【デフレの正体(藻谷浩介)】うえこーの書評#91
日本はバブルがはじけて以来、平成のほとんどの時代を「失われた30年」として過ごした。政府は様々な対策を打ったが、デフレは収まらず物の価値が下がり、そして給料も下がり続けた。デフレの原因として景気の悪さ、GDPが全然上がらないことがよく言われるが、本書では新たに「生産年齢人口」という観点からデフレの対策を打ち出している。
本書の中では、「データの比率をみるのではなく絶対数をちゃんと見よ」と頻繁に書かれている。そして、今までの経済学への批判も激しい。正直、今までの経済学の是非は私にはわからないが今までの枠組みにとらわれない考え方をしているところはすごいと思う。
また、本書では日本の問題を取り上げた後、その解決策も最後にお書かれている。
1.高齢富裕層から若者への所得移転に
2.女性の就労と経営参加を当たり前に
3.労働者ではなく外国人観光客・短期定住客の受入を
なぜこの3点が効果的なのかの説明は本書に譲るかとても具体的で政策の方向性も考えやすい。
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