映画「ブラック・ウィドウ」を観た
女スパイ……ああ、なんという響きだろうか?
待望のマーベル・シネマテック・ユニバース(マーベル)の最新作、「ブラック・ウィドウ」を奥さん、息子と3人で観た。
やはり映画館の巨大スクリーンで観る「マーベル映画」は、テレビのリビングとはひと味も違う。
私をマーベルの世界に誘った息子に感謝である。
思えば、近所の家族と合同でキャンプに出掛けた際、ミニバン車内で上映をしたDVD(アベンジャーズ・インフィニティニティ・ウォー)ハンドルを握っていた私と、DVDをかじりついてみていた息子以外は、皆、爆睡をしていた。
新参者にとっては、大河ドラマのようなアベンジャーズの世界観を楽しむことはできない。)息子は、ただひとり、アベンジャーズを面白いとして言っていた。
彼のお気に入りのトレーナーやTシャツ、カバンや傘に至るまで、ほとんどが「マーベル」のキャラクターモノをセレクト。
転機となったのが、スマホの買い替えの特典として、「ディズニープラス」加入料が、1年間無料でついてくること。
この時まで私は、マーベルがディズニー傘下だとは知らなかった。
ディズニープラスの恩恵に預かり、なぜ、息子が「インフィニティ・ウォー」や「エンドゲーム」に夢中になっているのか、その謎を知りたくて、(暇に任せて)アイアンマンからアベンジャーズ・エンドゲームまで、公開順に順次見ていくことにした。
アメコミを発端とするマーベルのキャラクター、そして、アベンジャーズは、いうなれば、愛すべきキャラクターたちの「オールスター・ゲーム」のようなもの。
マーベル映画のお楽しみは、アクションやスリルのみならず、必ず、作品で顔見せを行う豪華な俳優陣たち。たとえば、ロバート・レッドフォードとか、シルベスタ・スタローンといった、超セレブ系ハリウッド俳優が、「なんでマーベル映画に出演??」と、こちらが予算とか余計なことを心配してしまうほどのゴージャスな作りになっている。
前置きが長くなったが、”彼女”との出会いは、マーベル映画では、割と初期の作品にあたる「アイアンマン2」。
美人秘書のナターシャ役に、あの「ロスト・イン・トランスレーション」のスカーレット・ヨハンソンが出演していた。
どうせ「アイアンマン2」で1作限りの「顔見せ出演」だろうと思いきや、どっこいその読みは見事にハズれた。
アベンジャーズ(2012)では、女スパイ、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフが、個性派オールスター集団アベンジャーズの一員として、メンバー結束の要となる役割を演じることになった。女スパイの象徴でもある、黒いレザーのつなぎコスチューム、そして、拳銃アクションにシビれた。
「アベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロン」「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」では、実質的なアベンジャーズのスポークスマン(スポークスウーマンというべきか?)となって、アイアンマン(トニー・スターク)とキャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)の二大巨頭に、どちらに組することなく、アベンジャーズの大看板を守ろうとする姿勢に、何よりも共感を覚えた。
それは、「添え物」としてのヒロインとは違い、時代が求めたリーダーシップを発揮しているのは、女性が元気な今の時代を象徴している。
そのブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)を、主役として抜擢した今回の映画、もう始まる前からワクワクであった。
そして、私にとっては、初めて封切りのタイミングで、映画館で観るアベンジャーズの初体験。
旧ソ連やキューバなど、リアリティある時代設定、北欧、モロッコ、ブダペストといった世界を股にかける活躍、アクションヒロインのポーズを揶揄するユーモア、そして、スパイといえどもヒューマンな家族の絆など、余すところなく一作に詰め込んだ作品。
マーベル映画の”前提知識”を知らなくても十分に楽しめる。
黒いツナギは妖艶でカッコイイ。されど、白いツナギも悪くない…。
スカーレット・ヨハンソンが演じる女スパイ映画。
それだけでも、身銭を切って観る価値のある一作だ。