Paris
左岸のサンジェルマンデプレの近く。
ここはとにかく品揃えがすごい&安い!マツキヨ感あります!
ガイドブックなどでもよく紹介されている有名店です。
最上階に調剤コーナーもありますが、明らかに観光客をターゲットにしています。
いつ行っても、どのフロアも人で溢れているので、三密を避けなければならなくなった今、どうなっているのか…
Pharmacie de la Mairie
9 Rue des Archives, 75004 Paris
右岸のBHV(フランス版東急ハンズ)の裏にあります。
特に有名というわけではないのですが、飛行機の手荷物として持ち込めるサイズの100ml以下の小さなボトルのシャンプーやクリームが充実しています。
日本だとトラベルサイズにものは、比較的どこでも手に入りますが、フランスではあまりみないのです。
私は旅行前に、ここに買いに行きます。旅行中の自分用とバラマキ土産用に。
日本からパリにお越しの方は、旅の始まりに気になるものを買って、旅行中に試しつつ、気に入ったものは帰るときに大きいサイズのものを買い足すのも、良いかもしれません。
それでは、フランスの薬局で買える、お土産にオススメ商品を5つ紹介します!
できるだけ日本未上陸ものを選んでみました!
Caudalieのハンドクリーム
日本の友達へのお土産として、今までで一番人気でした。
とにかくいい匂い!使い心地はサッパリ系です。
このブランドは、Château Smith Haut Lafitteという、ボルドーの高級ワイナリーの娘さんが、大量に廃棄される葡萄の皮と種で何かできないかと考えたところ、それらに有効成分を含まれることがわかり、基礎化粧品を作り始めたことがきっかけだそう。
路面店もありますが、薬局で買う方が少し安く手に入ります。
定価は、30mlが4,1€、75mlが8,9€です。
ちなみに、Caudalie(コーダリー)とは、ワインの味が口の中で持続する時間を表す単位です。なんかカッコイイ。
Beroccaのタブレット
タブレットを水に溶かして飲むタイプのビタミン剤です。
錠剤タイプもありますが、タブレットの方が飲んだ!という気持ちを盛り上げてくれます。美味しいし。
同じベロッカシリーズでも、カフェインとガラナがたされたBoost、水無しで飲めるPrepsもあります。
標準のものがビタミン、ミネラル共に一番含有量が高いです。
2本の筒状のケースに15錠ずつ入った30回分は、安い薬局で12€ぐらい。
お店によって価格差が大きい商品で、倍の値段で売っていることも。
風邪を引き続けていたときに、同僚が教えてくれました。
エマ・ワトソンも愛用しているとか…。
Guronsanのタブレット
水に溶かして飲むタブレット、2つ目はグロンサンです。
日本のグロンサンとは、全くの別物ですが、配合されている成分グルクロナミドは同じです。
グルクロナミド400mg、アスコルビン酸(ビタミンC)500 mg、カフェイン50mgが配合されています。
ちょっと怖いぐらいに覚醒しますが、日本のグロンサン強力内服液は、グルクロナミド1000mg配合なので、実際はそこまで強くはないのかも…。
倦怠感が続いた時期に、在仏の日本人のお医者さんにオススメされて使っていました。
フランス人の友達曰く「学生が徹夜するときと、夜、街に繰り出すときに飲むもの」だそうです。
WELEDA Calendulaのリキッドソープ
赤ちゃん用のボディとヘア兼用のリキッドソープ。
新生児から使えるとあり、肌が弱い人でも優しい成分で、安心です。
最近、日本でも買えるようになったようです。
フランスでは、2本でセットで売られていることが多く、2本で9€前後です。
日本の定価は、1本で1,760円なので、かなりお得。
Weledaの製品は、日本でも買えますが、日仏の価格差が大きく、お買い得感が強いです。
娘が生まれたときから、家族全員で使っていました。
家族で旅行のときは、これ一本で済むので持ち物が大幅に減らせます。
小分包の生理食塩水
フランスの赤ちゃんは、生まれてすぐに毎日これで目と鼻を洗われます。
もちろんギャン泣きされますが、必ず行うように産科で指導されます。
大人になっても風邪を引くと、鼻洗浄が処方されます。
大人用の鼻洗浄のスプレーは一回づつの使い切りではないので、赤ちゃん用の小分包が衛生的かつコンパクトで気に入っています。
ものもらいになったとき、目薬をさす前にこれで目を洗います。
いつもカバンに入れて持ち歩いているのですが、あるとき歩いていたら鳥の糞が落ちてきて、目に入るという大惨事が…。
そんなときも落ち着いて、サッと目を洗うことができました!
とっても便利なのに、なんで日本にはないんだろう?
一回分5mlが40回分が入って、2€と非常にお手頃。
たったの5mlでどうやって鼻を洗えるんだ?と思われた方、このサイトのやり方をぜひ試してみてください。
フランスの医療システムシリーズ、次回は最後「総合病院救急外来編」です。