よしりん裁判傍聴記③原告/控訴審で争点整理を事実認定のレベルからやり直す! 被告/伊藤詩織さんから、き、聞いてないよ...
元 TBSワシントン支局長の記者・山口敬之さんが、伊藤詩織さんの告発を巡り、漫画で名誉を毀損されたとして漫画家の小林よしのり氏と小学館を訴えた裁判を傍聴しました。
令和2年9月25日午前10時20分開廷。傍聴人は10名で満席。10分ほどの審理でした。(裁判基本情報は下記にあります)
今回も裁判長から詩織さんVS山口氏の控訴審についてスケジュールの確認があった
◆漫画家の小林よしのり氏が山口氏を一方的に「レイプ魔」「凶悪犯罪」(者)などと表現した漫画を小学館の発行する雑誌に掲載しました。
これを受けて、山口氏は小林氏と小学館に対して謝罪広告等を求めて提訴しました。(以下、この裁判を「よしりん裁判」と表記します)
◆聞き取れた部分のみを書き出ししています、詳しくは裁判所で裁判資料をご参照ください。
控訴審で争点整理を請求原因の事実認定レベルからやり直す!
この日も伊藤詩織VS山口敬之控訴審の進行についてのやり取りがほとんどでした。
甲号証の陳述のほか、控訴審の進行について確認が行われました。
前回は9月7日に弁論準備手続きが行われて、次回期日は11月12日。次回も弁論準備、争点整理を続行するとの事。
⭐︎大きなスクープは、口頭弁論中に裁判長から控訴審の進行状況を尋ねられた大西達夫弁護士が「控訴審は損害賠償の請求原因を事実認定のレベルから見直す(やり直す)という訴訟指揮を取ると、裁判体から明示されている」と裁判長に向かって毅然と述べたことです。
通常の高裁の審理よりは時間をとってやる
しかも、山口氏側から控訴審で新たに証人申請が出された模様。詩織さんが一審で勝利した性被害の訴えは控訴審で未公開のまま、新事実に向かって大きな動きがあった様子です。
大西弁護士が被告席に座るよしりん側の弁護士達に向かい、裁判進行状況を述べるときの威厳、威圧感が印象に残りました。
そして「審理のやり直し」「(裁判所は)審理に時間をかける」と告げる張りのある声は法廷内の隅々にまで響き渡り、傍聴席は意外な告知に驚き、息を飲んだように静まり返りました。
よしりん側弁護士「詩織さんに聞いたけど、そう言うニュアンスではなかった...」
被告側のよしりん側(小林よしのり氏と漫画の掲載元の小学館)は五人の弁護士が揃っていましたが、3回目の傍聴も見た限り、青菜に塩。
裁判長から同じく控訴審の進行状況について聞かれたよしりん側は「詩織さんから弁論手続きの話を聞いたけれども、そう言うニュアンスではなかった...」と歯切れの悪い答弁。
また、詩織さんが控訴審で出した控訴答弁書をよしりん裁判で使いたいとの意向を示していましたが、詩織さんに直接尋ねたところ、「未陳述だから」と言う理由で今の所、謄写を拒否されているようです。
よしりん裁判でも、控訴審と同じく医師の意見書が出されると言うことなので、それを見て反論したい、と言うことで今回は閉廷しました。
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審理の様子〜
裁判長から控訴審の進行について聞かれ〜
大西弁護士:A女側(1)の本訴訟の請求原因事実レベルから、高裁で、整理をやり直すと審理方式が明示されています。
裁判長:請求原因レベルから?
大西弁護士:不法行為の内容の特定から、高裁の方から訴訟指揮がされている。請求原因の事実レベルの特定からやり直すという進行になっている。
裁判長:見通しは?
大西弁護士:期間的には〜中略、通常の高裁の審理よりはだいぶ、時間をとって進めると、裁判体(2)から双方に伝えられています。
控訴審の方では、当方は同じ原告から新たな証人尋問等の申請もしていて、それの採否についても争点整理の結果を踏まえて判断する。
被告:やり直しのニュアンスは聞いてない...
裁判長:被告は〜?
よしりん側:控訴審については、A女さん側にはお話聞いていまして、争点整理されてるとは聞いていますが、不法行為のやり直しをするとのニュアンスは聞いていませんで、不法行為の内容をもう少し特定すると方向だと...裁判所から話を受けて...(聞き取れず)
よしりん側:謄写したい控訴答弁書はまだ未陳述扱い。A女さん側にお願いしたんですけれど、A女さんは未陳述では出せないという回答をいただいた。控訴審の方、弁論準備で陳述扱いはできると思うんで、様子を見ながら謄写したい。
裁判長:進行ですが〜どんな感じになって行くのか〜
よしりん側:控訴答弁書 医療関係の別件でもご主張あるので、進展あると思うのでそれを見て反論したい。大きな流れとしてはそれが終わったら、人?立?証の話になるのかなと。
裁判長:Web会議での弁論準備は可能ですか?
双方:接続テストはしたことあります〜
〜了〜
A女
次回期日 12月8日火曜日午前11時(おそらくweb会議で非公開)
(1)A女 伊藤詩織さんの事。なぜか本名を出して審理されません
(2)裁判体 事件を担当する裁判長、裁判官をひとまとめにしたユニットの事
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◆ よしりん裁判基本情報 ◆(裁判担当部署が変わりました)
事件番号:平成30年(ワ)第39896号 民事4部合議A係
裁判長 伊藤繁
裁判官 向井啓二
裁判官 片岡顯一
書記官 渡辺裕之
事件名:謝罪広告等請求事件
原告 山口敬之 原告訴訟代理人 大西達夫
被告 小林善範(よしのり) 株式会社 小学館
被告訴訟代理人 竹下正巳 山本穀博 多賀亮介 他二名(お名前がわかり次第、追記します)
◆当記事の評論をして下さったブログを紹介します。
@superokusuri さんの
『伊藤詩織さんの民事訴訟を応援するブログ』
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