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破壊的イノベーションの育て方

セグウェイ生産終了

本日、「セグウェイの生産が7月15日で終了」というニュースが流れてきました。

ここにも書かれているとおり、「セグウェイと言えば、2000年代初頭、まだ未発表当時に試作品を見たスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾスらに絶賛され」たもの。iPhone に次ぐ破壊的イノベーションを起こす製品と言われたものの、上手く成長戦略を描けず、いよいよ今年の7月15日で生産が終了します。

上手く成長できなかった理由としては、いろいろ言われています。

1つは高価で大衆向けではないと思われたこと。日本でも約60万円で販売されましたが、やはり一般に普及するには高価と言わざるを得ません。

次に道路交通法の壁が大きく影響したこと。一般道で使えないとなると、それだけで大きく利用場所が制限されてしまいます。この壁を崩せなかったことが大きかったです。

その他、医療現場などにも法規制が影響して入り込めなかったこと。仕事の現場として使える状況が限られてしまい、レクリエーション向けが販売の中心となってしまいました。

もう一つ、個人的に大きいと思っているのが、最初に完璧に作りすぎたという点があると思っています。大量のテストデータをもとに発表前にかなりの問題点をクリアしていました。外を走るために防塵・防砂が出来ていること、きれいに舗装されてないところでも走れるように振動や段差に強く作ったこと、耐久力に優れた製品を最初に作り上げたことで、故障率が少なく、そのため買い替えや交換といったユーザーとの交流の場が減ってしまった点も大きいと思います(ユーザーの意見を反映するという意味ではありません。ユーザーの意見は持続的イノベーションには有効ですが、破壊的イノベーションの場合はユーザーの思考の外側にあることが多いので、意見を聞くというよりは新しいヒントとして活用するイメージになります)。また、完璧に作りすぎたことで、ちょっとしたバージョンアップや公道で走るように改造したり、医療現場で使えるような安全設計を入れたりといった改造がしづらかったという点もあるかと思います。

セグウェイは間違いなく「破壊的イノベーション」を起こしました。

ただし、それを上手く育てることができずに失敗という結果になってしまいました。

破壊的イノベーションとは?

ここで「破壊的イノベーション」について説明しておきたいと思います。

分かりやすい説明がコチラにありました。

破壊的イノベーションとは、米ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・M・クリステンセン教授が提唱したイノベーションモデルの一つです。既存事業の秩序を破壊し、業界構造を劇的に変化させるイノベーションを指します。

有名なところでは iPhone ですね。ガラケーからの持続的進化では絶対に iPhone は生まれませんでした。全く新しい視点から(別の業界の技術から)モデルを作ることで今までの進化の系図からは大きく外れた、既存事業の秩序を破壊する製品が現れました。こういったことを「破壊的イノベーション」といいます。

時々、5Gなどの技術を「破壊的イノベーション」と言う方もいらっしゃいます。「業界の構造を破壊する」という意味で言ってる方もいらっしゃいますが、「破壊的イノベーション」の言葉の定義からは外れてることになります。5Gは持続的進化です。進化が急なだけで進化の系図として正統進化ですし、十分予測できるので既存事業は予測可能です。

その点セグウェイは画期的でした。モビリティ分野では自動走行化が正統進化の系図の中で、ジャイロを組み込むことで「2輪で立つ」という画期的な製品でした。上手く成長できなかったのが残念です。

実は「サニーバンク」も

サニーバンク」も個人的には「破壊的イノベーション」と分類しています。

障害者支援事業はほぼすべて補助金や助成金、奨励金といった国や自治体からの補助があってはじめて成立する事業ばかりです。就労継続支援事業所なども補助金がないと運営できません。「サニーバンク」は一切、障害者関連の助成金や補助金はもらっていません。なので結構つらいです(本音)。

もらわない理由は「障害者の生産性を究極まで最大化させるため」です。

補助金や助成金をもらうと、それに対して規定通りに対応しないといけません。

ある補助金では週40時間勤務をしっかり管理することなど、障害者側にも負担を強いるものばかりです。時間で制限するものが多いため、体調に波のある方はその時点で対象から外されてしまいます。また、雇用されたものの「座ってるだけでいいから」と、仕事をすることもなく「補助金のために」座っているだけでむなしかったとおっしゃってる方もいらっしゃいます。

サニーバンク」ではそういった負担を完全に取り去るために「アウトソース」という道を選びました。そのため、補助金や助成金は一切もらっていません。もらえない代わりに障害者が好きな時間に(体調の良い時間に)、好きな仕事を(出来る仕事を)、好きな分量(自分の体調に合わせて)出来るようになります。

ある視点から見ると、国の「障害者の雇用促進」からは反する事業に見られがちですが、雇用されなかった人を支援するという点から見ると国の支援策を補完する関係にもあるかと思います。

今まではこういった補完関係の事業は無かったと思います(自分調べ)。

障害者雇用を促進して、進化させていくスタンスで考えるとこの系図のビジネスモデルはありません。かなりチャレンジングでかなり革命的なビジネスモデルだと思っています。

サニーバンク」にはもっと革命的な内容はありますが、それらはこれから小出しに説明していく予定です。

まとめ

セグウェイの二の舞にならないように、破壊的イノベーションを上手く育てるためにも、ユーザーとのコミュニケーションを頻繁に取りながら、柔軟に路線を変えながら、障害者の生産性を最大化させることを目標に成長させていきたいと思います。

是非、ご意見たくさんいただければと思います。

これからもよろしくお願いいたします。

というところで、今回はここまで。


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