見出し画像

この世に生まれてきた意味 母と兄編

こんにちは

ほぐしびとwordsです。

今回は母と兄との出会いをお話します。

父に連れられ札幌に来たのはいいが…とにかく寒い。そして雪。掃いてる靴は冬用ではないし、前回にもお話ししたように長ズボンなんて絶対に掃きたくない。気持ち悪いから。寒いけど我慢。

自宅に着いて上がるように父に促されるが躊躇する。本州とは全く違う家の作り。玄関が広い。部屋が暖かい。キョロキョロしていると女の人が出てきた。

母だった。その後ろに母のお尻にべったりふっついた兄。あの時の兄の顔…いまだに鮮明に覚えている。殺意の目。本当に父に着いてきた事を後悔した。

母に表情があったのかどうかはわからない。顔を見ることさえ出来なかった。兄が一言つぶやいたのが聞こえた。『きったねぇ』母が兄を抱き締めた。もうここにいたくない。消えたい。身体が痒い。掻きむしり血をなめる。安定剤の血。

中に入るように何度言われても入ることが出来なかった。恐怖でしかなかった。私が見えてる風景はリビングから放たれる黒い渦巻き。吸い込まれたら闇しかなく苦しむだけ。

怖い。怖いけど泣かない。嘘つき笑顔で玄関の隅でうずくまる。そんな私をひょいと持ち上げた父。抵抗する力も気力もない。ただ目をつぶって怖い世界を見ないようにする。

リビングに入った私は震える。寒いからだけじゃない。恐怖が襲ってくるから。どうやったら怖いこの世界から逃げれるかな?笑って誤魔化そう。それしかない。

そんな私を見て初めて母が私に言った言葉。『お風呂入る?』私は首を横にふる。施設では週に2回だけのお風呂。入ってきたし。なんでいきなりお風呂何だろう。

『お母さんと入ろう』

えっ👀⁉️なんて言いました?誰と入るって?初めて会ってすぐに裸の付き合いとか、頭おかしいんじゃないか?私は首を横にふる。そして見られるのが怖い。さっき汚いって言われたし。兄はこちらを見て嫌な顔してる。逃げるしかない。部屋の端っこに膝を抱えて拒否体勢。

その時私を包みこむ黒い煙。何なんだろう?私が出してるオーラ?バリア?初めて感じた感覚。そして聞こえてくる。耳の奥で響く音。(笑え)音?声?に従うかのように私の口から高笑い。

兄は私のその変貌を見て『気持ち悪いやつ』母は私の前に座り九字切り。そしてお風呂場に連れていくなり服の上から冷水をかける。変な呪文。やられるがままの私に父が『ちょっとの我慢だからね。』泣きたい。逃げたい。怖い。嫌だ。たくさんの思いが駆け巡るけど笑う私がいる。いつまでも笑って誤魔化す。ここからの記憶がない。気付いたら布団で寝かされていた。兄のお下がりであろう下着とパジャマを着させられていた。

ふと目が覚めると隣の部屋から聞こえてくる両親の会話。

母『連れてくるの相談してよ』

父『もう限界だろ』

母『いつも勝手に、私の気持ち考えないで行動して迷惑だと思わないの?』

父『…』

母『いらないんだよ。あの子は』

いらないんだよ…あの子…私だよね?あの子は私だよね。いらないのに何故ここにいるんだろう。なぜ無理やり連れてきて苦しませるんだろう。嫌われたからかな?なんで嫌われたのかな?嫌われないようにしなきゃ。笑ってなきゃ。身体が痒くなる。掻きむしり血を出しなめる。落ち着かない…不安が押し寄せる。

そう思えば思うほど身体が重たくなる。そしてまた黒い煙に包み込まれ、聞こえてくる。(笑え)…(笑え)…(笑え)そして黒い煙の中から顔が見えた。キツネ。また聞こえる。(隠せ、騙せ)って自分の気持ちを出せなくなる瞬間を作った出来事だった。

今回も読んでいただきありがとうございますm(__)m自分を逃がす場所を見つけた瞬間でした。振り返りはキツいです。でも必要だと感じました。

次回は家族との生活を書いていきます。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?