ドンファン妻、起訴されていた。別件5000万円詐欺容疑で弁護士ら5人と書類送検、リーガルファンディング公式は沈黙
事件は意外な展開を見せた。
紀州のドンファンこと、資産家の野崎幸助氏(当時77歳)が2018年5月24日に急性覚せい剤中毒で謎の死を遂げて約四年が経つ。
和歌山県警はこれを殺人と断定、厳重な捜査の末、2021年4月28日、野崎氏の妻A(2018年2月8日結婚、当時21歳)を殺人容疑と覚せい剤取締違反で逮捕した。
一代で財をなし、「色と欲」を欲しいままにしてきた野崎氏は、56歳差のある美貌の若妻と「人も羨む」結婚をして、たった三ヶ月で不審死を遂げた。二人のスキャンダラスな経歴も相まって、この逮捕劇にワイドショーは事件をけたたましく取り上げ、多くの耳目を集めた。
が、同じく不審死とされていた野崎氏の愛犬を墓から掘り起こし、検証を試みたものの、覚せい剤などは検出されず、これを機にしばらく報道は熱は鎮火していた。何より、容疑者の妻Aは黙秘を貫いているという。(野崎氏の妻を以下 Aと記載)
Aは起訴されていた。
和歌山地検は2021年5月19日、殺人容疑と覚せい剤取締違反の容疑でAを起訴していた。これから長い裁判が始まる。
詐欺容疑で再々逮捕の上、弁護士らも共謀したとして送検
2022年3月10日付けの東スポの「記事」によると、和歌山県警は野崎氏が経営していた会社から5000万円をだまし取ったとして、Aを弁護士ら4人とともに、和歌山地検へ書類送検した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b4276d938dda3fb9a6c242acbc82b177a43d994b
松永成高弁護士(渥美板井法律事務所弁護士法人麹町オフィス)が事件内容を解説しており、それによると、Aと弁護士3人、公認会計士1名が詐欺容疑で今月3日に書類送検さたという。
これについては『AERA』が詳しい。
詐欺容疑の告発人は野崎氏が経営していた会社の元監査役・元畑眞氏だ。
告発状は2020年(令和2年)の6月22日に田辺警察署へ提出されている。「紀州のドン・ファン殺害事件 A被告またも詐欺で再々逮捕へ」
野崎氏が経営していた酒類販売会社『アプリコ』の元監査人の告発状によると、Aは違法な手続きで野崎氏の代表取締役に就任し、野崎氏の「遺産を全て田辺市に寄付する」という遺言書を無視して、Aは会社名義の口座にある資金をAの口座に振り込んだ疑いがあるとしている。
おそらく、これに関連するものとして、今回の弁護士や会計士の送検につながったと思われるが、また詳しい情報が出たら改めて編集する。
Aの代理人として度々ワイドショーに出演していたタレント弁護士Bは、すでにこの事件の代理人を離れ、Aには和歌山県の弁護士が弁護を務めているという。
「紀州のドン・ファン」元妻“無罪請負人”を選任できず 雑談のみで完黙貫く」
弁護士は同じ告発人に懲戒請求されていた。
最初の東スポの記事によると、告発人はAの遺産相続紛争の代理人を務めた弁護士たちにも裁きの場を与えた。所属する弁護士会に懲戒請求だ。
松永弁護士は野崎氏の兄弟である遺族の遺言書無効をめぐる争いで弁護人をしており、このことから東スポのインタビューに答えた模様。
「弁護士自治を考える会」 によると、懲戒請求の請求者が松永弁護士となっており、告発者の代理人となった可能性が高く、これも詳細待ち。(懲戒請求は弁護士会に所属弁護士の処分を求めるもの)
連動する事件
今回詐欺容疑で送検され、懲戒請求された弁護士Bは愛媛県松山市の「ご当地アイドル」が自殺した事件の「愛媛ご当地アイドル自殺訴訟」または「農業アイドル自殺訴訟」とも呼ばれる裁判の原告・遺族側代理人である。そして自殺の責任があったとして訴えられた事務所側代理人の一人が松永弁護士である。事務所はご当地アイドルを業務委託契約の形で雇用していた。
Bは裁判費用を募金で賄うことを目的として弁護士らが設立した「リーガルファンディング」代表理事の一人
「愛媛ご当地アイドル自殺訴訟」は遺族側に裁判の資金がないとして、募金を募っており、四年にわたる裁判の資源になっている。この裁判費用募金団体が「一般社団法人 リーガルファンディング」だ。
このリーガルファンディングの運営方法や会計の透明性においては、有識者から疑問や非難が百出していたところである...
弁護士の社会的信用を担保にして裁判基金を集めるリーガルファンディング。代表理事のうち1名が書類送検され、懲戒請求を受けた報道が流れる中、公式HPは未だ沈黙を守っている。
(了)