飛び石かどうか?
今週末は"海の京都" 丹後に行っておりました。
主はトップフォーラムで宮津と伊根町に行っていたのですが、翌日は京丹後市にも足を延ばして来ました。
トップフォーラムでは、飯尾醸造の5代目飯尾社長の講演がありましたが、3年前の京都流議定書以来に聴いたお話は、その話し方だけでなく、内容、展開も進化していて、やはり本物の展開、進化というものを感じました。
飯尾醸造さんについては、6年前に訪問した際のブログhttp://okamura-kyotostyle.blogspot.jp/2011/03/48-2.html に書いてますので、そちらをご覧頂ければと思いますが、今回はそれらの話に加えて、飯尾さんがこの数年取り組んでこられた、宮津のサンセバスチャン構想についてお話されていました。
サンセバスチャンというのは、美食の町として世界中から観光客を呼び込むスペイン北部の町ですが、飯尾さんは宮津や丹後をそんな町にしていく事を目指して、旧花街の建物を買って、そこに鮨屋とイタリアンのお店をオープンされるそうです。
勉強会では、何故イタリアン?という突っ込みもありましたが、その後個別で聞いた話などからも、決して飛び石を打った展開ではなく、農家さんや地域、そして消費者に対してどうあるべきか?と、脈々と続く本物の理念からの発想である様に感じました。
そして驚いたのは、無農薬で作る農家さんを守る為に、通常より何倍もで買い取り、数百万もする機械は飯尾醸造さんが購入して無償で貸し出すなどして、農家さんの収入を上げる事まで行なって来られながら、法人化してから一度も赤字になった事がないと言われるどころか、最近では10%以上の利益まで残しておられるのですから、自分自身、自社の展開の中途半端さが恥ずかしくなりました。
夜の懇親会は、伊根町の舟屋群にオープンしたカフェを貸し切りで、地元の豊富な魚介、山菜類を堪能させて頂きました。
見事なロケーションとお洒落な建物ですが、伊根町の規模からすればかなり大きな投資だと思いますし、個人的には、ちょっと微妙な感じを受けました。
当たり前ですが、物事にはハードとソフトが必要で、そのバランス、それを生み出すマインドというのか、何を目指し、何を生み出すのか?、そしてそれは何から生まれて来たのか?というものが必要であると思いますし、それは中小企業、過疎地域など、弱い立場の側は、よりその視点が重要だと思います。
ソーシャルや地域という、今まで陽が当たらなかったり、弱い立場であった所に参入してくる所が増え、今まで集まらなかったお金や、できなかったハードが作られたりして、ハードから来たのか?背景などソフトから作られて来たのかが、一見、分かりにくくなって来ています。
それは、我々の展開するオフィス環境でも同じで、見栄えやハードは作れますが、何故その様に構成するのか?というソフトが分からないと、昔のハコモノと変わらないものになってしまいます。
まあ、企業、会社自体もそうかもしれませんが、そういう意味でも飯尾さんの展開は、私は決して飛び石ではないと思いますし、ハードとソフトの背景が分かりにくくなっていくからこそ、我々はそのソフト部分に拘り、その微妙な差が分かる人や所と一緒に行動していきたいと思います。
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