伊藤詩織さんの書類送検とクロスモダリティ効果
クロスモダリティ効果とは視覚の情報が他の感覚器官の情報よりも優位に働く場合、実際とは間違った判断をしてしまうことを言う。
ピンクのシロップをかけたかき氷がメロン味でもいちごシロップの味だと思い、高価そうなラベルが貼ってある安いワインを美味しいと思ってしまう。
「人間は見た目が大事」と言う科学的根拠に当たるかもしれない。
虚偽告訴罪は警察への申告だけでも罪になる
誰でも簡単に告訴ができる〜そんな誤解が世に浸透するような事を、あろうことか、ジャーナリストたちが流布させている。
これらのコメントはまるで、山口氏が嫌がらせで作った書類を警察が機械的に受理し検察に送致されたような印象をtwitterユーザーに与える。
詩織さんが虚偽告訴した疑いから始めろ
警察や事件の事をよく知らない人達が告訴も書類送検も大した事じゃない?なら私もしてみようかな?って人が出てきたらどうするつもりなのか。
(いや、そんな人はいるはずないと思いますが、社会的に信用ある記者職にある人が、しかも事件記者たちが、読者に刑事訴訟法の誤った知識を植え付けるのを見るのが我慢できないので、あえてオーバーな表現を使いました)
なぜ、事件記者たちは書類送検されたことから事件をカウントして論評するのか。詩織さんの書類送検は今までの詩織さんの告発事件に対して三分の一の後半部分でしかない。その前の、三分の二の部分を無視している。目を塞いでいる。事実から目を背けてコメントしている。
これが記者のやることか?
記者たちよ、一度事件の原点に立ち戻れ
詩織さんが刑事告訴したことから端を発したこの事件のスタートラインからの、詩織さんが虚偽告訴したから訴えられたかもしれない、という当たり前の視点を見失っている。詩織さんは何もしていないのに訴えられた訳ではないのだ。詩織さんは山口氏を刑事告訴しているが(不起訴)そのアクションへの訴訟だ。その詩織さんへの刑事告訴が正当なものだったのか、今一度、原点に戻って立ち止まり、考える必要がある。
悪戯心で警察を利用すると軽犯罪法違反に問われかねない
犯罪被害に遭ったら警察へ加害者の処罰を求めて訴える。これは市民の権利だ。治安維持のためにも悪人は処罰されなければならない。しかし、それは被害が真実だったら、に限るのだ。
ちょっとした気軽な悪戯心で警察に嫌いな人間を訴えたらどうなるか。機械的に告訴状や被害届が受理されて送検されて終わりか。
いいや、いくつかの刑法に問われる可能性が大なのだ。
軽犯罪法16
◆十六 虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者
嘘の犯罪を公務員(警察官)に申し出たら軽犯罪法に問われる。
業務妨害罪 刑法第233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
嘘の犯罪を申し出て捜査をさせようとか、そういう事は、警察への業務妨害になります。
さらに、当人からも訴えられる↓
虚偽告訴罪 刑法第172条
人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役に処する。(wikibooksより〜)
告訴だけでなく虚偽の告発や、処罰を求めての申告も含む。(Wikipediaより〜)
申告だけでも処罰の対象になる。(ここポイント!)
告訴や被害届だけではない。申告しただけでも処罰の対象になる。警察を使って税金で人に復讐を企てる、そんな人が増えたら社会秩序が乱れて世の中めちゃくちゃになる。
これらの法律の条文をしっかり読んで欲しい。山口氏は虚偽告訴と名誉毀損の告訴状を警察に提出、警察がそれを受理したという事は、中身に一定の虚偽では無いとする信用が担保されていた事になる。
要はデタラメな書類を警察に持ってってもつき返されるし、下手すれば警察への業務妨害で逆に逮捕されてしまう。
一連の山口氏の告訴により、詩織さんが書類送検された 事への記者たちのコメントは、「警察が告訴状を受けたら書類は機械的に検察に送致されるから問題はない」というようなものが多いが、さて、そうだろうか?
嘆かわしい狼狽記者たち
上記したように、警察への申告、告訴はとてもハードルが高い。
虚偽告訴等で捜査の手が邪魔されないように警察は受理する前に中身をしっかりと精査する。送検される前の「難関」である告訴状の受理という事実を外して、「捜査書類は機械的に送検されるんだー」とのたまう記者たちの狼狽ぶりのみすぼらしさ。
詩織さんの書いた本の中身で名誉を毀損された、あちこちで嘘の犯罪を吹聴された、警察への告訴自体が嘘だった、と山口氏が訴えた事が今回の書類送検だ。
「詩織さんの告訴は虚偽だった」彼らはなぜこの可能性を排除するのだろうか。山口氏の人権に蓋をするな。
詩織さんをリラックマだと思え
今度から詩織さんの記事の写真をリラックマかなんかに差し替えて記事を読んでほしい。名前も猪熊でんことかに変換して読んでみて。
書類送検は機械的だーという人たちは詩織さんの事件での視覚から受けた情報を一度、リセットしてみるといい。中身は案外、安いワインかもしれない。
詩織さんという若い美人が顔出しして虚偽の性被害を告発するはずがない、という先入観を外してみると、事件の中身は案外単純な酒の席の過ちで警察や裁判所を使って男女がもめてるだけかもしれない、という外観が見えてくる。
そうであるなら、詩織さんが今やってる事にはノーサインを出すしかない。