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8月社長朝礼前半 ー北海道は面白い!ー

今日は木村石鹸さんが朝礼を見学に来られていますが、木村社長のお話も聞きたいので、通常通りの話は半分にして、残りは木村社長にも出て頂きたいと思ってます。
(木村石鹸 木村社長との対談は後半にてお見せします、お楽しみに!)



1、北海道 白糠町編

1-1. ふるさと納税4位の町

今回長い人は9連休のお盆だったかと思うけど、僕の方はちょっと少し前から動いてて、14日から北海道に行ってました。

毎月北海道に行ってる中で、あちこち行きたいなと思いながらも、厚真町での役割もあるので、観光っぽくなっても良くないよなと、なかなか行く機会がないのですが、今回はお盆という事もあって、道東、地図で言うと右側の方を回ってきました。

最初に白糠町というところに行ったんですが、多分、皆知らないと思います。ふるさと納税でうまくやってるところで、今回案内してもらった黒田さん、彼がコンサルで入ってからかなり伸ばした所です。

最初に彼が関わった時は町の税収が20億+特別交付金とかで大体合計50億、だとかだったのが、今やふるさと納税で貯まったお金が250億円!
一般会計の何年分や!っていう額がふるさと納税で貯まっている状況になって、18 歳まで教育費・医療費無料ってされてるんですよ。

1-2. ふるさと納税をすることのメリット・デメリット

僕はふるさと納税が本来の意味合いを逸脱してて、当たり前で本来は景品狙いの話ではないので、商品カタログから選んで受け取る、という感覚になっているのはどうかなとは思ってます。

あと、当然国の税収自体は変わらないわけだから、白糠町が潤ってるってことはどっかが減ってるわけなんですね。
そうなると結局奪い合いみたいな状況になってしまうのでそれもどうなのかなと思うことはあります。

でも良いことでいくと、今までは国が全部集めてそれを地方に配っていくという構図の依存関係だったのが、地方が自助努力で稼いでいく様になったことです。
その中で白糠町が何をやったかというと、マーケティングに注力したんですね。
それまではせっかく白糠町のふるさと納税で3回購入してる人がいても、どんな人か誰も知らないという状況だったりしたんですよね。

一概に全部が良いとは言い切れないけど、白糠町は自助努力をして教育費無料とか医療を無料とかまで実現できるようになったわけじゃないですか。
やっぱりこれってすごいことですよね。
だから、こういうことを各自治体が自分とこの強みを持ってやったらすごい面白い展開ができると思うんですよね。


https://coinpost.jp/?p=522457 より

余談ですがネットで見てもらうと、白糠町はふるさと納税ランキングで4番目に出てくるんです。
全国の自治体数が1741かな?ある中での4番ですからね。
人口自体は7000人ぐらいなんですけど、そんな町がこういうこともできるという状況をまざまざと見せていただいたのが白糠町だったというわけです。

2、北海道 小清水町編

2-1. コインランドリー付きの役所

その後、小清水町というところにも行ってきました。
こちらは、我々の本業に関わる話で、役所の新庁舎がすごいというのを聞いてたんですよ。

そもそも役場にコインランドリーがあるんです。

完全建て替えされた役場で、小清水町の人口は4400人で厚真町とほぼ同数なんですけど、そのコインランドリーがモンベルさんと組んでたり。
背景としてはモンベルを引っ張り込んだ複合施設がそちらは賑わっているけど町とは繋がらず、何とかその人たちの動線を作ろうと作ったそうです。

そんなところからモンベルさんとコインランドリーの業者さんが連携して、「モンベル撥水加工」というのを共同研究して作ることになって、その機能を搭載した第一号の機械がここに設置されてるんです。
今やそれが全国で5 店舗ぐらいになってるらしいですが、これも4400人の町が、こんなことを起してるのです。

2-2. フィットネスジム付きの役所

さらに、全国展開もされているRENAISSANCEが監修しているHOTUSというフィットネスジムも役所の中にあります。

本来4400人の町で全国チェーンのフィットネスが入ったところで採算が合うわけないんですね。
だけどそれも、デジ田(デジタル田園都市構想のこと)の補助をうまく使ってたり、入ってもらう業者さんのイニシャルコストを抑えるために、町も若干補助してるそうです。

とはいえ、4400人の町でイニシャルコストを抑えてもらっても、運営で採算合わないですよね。
ここについて、ウエダ本社がミツフジさんと一緒にやったように、フィットネスジムに通うようになった後の健康データを医療に生かしていくことで、町民が元気になるという町を目指して、ランニングコストも補助をしている様でした。
こういったこともあり、現在300 人ぐらいの会員だそうですが、業者さんも損せず回していけるという状況になっているそうです。

あと凄いのは、この建物をつくる時から災害対策を絡めていて、フィットネスのところも災害時に温泉熱で床を温めたり、避難場所になったり、カフェもあるんですけども、そこで食事提供したりとか、防災のことが全部組み込まれているんですね。

