【鉄道】京成八幡から中山・小さな旅
晴れた日は京成に乗って出かけたい。
幼少期に過ごした京成八幡から京成中山まで沿線をぶらり散歩することにした。
1.京成八幡駅
まずは、京成八幡駅下車。
かつては、ここに京成百貨店があった。
屋上のミニ遊園地で、祖父母と遊んだ記憶がある。
いまは、立派な高層マンションと京成本社ビルがある。
駅前の踏切は、相変わらず。ワゴンセールで品定め。
かつて学生の先輩と「古本屋めぐり」をやっていたこともある。
市川や八幡には、数多くの古本屋があったものの、チェーン系の古本屋に押されて少なくなった。こうして元気に店を構えているのは嬉しい。
京成線路沿いには、三角形の屋根をした奇妙な建物があった。
屋根には、花木が段々になって植えられていた。
これが、市川市役所の新庁舎であった。
いつもは、国道14号側からしか見ていない。
京成の線路側からみると、こんな感じになっているのか。
踏切が鳴る度に、往来する電車が気になるのは、鉄道好きの性分である。
2.葛飾八幡宮
青空の中、葛飾八幡宮に到着。
朱色の門が目を引く。
境内では、フリーマーケットをやっていて、手芸やコーヒー店など出店していた。
選挙の日ということもあって、近くのホールは選挙会場になっていた。
犬を連れて散歩をするご夫婦。
世界各国から集められたコーヒーの香り。
ここでは時間が止まったようだ。
龍の口から、ひたひたと流れる水で手を清めた。
社殿に入り、参拝を済ませた。
疫病退散と学業成就を願う。
同行してくれた相方は、ご朱印を貰っていた。
本殿での参拝、となりには、名物の「大イチョウ」
「千本公孫樹(せんぼんいちょう)」と呼ばれる御神木は圧巻。
これを見ただけでも、八幡に来た甲斐がある。
緑の葉をつける大銀杏と青空、社殿の渋みとのコントラスト。
3.沿線ジェラード屋さん
境内を後にして、京成の線路沿いを歩く。
そこには「ジェラード」の旗が、そよ風に吹かれて揺れていた。
旅先のジェラードには目がない私たち。
さっそく購入。2種類選べて390円。しかも、QRコードの決済が可能。
私はラムレーズンとラムネのセットにした。
ラムレーズンは目にすることが多いが、ラムネは珍しい。
ここの店の売りと見た。
レトロ感溢れる茶色の建物のジェラード屋を前に、行き交う京成電車を観ながらのジェラードの味は格別であった。
真間川の桜並木に出る。すでに桜の見ごろを終えたが、桜まつりの「ちょうちん」だけは、残されていた。
八幡から鬼越までの沿線沿い。ここでは、小さな文具屋が気になったものの、時間帯が合わず閉店中であった。
夕方からの営業ということで、次回、訪れることがあったらぜひ確認してみたい。
鬼越駅前のロータリーに出た。
駅前の商店は、日曜日とあって閑散としていた。かつてのにぎわいを知るひとりとして、やや元気がない印象が受ける。
駅を利用した駐輪客が多い。工夫次第では、魅力的な街並みになるかもしれない。
かつては、駅前に「ケーキ屋さん」があって、そこで売られていた「スワン」というシュークリームが好きだった。在りし日の思い出である。
鬼越から中山までは、国道14号沿いに歩く。
クレープが「ウリ」のカフェがにぎわっていた。
気になる店であるが、あいにくジェラードを食べたばかりなので、ここは割愛する。
木下街道との交差点では、昔懐かしい蔵元を兼ねた家があった。
街道沿いの電柱には「高石神勉強会」という看板が目につく。
商店街ではなく「勉強会」とするあたりに、なんだか地元の「こだわり」を感じてしまう。
たしかに商店一辺倒よりは、学習塾や税理士事務所などもあり、「商店街」というよりは「勉強会」という方がぴったりと来る。
4.旅の終わりは法華経寺
中山法華経寺境内に着く。
八幡神社の境内に比べると、参道が長い。
焼鳥屋さんのいい匂いがした。
京成中山駅、そして黒門の踏切をわたる。
行き交う人々もまばらで落ち着きがある。
京成沿線といえば、成田山や柴又など「にぎわい」があるものの、八幡や中山は、落ち着いた印象を受ける。
境内にある店の前では、常連客とおぼしき、おじさん、おばさんたちが、楽しそうに会話をしていた。
「観光」とは、いささか無縁の地元に根差した寺社である。
本堂は改装中であったが、参拝は可能であった。
五重塔の脇には、大仏様が鎮座していた。
もちろん沿線には、東山魁夷記念館や千葉産業科学館といったような「見どころ」はないわけではない。
今回の旅では、あえて京成電車から見える車窓の風景を、実際に歩いてみる、という
コンセプトで出かけた。
ガイドブックにも頼らず、自分たちの「目と足」で、どれだけ楽しめるか。そんなことに挑戦しながらの「ミニ探検」であった。
天気の良い休日には、京成電車に乗って、小さな旅に出かけたい。
私の知らない京成沿線をこれからも楽しみたい。