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【ロック】50代の夫婦がロッキン・ソニックへ行ってきました!
1.年のはじめはロック・フェス
もう、いくつ寝ると~、ロッキン・ソニック…。
2025年の新春もカミさんは仕事。
私は、暦どおりの勤務で、今年の年末年始は10連休。
やっとカミさんが休みが取れた1月4日、われわれ「ロック夫婦」は、幕張メッセで開催される「ロッキン・ソニック」に参加した。
90年代のブリットポップ隆盛を、ほぼリアルタイムで知る私にとっては、プライマル・スクリームとパルプが同日出演するフェスとあっては、足を運ばない方が無理だろう。
せっかくの「遅い正月休み」が来たカミさんは、嫌な顔ひとつせず、付き合ってくれた。今年も彼女には、足を向けて眠れない…。
お酒の飲まない私は、マイカーを運転。
いつものメッセ駐車場にクルマを止める。
幕張メッセは、電車でも行けるし、隣接に「大駐車場」が、埋まることはほとんどないので、アクセス良好なフェスといえる。
オープンと共に会場入り。
まだ人もまばらで、名物の「ハム串」をいただき、フェス飯の屋台を散策。
コスモ・ステージに入る。
同じ会社で、同期のN氏と会場であう。
同期といっても、横浜支店配属の私と、東京支店配属のN氏。
畑も違えば、触手も違う。
同期入社は百名くらいいて、とりたてて「親しい間柄」ではなかった。
けれども「オアシス再結成のニュース」が自体を進展させた。
社内報にロック・コラムを書いている私に、N氏はビビットに反応。
共通の知り合いであるI君を通じて、一気に「ロック仲間」になる。
メル友、LINE交換で、ロック談義を重ね、何十年ぶりに再会。
お互い、ロキソニ参戦することは、情報交換していたので、すぐに判った。
飛び上がって肩をぶつけ合い、さっそく会場でダベリング。
単身参戦のN氏は、カミさんを帯同する私に気を使って、「じゃあ、またあとで…」といって、しばし別れた。
その後、会場で彼とリアルに合うことは無かったが、何度かLINEのやり取りをした。
N氏は、正月休みは、幕張のビジネスホテルを予約して、2日間、ロキソニに参戦という。よほど好きなんだろう。
東京ドームで今秋開催されるオアシス再結成ライブのチケットも当選したというので、今からオアシス・ライブが楽しみ。
いや、さい先のよい2025年のスタートである。
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2.ロキソニ体験記
まずは、コスモ・ステージでは、恒例、主催者による「あいさつ」から。
今回は、ロッキンオンの山﨑洋一郎氏がマイクを持つ。
「いつもはロッキンフェスで、お客さんたちは若い人が多く”世代のギャップ”を感じているが、今回、こうしてステージに立つと、その”ギャップ”が感じられない」と言って苦笑していた。
確かに会場は、私たち夫婦は50代だが、ちょうどプライマル・スクリームやパルプがシーンを席捲していた1990年代に”多感な20代前半”を送った、現在、50代のオヤジ世代が会場に多い。
白髪まじりの頭や、お腹をぷっくりさせた、ロックオヤジが、プライマルやパルプのTシャツに身を包むファンが大勢いた。
私も、昨今のフェスでは、なんとなく若者に交じっての「浮き」を感じる瞬間があるが、今回のロキソニにはそれが無い。
こうした「おとなのロックフェス」を待ち望んでいた。