2-3. カフェ付きの役所

で、カフェスペースもね、蔦屋書店みたいに本棚の間にソファーがあって隠れ家的なスペースがあるんですよ。

ただこれは結構議論あったらしいんです。
そもそも役場なのでセキュリティのために17時には閉まるようになってて、2階には町長室とかもあるけども、階段にプランターだけ置いててそれ以上通らないようにしている、性善説的な考え方での運営で、このスペースは22時まで開いてるので誰でも使えるという状況で、大丈夫なのか?と。

何だかんだ議論はあったけど、その運営方法で数ヶ月〜半年ぐらい経ったのかな?住民からのクレームは一件もないとの事でした。

2-4. 議場のない役所

あとこれは役所関係の人に言うとびっくりすることなんですけど、議場がそもそも無いんですよね。

行政に関係ない人は意味わからないと思うけど、議会って年間で何日開かれてんのかくらいなのに普通議場はしっかり作られていて、スペース的にはめっちゃ効率悪いんですよ。

でもここの議場は机も全部しまえるようになってるから、何もないスペースで、普段もほとんど職員の会議で使ってるとの事でした。
議長室も無いので、隣の事務室に人がいて、「さっきあそこにいた人が議長です。」と言う風に運営されてるんです。

運営とか含めうまくやってるよなって思うけど、これも単純なハード面の考え方だけでは出来っこなくて、議会との関係とか、住民との関係とか、ソフト面、人の関係をどう紡いでいるかがポイントで、、
白糠町も小清水町もとても参考になりました。

3、北海道 厚真町・札幌編

その後厚真町に行っての仕事でしたが、今、厚真ではこの先10年の総合計画を作るといことをやっていて&PUBLICさんに入ってもらっています。

今回は、中高生に住民の方に同世代、親世代と祖父母世代の3人にインタビューをしてきてもらって、それをみんなで持ち寄ってのワークショップをやっていたのですが、そこから厚真町はどうあるべきか?を考えていって、来月には女性中心のワークショップも開催して、総合計画に織り込んでいこうとしているんです。

ワークショップの様子

これもなかなかありえないことで、町の今後10年の総合計画を職員で作ろうとしてるんですが、通常はコンサルに頼んで、コンサルがまとめて分厚い資料を作るっていうのを、今回、自分たちで作ろうとしていて、そこに僕らも入らせてもらっているので、これができると、大変画期的な事例になると思ってます。

で、最終日は札幌に行って道雪解議っていうイベントに登壇含め参加してました。
これはリリースがやってたCommunity Based Company Forumに源流があるので、ってことは、それの源流は京都流議定書ってことで、それに出て帰って来たのが今回の北海道出張でした。

4、まとめ

最後に1つ。
さっきも言ったように全国自治体数1741のうち、北海道はおよそ1/10の179の自治体があって、さらにそのうちのおよそ90が5000人以下の自治体なんですね、179のうちの半数以上がです。

これって以前も発表のあった消滅都市の感覚でいくと北海道どうすんの?ってことやけど、現地行ってて思うのは、普段聞いている情報と現場で見る情報は圧倒的に違うということです。

白糠町でもふるさと納税で4 位になるとか。
1つ上の3位に根室があるけど、これらは海産物が中心で。
道東っていうと、摩周湖だとか釧路湿原だとか、観光SPOT周る以外は何もないって見えるエリアなんですけども、実は資源がめちゃくちゃ豊かなんです。
5000人、1万人の自治体なんて統合しないと生き残れないなどと思われるけど、全然そうじゃなくて、白糠町では 教育、医療を18歳まで無料にしたり、小清水町は庁舎を住民に開放したり。
何が言いたいかというと、1万人以下の自治体ってめちゃくちゃ面白いんですよ。
要はこれで行こうってすれば、思い切ってやれてしまう。
それによってお金も集められたり、人も集められたりできるんです。
それを各地方がそれぞれやっていくとさらに面白いことができてくるんですね。
今北海道がめちゃくちゃ面白いというのはそういうことなんです。
で、こんな事例がたくさん出てくると他の地域も変わってくるわけですよ。

でもその為には色々と崩さないとダメなんですよね。
北海道はやっぱり第一次産業がほとんどで、なまじ資源が豊富なだけに素材としてバーンと売って終わっている、それだけで稼げるから。

この構造を変えないと、せっかくの面白い取り組みが育たないし、なので、ローカルスタートアップ協会は既存の流通だけに頼らない骨太ベンチャーを起こして、数を増やしていこうとしているんです。

今日この後宮崎行くのは、ローカルスタートアップ協会で今後年 2 回行っていく第一次産業を中心としたワンサミットというイベントの為ですが、

8/20に開催されました!

色々動いているのも、ウエダ本社としても、こんな繋がりがあるのだということを皆も知っておいてほしいと思います。


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