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「育てる」覚悟!企業のキャラクターとの向き合い方

みなさんこんにちは、
グラフィックデザイナーのウエマツです。

以前の記事で書いたプロレスのマスクが無事完成し、納品まで完了。

そこで、企業が独自のキャラクターを持つことがわりと当たり前にはなっているけれど、そもそも本当にそれって必要なのか?
ここについて少し考えてみたいと思います。

ちなみに今回完成したマスクはこれ ↓


気づけば、日本はキャラクターまみれの国になっていた。

コンビニ、銀行、役所、町おこし……
いたるところに「ご当地キャラ」「企業マスコット」が存在し、誰も彼もが新しいキャラを作りたがった。

「地域を盛り上げる!」「親しみやすいブランド作り!」
という大義名分のもと、全国で無限にキャラクターが爆誕。
その結果どうなったか?

——大半が消えた。

名前も、顔も、何をするキャラだったのかも思い出せない。

萌えキャラブームも同じ。
「とりあえず可愛くてオッパイが大きければ売れるだろう」と、適当にデザインされた美少女キャラが乱立。
数年後には忘れられていった。

そして今、AIの登場によってキャラの大量生産は加速し、キャラクターを作ること自体の価値がますます薄れている。

では、企業がキャラクターを持つことに、果たして意味はあるのか?

私は、グラフィックデザイナーをしながらキャラクターのデザインなどもしている。
私の意見としては「肯定派でも否定派でもない」といったところだ。


企業がキャラクターを持つ理由を問うと大体返ってくるのはこうだ。
「親しみやすさを出したい」「ブランディングの一環として」「消費者との距離を縮めるため」

なるほど、ごもっとも。

でも、それって本当にキャラじゃないとダメ?

キャラを持たなくてもブランドの認知を高める方法はいくらでもある。

にもかかわらず、「キャラを作ろう」となる心理は何か?

それは、「キャラさえいれば、何とかなるかも」 という淡い期待だ。
キャラがいれば、企業が突然フレンドリーに見える気がする。
キャラがいれば、商品が売れる気がする。
キャラがいれば、SNSでバズる気がする。

でも、気がするだけで、実際そうなるとは限らない。

なぜなら、企業キャラを持つことは単なる「足し算」ではないからだ。
「企業」+「キャラ」=「親しみやすい」
なんて、そんな単純な方程式は成り立たない。

むしろ、適当に作られたキャラは企業のイメージを曖昧にし、方向性を見失わせることすらある。

それなら無理にオリジナルキャラを作るのではなく、コラボすることに意識を置いた方が事故を防げたりもする。


大事なのは、「そのキャラが何を語るのか?」という視点だ。

何を伝えて、どんな感情を持って欲しいのか。
それが企業のブランド価値にどう影響するのか?
ここが曖昧なら、キャラを作る意味はない。

つまり、企業キャラを持つ理由が必要なのではなく、
「キャラを持つことで企業が何を伝えられるのか?」
という目的が必要だということ。


キャラを作ること自体にはそれほど価値もはない。
大事なのはそれをどう育て、どう活かすか。

キャラクターを「企業のストーリーテラー」として育てていく覚悟とも言える。

企業キャラに求められるのはただのマスコットではなく、
「企業の価値を語り続ける存在」としての役割。

キャラクターがどんなストーリーを持ち、どう成長し、どう企業とともに歩んでいくのか。
そこに意思を持たせ、運用を続けなければただの「一発ネタ」で終わってしまう。

成功している企業キャラは、ただの「デザイン」ではなく「物語」を持っている。
そして、その物語を長く続けることでキャラが企業の資産になっていく。企業キャラを作るなら、そこまで考えていきたい。


そんなことをなんとなく考えいたという話。
というわけで、今回はこれくらいで。

以上、ウエマツでした〜

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