愛媛農業アイドル自殺訴訟 月九事件 ERAの証人申請 第五回口頭弁論 傍聴記
芸能人の権利を守り、地位を向上させることを目的として設立した弁護士の任意団体「日本エンターテナーライツ協会」の弁護士らが、自殺した大本萌景さんの裁判を巡り、被告のHプロジェクトの元従業員や愛の葉Girlsのメンバーらを強引に聴取報告書に協力させようとした事件ですが、やっと「報道」されるようになりました。(以下、「日本エンターテナーライツ協会」をERA、大本萌景さんを萌景さん、HプロジェクトをHプロ、Hプロの弁護団、「あつみ法律事務所を」渥美弁護団と表記します)
なので、私の知っていること、見たこと、第五回口頭弁論傍聴記を書き残しておきます。
①大本事件の経緯。
愛媛県松山市のご当地アイドル大本萌景さんはHプロが運営しているアイドルユニット「愛の葉Girls」で活躍していましたが、2018年3月21日に自宅で自死しました。萌景さんのご遺族はERAの弁護士を立ててHプロに対して自殺の責任を求めて損害賠償の裁判を提起しました。(第一訴訟)
裁判費用は募金です。(リーガルファンディング)
争点5つの証拠はどこに
遺族の弁護団・ERAが主張しているこの裁判の主な争点は5つです。
②hプロの争点への反論と論拠
これに対して、反訴に近い形でHプロ側はご遺族とERAの弁護士を提訴しました。これが「第四訴訟」です。(訴訟代理人 第一訴訟の被告側代理人弁護士は「あつみ法律事務所」のあつみ弁護団)
第一訴訟では①の休みなく働かせていたとするERAの主張に対して、渥美弁護団は2019年10月11日に東京都の霞が関で記者会見を開き、hプロでの萌景さんの活動日数は平成30年1月以降、月に10日未満であったと述べています、その論拠となる日数表が公表されています。
この表によると萌景さんが亡くなる(平成30年3月21日)から半年に遡ると、萌景さんの Hプロジェクトでのアイドル活動日数は6ヶ月のうち、約61日、10日程度でした。
渥美弁護団の主張により、「萌景さんは休みなしに働かされていた」というERAの争点は次々と切り崩されていったのです。対してERAは5つの争点の証拠が薄く、甲号証も閲覧制限をかけました。
今回の月九事件。ERAが陳述書を強要した原因は何かというと、ERAが最初に示した争点の証拠を裁判が始まってから作らなければならなかったからです。この裁判、派手な記者会見とは裏腹に証拠や訴状が不完全で全てがなし崩しなのです。ERAの弁護士がが裁判所に出したのはサイン捺印のない「聴取報告書」でした。本人の承諾を得ないで作った調書ですから当然そうなりますよね。
聴取報告書の中身とは
フライデーの記事では橋川美紀さんが告発していますが、ERAの弁護士らに無理矢理に聴取されたhプロの関係者は他二名。(画像はリンクフリーです。橋川さんたち三人がERAの取引に応じ、聴取報告書の提出を許可したと誤解したツィートを見かけたらこれを貼ってください)
つまり、ERAの弁護団がなんども愛媛に足を運び、交渉を重ねて聴取した報告書は三通あるのです。
令和元年11月25日付けで甲第140、141、142として東京地裁に提出されています。
提出者は佐藤大和、向原栄大郎 安井飛鳥 河西邦剛 望月宣武 の各弁護士連名です。
甲140号 聴取日 令和元年8月5日、M氏(元hプロ従業員・男性)
甲141号 聴取日 令和元年9月22日、I氏(元hプロ従業員・男性)
甲142号 聴取日 令和元年9月22日、橋川美紀さん
遺族側代理人が提出した報告書内容<甲号証の内訳>
◆甲140号は hプロのパワーハラスメントと萌景さんへの学業阻害
◆甲141号はhプロから暴力を振るわれた事や、タレントをマインドコントロールしていた事、報道されたお父さんが写真を撮ったことは萌景さんは気にしてない、hプロが萌景さんの自殺に関係した事など
◆甲142号は反省会が厳しかったこと、萌景さんは悩みを自分で抱え込む子だった、hプロの社長が社員にパワハラしてるのを見た、hプロの社長が一億払えと言ったかは五分五分〜など
これら甲140〜142までの証言内容は事務所側の渥美弁護団から出された同じ3名の陳述書によって否定されています。
ERAは聴取報告書の三人を証人申請する予定。
2019年12月2日(月)午後2時より、東京地裁602号法廷にて、第5回口頭弁論での「傍聴記録」から〜
ERAは聞き取りをして聴取報告書にした三人を証人として出廷させる意向のようでした。
裁判長:132〜134の原本を提出していただいて...(書類のやり取りが見える)
渥美弁護士:甲140〜142は、元従業員の方からの(聞き取れず)報告書ですが、一人称で書いてご本人がお話されているような形で書いてあるんですが、これは中身はご本人が確認されているんですか?
望月弁護士:陳述書のような形で本来、出すことを想定して作成して進めたのですが、最終的には陳述書での形のご協力を得られなかったので、読み聞けをしたうえで作成をしております。
望月弁護士:厳密に言うとIさんとH(橋川美紀)さんついては、読み聞けをしながらしておりまして、読み上げながら、事実確認をして、 Mさんに関してはもう少し幅広く、聞いたものから一人称の陳述書の形式で作って、最終的には読み聞けまでは進め、実施できててないですね。
松永弁護士:Mさんは証人として申請されるおつもりですか?
望月弁護士:そうですね、申請したいとは思っています。
渥美弁護士: 3名とも申請予定ですか?
望月弁護士:はいそうです。
渥美弁護士:(報告書への証言を)聞かれたのは五人で?一緒に聞かれたのですか?
望月弁護士:何回も聞き取り作業をしたのですが、タイミングごとにバラバラなのですが、向原弁護士以外の四人の弁護士は聞き取っています。例えば最後の読み聞けのタイミングで私はない、いないとはありますけど。
(傍聴記書き出し 了)
ということなので、この聴取報告書にした三人を証人申請するつもりのようです。
ERAは芸能人の権利を守るとして「ハラスメント問題や芸能人の健全な成長発達権」などを標榜しています。
※私は大本事件の第一回口頭弁論から傍聴していましたが、ERAの弁護団、hプロ関係者、及びhプロ支援者やこの裁判ウォッチャーから激しい嫌がらせや根拠のない誹謗中傷を受け続け、この裁判から離れることにしました。
この事件はずっと「人権と報道」やフリー記者数名、ななかと氏が追いかけています。こちらの続報をお待ちください。
画像はいどちゃんさんからいただきました。
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