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火星に死す〜マーズランダー最後の通信

新年最初の訃報である。火星の地殻構造を反映する地表の震動を4年以上にわたり伝え続けてくれた火星探査機マーズランダーが、ついにその最期の時を迎えた。

12月15日の通信以降、二度の交信努力も実らなかったことから、 埃に覆われた太陽電池からの電力供給はもはやかなわず、マーズランダーはその生命線であるバッテリーを使い切ったとNASAは結論づけた。

「この4年間、私たちは彼を火星の友であり仲間のように感じてきました。さよならとはとても言えない」ブルース・バネルト主任調査官は語る。「しかし彼は豊かで実りある任務を終えました。」

8億3千万ドルを投じたこの”InSight計画"は、マーズランダーの地震計が記録する火星の小さな地震による衝撃波と、それが地殻深部の境界で跳ね返されて伝わる時間差を利用して火星の内部構造を明らかにしてきた。その結果、火星は溶解した外層に包まれた巨大な核と冷たいマントル、そして予想外に薄い地殻からなることが分かった。

全てが順調だったわけではない。マーズランダーの第2の測定装置である熱量計は、火星のごつごつした土表に埋められることはついになかった。しかし最終的にランダーは、小惑星の衝突による震動を含む1319回の地震を検出した。昨年5月には、地殻を10時間も振るわせたマグニチュード4.7の大地震を観測した(関連記事: 「火星の"大"地震」 https://note.com/ueishota/n/n976d66be835b )。

この地震の後、地震計をできる限り長く使えるようランダーの他の部品の電源を切り、InSight計画は終焉に向かう。この時点で「我々は火星の内部地図を作り上げた」とバネルト主任調査官はランダーの功績を称えて喜んだ。

写真は、12月11日にランダーから送られてきた最後の写真のうちの一枚で、埃に覆われた地震計が写されている。「僕はもう疲れたよ」そんなランダーのつぶやきが聞こえてくるような。
いつか人類の手でこの友人を再び包んであげたい。


(本記事は、筆者の感想を織り交ぜながら以下のサイトの文章を意訳したものです: https://www.science.org/content/article/it-s-hard-say-goodbye-quake-sensing-lander-dies-mars?utm_source=sfmc&utm_medium=email&utm_campaign=DailyLatestNews&utm_content=alert&et_rid=33949853&et_cid=4546554 )


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