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【鉄道】えい電で行く貴船神社の旅

1.京阪ターミナル「三条」

京阪電車は京都駅に乗り入れていない。
JR京都駅前のホテルで一泊した私。
京都に来たからには、洛北を観光したかった。
叡山電車(えい電)に乗って、貴船神社か比叡山へ行くもよし。
いずれにせよ、京都から京阪電車と「えい電」のアクセスが悪い。
地下鉄で「小刻み」に乗り換えるか、バスを利用して移動するしかない。
バスよりも鉄道派の私は、京都地下鉄でJR京都から京阪三条を経て、「えい電」の起点、出町柳へ目指す。
かつて購読していた「鉄道ファン」という雑誌で、「私鉄のターミナル」という特集が組まれた。
関西では、阪急と阪神が「梅田」、南海が「難波」、近鉄は「上本町」だった。これらは大阪に位置して「ターミナル然」とした風格と趣きがある。
一方、京阪に関しては、「三条」がターミナルとして紹介されていた。
子供ながらに「淀屋橋ではないのか?」と思っていた。
まあ、私は関東(横浜)の人間なので、関西の私鉄のことは詳しくない。
おとなになって、大阪に訪れることがあったが、京阪だけは、乗車した経験がなかった。乗る必然性がなかったからだ。
ターミナルとして紹介されていた「京阪三条」は、ずっと気になっていた。
京都には何度か訪れたたことがあり、路線バスで「京阪三条」行きが結構、行き来していたのを目にしたから、きっと「京阪の顔」ともいうべき、一大ターミナルだろうなと、期待をしていた。
地下鉄烏丸線、東西線を乗りついて、京阪三条へ。
そこでの印象は、「これがターミナル?」という複雑な印象だった。
京急品川くらいの「風格」を期待していたが、これでは、隣の「泉岳寺」ではないのか?
関西の私鉄文化に憧れる私にとって、「私鉄の顔」ともいうべき、ターミナル…。
しかし、私が眼にした「京阪三条駅」は、たんなる「地下鉄の乗り継ぎ駅」に過ぎなかった。
少年時代に憧れた「私鉄のターミナル」の趣きはそこにはなかった。
ひょっとしたら京都市街地の「地下化」に際して、ターミナルが「京阪三条」から「出町柳」に移転したのかな?なんて考えたりもした。
気持ちを切り替え、「出町柳」を目指した。

生涯初乗車の「京阪電車」
ターミナルとしては寂しい「京阪三条駅」

2.展望列車「きらら号」に乗車

三条から京阪電車に乗って、終点の出町柳に転進。
「えい電」のターミナルであり、洛北の玄関口の「出町柳」。
地下の京阪から、地上の「えい電」へ。
さすがに始発駅だけあって、小さなターミナルには、人が溢れていた。
えい電は、貴船・鞍馬へ向かう「二両編成」の鞍馬線と、比叡山方面へ向かう「一両編成」の本線から成る。
二両と一両の電車が交互に出町柳を出発。
とりあえず、貴船神社へ行きたいので、鞍馬線の「貴船口」まで切符を買う。(京都に来て、交通ICカードの調子が悪いので、地下鉄でも京阪でも「えい電」でも、いちいち切符を買っていた私。これが結構、面倒な作業だと改めて思う)
鞍馬線の車両は展望列車「きらら」号が入線してきた。
どことなく、オレンジとアイボリーのカラーリング。
どことなくスイスの登山列車をイメージする。
人気列車らしく、団体ツアー客とブッキングしてしまった。
旅行会社の小旗を揚げたガイド役の人が「貴船口で降りるように」と、何度も注意喚起していた。
たまたま乗り合わせた電車が、プレミアム感満載の展望列車は良かった。ただし、団体客もさることながら、キャパ・オーバーの感が否めない。
出町柳を出発した電車は、まるで、江ノ電や箱根登山鉄道のような、ゆったりとした走行。
最新の展望列車といえども、レールの継ぎ目の「ガタゴト音」がお腹に響いてくる。
「宝ヶ池」駅で、本線と分離、鞍馬線に入ると、緑も多くなってくる。
無人駅が続く、ワンマン運転なので、運転手さんが、駅に停車するたびに、乗降客のチェックをしていた。
二軒茶屋駅から、それまでの「複線」から「単線区間」になる。
私としては、よくぞ二軒茶屋まで「複線」をキープできたものだと関心した。ダイヤを考えると、複線区間は「宝ヶ池」までで良いのではないかと、要らぬ心配をするのだが。
そして終点「鞍馬」のひとつ手前の「貴船口」で下車。
多くの乗客も、この駅で下車。
さすがにこれだけの客をさばくのに「無人駅」というわけにはいかず、ちゃんと駅員が配置されていた。

展望列車「きらら号」

3.貴船神社の”オーバーツーリズム”

貴船口駅から貴船神社まで「京都バス」の連絡バスに乗る。
山道を走行するため、小ぶりのバス。当然、収容乗客数も少ない。
満員バスが何度も出発。それでも、貴船口のバス停では人が溢れていた。
オーバーツーリズムの弊害か?
夏盛りの京都は「暑い」のだが、貴船地区は山岳地帯なので、強烈な日差しがない。
貴船神社の名物といえば、「川床屋」。
これは、渓流の川(貴船川)にせり出した桟敷で、暑さをしのいで食事を取るという趣きの場所。
完全予約制で、ふらっと立ち寄った私は、利用することが出来なかった。
せまい「貴船口」駅周辺も川床屋さんの送迎マイクロバスがひっきりなしに来ていた。また、マイカーで貴船観光に訪れる人たちも多く、バスにやっと乗り込んでも、なかなか進まない事態に…。
それでも、なんとか貴船神社に到着。
境内で参拝のあと、御朱印を書いてもらった。
参拝客が多いのに比べて、御朱印は、あまり待つことがなく、すんなりと済ませることができた。
水に浮かべると「文字が浮き出てくる」という貴船神社名物の「水占みくじ」をやってみた。
結果は「末吉」。
旅行欄には「持病に注意すべし」との記載が…。
「お酒を控えるように」と主治医に言われているのに、昨日、関西に住む「ロック趣味の友人」と西陣お好み焼きを食べる。
その際、調子に乗って、アルコール類を飲んだことを見透かされたようで、恐縮モノである。
やはり「神様」は見ているのかもしれないな…。

貴船神社の鳥居
鳥居神社(本殿)・観光客多し…

4.旅の終わりに…

ひととおり貴船神社の観光を済ませて、連絡バスで駅まで戻る。
日程的に「比叡山」まで足を延ばすのは、厳しいので、再び貴船口から出町柳に乗車。(帰路は、展望列車ではなかった。)京阪に乗り換え、鴨川沿いの「新宮丸太町駅」で下車。
寺町通にある、文芸サークル仲間の知人が経営の本屋へと足を運んだ。
もともと、別件の「付き添い」で訪れた京都。
とんぼ返りの同行者を尻目に、自分は、京都宿泊。
連日、友人知人と会い、楽しいひとときを過ごした。
そして「えい電」の乗車が、夏の京都の思い出に花を添えた。

帰路の「えい電」(叡山電車)
旅の思い出・ありがとう「えい電」!

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