【人民裁判】週刊文春「木原誠二妻殺人疑惑報道への違和感」2 【ポンコツスクープ】
怪しい女刑事
週刊文春が木原誠二官房副長官のスキャンダル後追い記事を出した。(7月20日号)
事件の内容は簡単に言うと、木原氏の妻X子さんが元夫を殺害し、未解決事件となっていたと言うものだ。その再捜査を木原氏が妨害したと言うものである。(ただし、X子さんが元夫を殺害したという証拠は文春を読む限り、全くない)
事件概要は2006年4月10日に自宅で血まみれで倒れている元夫(安田種雄氏)を父親が発見し110通報、死亡が確認される。遺体から致死量の覚醒剤反応が出た事もあり、薬物乱用による自殺との見立てで大塚署担当で捜査が行われるも、未解決事件(コールドケース)となる。(安田種雄さんを元夫と表記します)
その12年後、2018年春に警視庁の未解決事件を扱う「捜査一課特命対策室」が安田種雄氏の不審死事件の再捜査を始め、木原氏とX子さんが事情聴取に応じるが逮捕に至らずと言うものだ。この再捜査を担当する大塚署の女刑事、最初は警視庁特命捜査室にいたと言う。そこれが何故か大塚署にいる。警視庁から下部組織の所轄へ配置転換?しかもなぜか事件発生とは全く関係のないX子さんの名古屋の実家に家宅捜査してるのだ。
X子さんを容疑者に仕立てる記事作り
前号の冒頭はX子さんの実家(愛知県)に警視庁が家宅捜索するところから始まる。令状には「殺人 被疑事件』と記されているとある(7月13号P.23)これでいかにもX子さんが殺人事件の容疑者であると強く印象を受ける事になる。が、よく考えるとこの殺人事件は東京都内の池袋に近い大塚署管轄内で発生しており、遠く離れた名古屋の実家には何も証拠などない筈だ。
事件のあった都内の家はすでに売却し、X子さんは父(元警察官)が持つ豊島区内のマンションに住んでいる。つまり、当時の証拠を保全できるものなど何もないのだ。まして実家には。X子さんの実家に家宅捜索が入ったのなら、何とかX子さんが容疑者とするための違法な過剰捜査という事になる。
「俺がいなくなると妻が連れていかれる」は木原氏の音声ではない
まず、前号(7月13日号)で『「俺がいなくなると妻が連れていかれる」衝撃音声』のタイトルに驚かれた人も多いだろう。容疑者になる妻を守ろうとする政治家の姿が浮かび上がる。しかしこの音声は実は木原氏のものではない。よく読むと木原氏の愛人A子さんがそう喋ってる音声で、つまりは伝聞なのだ。
結局、X子さんも木原氏も事情聴取を受けている。
しかもA子さんはX子さんが連行された時...と喋っているので、結局X子さんは警察に行き、事情聴取を受けているようなのだ。木原氏は捜査の邪魔をしていない。万事「衝撃!」タイトルの中身が小さくてこれぞ針小棒大といった感じだ。しかも任意の事情聴取で「連行」と間違った記事の書き方をしている。X子さんが警察署に被疑者として連行されたのだと強く印象つける内容だ。だが、逮捕状が出てないところを見ると単なる任意の事情聴取だ。
安田種雄さんは致死量の覚醒剤反応があった、時間経過とともにいずれ死亡していた
木原誠二妻殺人関与疑惑第二弾の7月20日号P.22は再捜査を担当した女性刑事が元夫の最後の写真を見せるところから始まる。”父は嗚咽し、時に呼吸を荒げ、絶望を前にあがき苦しむ”とある。この辺りで「へぇ?」となるのは前号でこの元夫の遺体からは致死量の覚醒剤反応が確認されているからだ。
致死量。 とあるのでどのみちこの元夫は薬物の過剰摂取で死んでいた。
生物学的にはこの日に命が尽きる日だった。そこを念頭にこの記事を読み直すと「デタラメ書くのもいい加減しろ」となる。この家族もちょっとおかしい。息子が覚醒剤を乱用していたことは、まるでなかった事になっている。