ステージは、リバプール出身で、真っ赤な衣装が可愛い”LOVCAT”に始まる。
お隣りのギャラクシー・ステージを移動。
奇妙な踊りと絶妙なリズムでテンションが上がる、お祭り騒ぎグループ ”FRENDLY FIRE” のパフォーマンスを愉しむ。
その後、カミさん曰く「北欧の香りがする」という、スコットランド出身のバンド、”THE SNUTS”のロックテイスト溢れる楽曲の数々に、コブシを上げて応戦。
いったん食事タイムで、フェス飯にと「唐揚げ丼」をいただく。
通常のフェスでは、グルメ事情は関心あるものの、テーブル席確保に難儀であるものの、ロキソニは、余裕がある。
客層も、いい歳を重ねた「おとなたち」なので、フジロックやサマソニといった、ぎらぎら感がなく、良い意味で、おちついて食事ができる。
その後、ステージに戻り ”JIMMY EAT WORLD” 、のステージを少し参戦。WEDNSDAYの女性ボーカルのパフォーマンスをたしなみ、いよいよ、本日の”ふたつのメインイベント”の雄、プライマル・スクリームのステージを待った。
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3.ボビー・ギレスビーに捧ぐ
ロキソニ会場で、「スクリーマデリカ」の目玉ジャケットをあしらったTシャツを着たファンを多く見かけた。
私も、プライマル・スクリームの「スクリーマデリカ」というアルバムにガツンとやられた世代。
ちょうど、オザケン(小沢健二)とコーネリアス(小山田圭吾)のユニット、フリッパーズギターが音楽シーンを引っ張っていたタイミング。
日本では、フリッパーズの3rdアルバム”ヘッド博士の世界塔”がリリースされたころ、洋楽では、プライマル・スクリームが”スクリーマデリカ”を発表。どちらのアルバムのあの頃の時代にシンクロしていた。単にロックに留まらないビート感、ギターバンドからクラブミュージックの”進化系”は、私の音楽趣味の”守備範囲”を広げてくれた。
フリッパーズは解散したが、どっこいプライマルは健在。
もっともフロントマンのボビー・ギレスビーの”個人商店バンド”ではあるけれども…。
2024年には、新アルバム"COME AHEAD”をリリース。
冒頭のステージは、この新アルバムからのナンバー。
サキソフォンとソウルフルな女性コーラスを従え、年齢を感じさせない、ボビーのキレのあるステージ。
ウチのカミさんは、プライマルには詳しくないというものの、ボビーのパフォーマンスにうっとりしていた。
そして6曲目、お待たせ「スクリーマデリカ」からのナンバー、”Loaded”を披露。
それまでのソウルフルなミディアム・ロックから、クラブシーンあふれたノイジーなダンスビートで、会場も最高潮!独特のシンクロ音声に合わせて、ボビーがタンバリンを持ちながら、ステージから微笑みかける。
そして、同じく「スクリーマデリカ」から”Mowin’ On Up” が飛び出す。この時の会場の異様な盛り上がりを何と表したらよいか…。
スクリーマデリカ全盛時代をリアルタイムで知る私にとっても、感動もひとしお。そして、1曲はさんで、ラストは、ご機嫌なロック・ナンバーの ”Rocks”が満を持して登場。
ヘッドライナー級のボビーのステージ。
大興奮、大満足、そして”お腹いっぱい”のステージだった。
いや、まだまだ、フェスのハイライトはこれからなのだ…。
軽井沢ソフトクリームでスタミナ・チャージして、次いってみよう!
