ちばてつやの現在の漫画連載│「屋根うらの絵本かき」の内容とはじめての原稿料について
「あしたのジョー」や「おれは鉄平」のちばてつやさん。
1939(昭和14)年1月11日生まれで80歳を超えていますが、現役の漫画家です!
現在の連載や活動と、「屋根うらの絵本かき」の内容、デビュー当時の原稿料について書いていきます。
目次
現在も連載を
文星芸術大学の学長に就任
「屋根うらの絵本かき」の内容
はじめての原稿料
まとめ
現在も連載を
現在も「ビッグコミック」で
「ひねもすのたり日記」を連載しているのです!
オールカラーのショートコミックで、
戦争中に中国に行っていた話や、
あしたのジョーを描いていた時の話など、
ちばてつやファンにはたまらない作品です。
文星芸術大学の学長に就任
漫画家としての活動だけではありません。
栃木県宇都宮にある文星芸術大学で、10年以上「マンガ専攻教授」として教えていました。
そして2019年には学長に就任したのです。
「ひねもすのたり日記」に描かれていますが、練馬の自宅から宇都宮まで電車で通勤しています。
公益社団法人の日本漫画家協会で会長、という職も務められています。
日本漫画家協会の活動はおおくあります。
漫画村などの違法サイトが大きな問題となった際は、他の出版業界団体と共同声明をだしています。
あいちトリエンナーレでの「表現の不自由展」が中止になった際も、日本漫画家協会として「表現の自由」にかんする声明をだしました。
ちなみに、同協会の役員は以下になります。
会長:ちばてつや
理事長:里中満智子
常務理事:赤松健、植田まさし、ウノ・カマキリ、松本零士、矢口高雄
そうそうたる面々です。
ちばてつやさんは漫画の連載にくわえて、さまざまな活動を80歳を超えたいまも続けており、まだまだお元気です。
「屋根うらの絵本かき」の内容
同書は、ちばてつやさんが漫画家を目指すきっかけになった自伝です。
戦争中を満州で過ごしたちばてつやさん一家。
終戦後、満州から日本に戻ろうとします。
それには、100km以上の道のりを歩いて港まで行かないといけません。
父・母・ちばてつやさん・3人の弟と妹の計6人です。
過酷な状況で、一緒に歩いている日本人とはぐれてしまいます。
そこで救ってくれたのが、お父さんと一緒に働いていた中国人です。
中国人の方の家の「屋根うら」にかくまってくれたのです。
ただ、そこでうるさくすると他の中国人にみつかってしまい、密告されてしまいます。
小さな屋根うら部屋でストレスのたまる弟や妹の娯楽として、ちばてつやさんが絵本や漫画を描いて楽しませたのです。
最後にこう書かれています。
「あの満州でどじこめられた
数か月間の生活がぼくの一生を
きめてしまったようにおもえて
ならないのです」
ちなみに、ちば一家をかくまってくれた中国人は「徐(じょ)」さんといいます。
「あしたのジョー」のジョーも徐さんからきていると言われています。
「屋根うらの絵本かき」を読みたい方もたくさんいると思います。
残念ながら、新日本出版社が2017年に発売したものは品切れしています。
こちらにも掲載されていますので、古本なら入手できます。
はじめての原稿料
デビューは1956(昭和31)年、ちばてつやさん17歳の時です。
日昭館書店という貸本漫画の出版社から、「復讐のせむし男」を出版しました。
いまではプレミアムが付き、100万円ちかい値で売られています。
日昭館書店の社長の石橋国松さんから、原稿の描き方のイロハを習いました。
ちばてつやさんの石橋国松社長への感謝は大きく、後に「ハリスの旋風」で石田国松という名前で登場させているのです。
原稿料の話です。
128ページで、12,351円。
当時の物価からすると、17歳には破格の額でした。
・大卒銀行員初任給 1万円
・たばこ(ゴールデンバット) 30 円
・はがき 5 円
・国鉄初乗り 10 円
「天と地がひっくりかえるくらい
たいへんなことだった」と、
はじめて原稿料をもらった時の気持ちを
この本で語っています。
両親に6,000円を渡し、
のこりを頭金にして椅子と机とイスと
背広を月賦で購入しました。
家庭の生活を支えるのと月賦を払うために、
2作目にとりかかります。
日昭館書店からの出版を望んでいましたが、なんと倒産してしまったのです。
ちばてつやさんは途方にくれましたが、他の出版社をあたりました。
「貸し本専門店の出版社を何軒か回って、チャンバラまんが専門に出している太平洋文庫というところで、やっと仕事をもらった。」
発売したタイトルは「左眼鬼面の秘宝」です。
原稿料は12,000円でした。
まとめ
ちばてつやさんは80歳を超えた現在も、
雑誌での連載に加えて大学学長も務めています。
水木しげるさんは91歳で新連載をはじめました。
ちばてつやさんにも末永く執筆をつづけてほしいです。