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ウェブサイトが読みづらい人(特別編その1)
今日は私が障害者専門クラウドソーシングサービス「サニーバンク」を初めてから、お会いしたり話を聞かせていただいた方を紹介したいと思います。今まで「ウェブアクセシビリティ」を勉強してきた中で勝手に思い込んでいた「頭の中の障害者」とは違う「リアルな障害者」の1つの例として聞いていただければと思います。
※サイトを制作している方、ウェブアクセシビリティを勉強している方には特に知っておいていただきたい内容です。
盲ろう者
視覚と聴覚の両方に障害のある方です。全盲で難聴の方、弱視でろうの方、いろんなパターンがありますが、ここではまったく視えない、まったく聞こえない「全盲ろう」の方についてお話します。
全盲ろうの方の中にも大きく分けて2パターンがあります。
1つは「ろうベース」と呼ばれる方
先に耳が聞こえなくなった、もしくは先天的に耳が聞こえない状態だったために、コミュニケーションの手段が「手話」になることが多かった方。そういった方が視力がだんだん弱まり、見えなくなった時、コミュニケーションの手段は主に「触手話(しょくしゅわ)」というものになります。手のひらの上で手話をして、その動きや形で会話をします。つまり情報は誰かが手のひらに教えてくれないと得られません。盲ろうになってから点字をトレーニングしてもなかなか指先は鋭敏にはならないので、こういった方々は触手話がコミュニケーションの中心となります。
もう1つは「盲ベース」と呼ばれる方
これは「ろうベース」の反対ですね。先に目が見えない状態だったために、コミュニケーションの手段が「点字」や「読み上げ」になることが多かった方。そういった方が聴力が弱まった場合、読み上げが使えなくなり、「点字」がコミュニケーションの主となる方が多いです。この方は手話を勉強してないので、触手話は使えません。
私がお会いした方は「ろうベース」の方でした。
触手話で会話をされていました。「盲ベース」の方は「点字ディスプレイ」でウェブサイトなどからひとりで情報を得ることができますが、「ろうベース」の方は出来ません。基本的に情報は誰かに触手話で教えてもらうしかありません。現在はさらに新型コロナウイルスの影響もあり、「触る」ということにも敏感になっています。「ろうベース」の方には極めて生きづらい世の中になってるな、との印象があります。
こういった方のために「触手話」ロボットとか作れたらな、とかも考えてます。(スクリーンリーダーでウェブサイトを読んでそれを触手話ロボットに動作させる、そして触手話でレスポンスをもらって、それを文字化してウェブを操作する、そんなロボットが作りたいです。siriと会話するほうが開発は楽かな?)
線維筋痛症
次に「線維筋痛症」という症状の方です。原因は不明のようですが、通常では痛みを感じない程度のものでも痛くて何もできない、精神的にもつらい病気です。
私がお会いした方は、マウスクリックの「カチッ」っとなる時の反射の衝撃が痛くてマウスが使えないという方がいらっしゃいました。幸い、スマホのタップはギリギリ大丈夫だそうで、最近はスマホで仕事をされることが多いそうです。
この方は文字入力も辛いですし、長時間の操作も辛いので、入力項目が多いサイトは辛いそうです。
発達障害
発達障害は様々な症状の方がいらっしゃいます。まだまだ不確定の要素も多い分野のようです。
私がお会いした方は、いわゆる「ワーキングメモリが小さい」方でした。
一番困るのは、行政のサイトなどで読み違えをしないように細かく長い文章で説明されると、途中で分からなくなるとのことでした。文章が簡潔すぎると読み違えを起こすし、長いと途中で分からなくなる。ちょうどいい文章の書き方とか、この方にお会いしてから考えるようになりました。
また、この方は「テーブル(表)が大きいと、左から右に読んでる最中にずれてしまう」という問題も持たれてます。1行ごとに色を分けるなどの処理を加えると助かるそうです。
ほかにもいろいろ
とりあえず今日はここまで。反応が良ければ続きを書きたいと思います。
さて、まとめ
難しいです。
ウェブサイト作る方、ウェブアクセシビリティを考える方、
「あなたはどこで線引きしますか?」
障害者はそもそもターゲットじゃないから無視しますか?それとも一般的な障害者(一般的な障害者ってなんだ?割合的に大部分を占めている障害の種類の方とでも言うべきか?)は考慮するものの、シェア的に小さい症例に関しては無視しますか?それとも全部拾いにいきますか?
もう一度書いておきます。
「線引きしますか?」
みなさんも是非一度考えてみてください。
というところで、今回はここまで。