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4.ジャービス・コッカ―に学ぶ
プライマルのステージの興奮冷めやまぬまま、コスモ・ステージへ移動。
ST.VINCENTのパフォーマンスを少し堪能。
中盤、再び、ギャラクシー・ステージに再移動して、本日のメイン・イベントである、PULPの出演を待つ。
50代夫婦で参戦したフェス。
たいがいロック・フェスだと、もう若くないので、ステージ後方で、あまりガツガツしないで、涼しい顔をしてみるのが、私たちの流儀である。
しかし、プライマル・スクリームのステージがすべてを変えた。
やはり、ステージの前の方で、がっつりと観たい。
そもそも、ロキソニ参戦を決めたのは「パルプ」がヘッドライナー(大トリ)で出演が決まったからである。
ネットでロキソニ出演者発表で、”PULP”のピンク色のロゴを見た時の感動は忘れられない。
順序として、サマソニ2023に出演したブラー、2025年に再結成するオアシス、そして、そのど真ん中に、パルプが来日して、ロキソニでライブを披露するなんて、いやぁ、観劇もひとしおである。
実は、PULPのロキソニ出演が決まったとき、オアシスの再結成のニュースは、まだ発表されていなかった。
正直いって、昨年(2024年)の後半は、オアシス再結成の報に触れて、パルプどころではない時期もあった。
それでも、年末年始10連休の思い出として、ロッキンソニックに参加。
プライマルのステージで、来てよかったと実感。
友達にも会えたし、美味しいグルメも堪能できた。
もちろん良質なロック音楽に触れあうことも…。
そして”しんがり”を勤めるのが、ジャービス・コッカ―率いる「パルプ」。
ステージを待ちきれず、年甲斐もなく、前に陣取り、開始を待つ。
次のパフォーマンスを告げるスクリーン・サインに続いて、会場が暗くなり、歓喜がこだまする。
そして「アナタは561回目のパルプのコンサートを目撃する」(スクリーン上は英文)というメッセージが写し出される。
PULPの大看板アルバム”Different Class”から”I Spy”
のイントロが流れた。
そして、カーテンが下ろされ、お月様をバックに、相変わらずの細身のジャービスのシルエットが映し出された。
おお、本当に、あの”PULP”が私たちの前にいる。
”Different Class”は、これまで何度聴いたことだろう。
心にジーンとしみた1曲目に続いて、私がパルプの中では、いちばん好きな曲 ”Disco 2000”が飛び出した。
会場はうねるようなどよめきと高揚感に包まれた。
ちなみに、カミさんも、総じて、今回のパルプのパフォーマンスでは、この”Disco 2000”を熱唱した瞬間をベスト・アクトのひとつだといっていた。
それまでパルプといえば”Common People”しか知らないようだったが、この冒頭2曲で、すっかりパルプ・ワールドにハマってくれた。
さるSNSの書き込みで「PULPを見る人は、ピンクの手袋を忘れずに」とのメッセージがあったが、”Pink Glove”という曲を披露したとき、その意味がわかった。ピンクの手袋はないけれど、右手を振って、オーディエンスのひとりして、ステージの一体感を分かち合った。
やはり、”Different Class”からのナンバーが多く演奏されたが、それでも、彼らのキャリア総括の意味合いとして、”This Is hardcore”や”Sunrise”など、主要曲も網羅したステージ。
特に、英国バンド特有の「こじゃれたロック・センス」に溢れた、”Babies”も披露してくれたのは嬉しかった。(この曲も大好き!)
そして、アンコールは、”Underwear”。
あれ?! ひょっとして「あの曲」は演らないのかな?
なんてことが頭をかすめた。
そう、パルプといえば、やはり「あの曲」だろう。
そして、やはり、最後に飛び出したのは、パルプといえば…、この一曲。
”Common People”が投下された。
まさか、50代中盤にさしかかった私が、声を枯らして、この曲のサビを多くの同世代の聴衆とともに、熱唱する日がこようとは…。
やはり、ジャービスは、私たちの期待に満額で答えてくれた。
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5.ロック・オヤジはやめられない
パルプのステージが終了後、会場で鉢合わせしたN氏からLINEメッセージが来た。
「おつかれさまでした。
プライマルもパルプも最高でしたね!
クルマの運転に気をつけてお帰りください。
また会いましょう!」
N氏も、大聴衆のひとりとして、どこかで、プライマルやパルプのパフォーマンスを見ていたらしい。
私とN氏は、同じ世代。ちょうど、ボビー・ギレスビーやジャービス・コッカ―と同じなように…。
ボビーとジャービス。
ギンギンのスター全としたボビー。
知的でミステリアスで良い人そうなジャービス。
両者は、正反対だけれども、良い歳の取り方をしている。
願わくば、いくつになってもカッコイイ、彼ら二人のような歳を重ねたい。
最高のスタートを切った私の2025年。
ありがとう、ロッキン・ソニック!!!