女刑事「これは殺人事件です」も女刑事の肉声ではなく伝聞
木原誠二妻殺人関与疑惑第二弾の7月20日号はタイトルが「木原誠二の嘘を暴く”怪死”捜査音声160分」
女刑事は「これは殺人事件ですね、無念を晴らします」と遺族に宣言し、ネットニュースでも取り上げられた文言ですが、よく読むとこれは元夫の父親の証言なのだ。(7月20日号P.24)
だから、女刑事の肉声ではない。録音は当事者ではなくて、また聴きの伝聞。遺族が女刑事の言葉を捏造したとはいいませんが、事件報道としては杜撰な、偏向した編集がなされていると考えたほうがいい。
さらに女刑事が「我々が再捜査する糧といいますか、それは当然被害者なんですよね、ここで死ぬはずなかった、明日があった未来があった。それがあの日、奪われてしまった」と遺族に語りかけていますが、致死量の覚醒剤反応が元夫の遺体から出た事を知っていたらこんな事を遺族に言うのはメンタルの異常か認知症を疑う。
Yは遺体現場の唯一の外部侵入者。
再捜査が始まって元夫の家に出入りする人物がNシステムで浮かび上がった。当時X子さんの愛人だったY氏だ。
つまり、元夫の死亡事故発生当時、X子さんと元夫と三角関係にあった人物なのだ。女刑事は宮崎に飛ぶ。Yは覚せい剤取締法違反で宮崎刑務所に服役中だった。何度も事情聴取されるとついにYは告白した。「あの日、X子が元夫を殺しちゃった」と電話があった。と。そしてYはX子の家に行く。これがNシステムで引っかかったのだ。そうすると、Yは被疑者の一人として警察に車のナンバーを控えられていた訳だ。文春は死んでも書かないが、彼も重要参考人だ。前項で書いたが、彼は事件現場に立ち会い、元夫の遺体を目撃している。にも関わらず、救命活動も110通報もしていないのだ。そしてそのまま姿を消している。
文集の記事を慎重に読むと、このY氏が実は一番怪しい行動をしているのだが…
Y氏はX子さんが元夫を殺したと連絡受けそれを女刑事に自白する。それが真実だとして、X子さんは長身の夫を刃物で首から胸まで切り刺し、返り血も浴びずに殺害したまま隣の部屋で子供と共に就寝していたことになる。それも不自然な話だ。
何より、刃物についた指紋はあったのかなかったのか、ついていたら誰のものなのか、一番大事な事なのに書いてない。刃物から奥さんの指紋が発見されなかったから迷宮入りになったのではないのか。だったら一番大事な物証なんて何もない事になる。
逮捕して時間をかけて取り調べしたら自白したかも知れない←憲法違反
文春(7月13日号)ではいろいろ恐ろしいことが書いてあります。ちょっと刑事訴訟法や事件をかじっていた人なら「こりゃダメだ」と本を閉じる酷いことが書いてあるのだ。”供述(Yの)あってもそれを支える物的証拠が少なかった。これで逮捕したら自民党がめちゃくちゃ大変な事になる。一般人よりハードルが上がった。”
おおおい、伝聞証拠だけで逮捕しようとしている…この辺りで悪い冷や汗が出てくるところ、もっとすごいのは、証拠もないのに逮捕監禁して自白に追い込もう、とする事に何ら斟酌してないんですよ。この文春の記者は。
”一般人なら逮捕して時間をかけて取り調べれば自白したかも知れないが、有力政治家の妻となるとおいそれと手出しできない_こうした不平等があるとしたらそれ自体問題だが”
おおおい、一般人なら物的証拠ない伝聞証拠の「あいつが犯人だby薬中囚人」の証言だけで逮捕されてしまうのか。取り調べで自白させられてしまうのか。そして実名入りで報道されてしまうのか。随分と酷いことを書くなぁ、とまた冷や汗が出てくる。まるで中世の魔女狩りだ。
これの何が酷いかと言うと憲法38条にバリバリ違反しているから。自己に不利な供述を強要されない、とか拘留監禁された後の自白は証拠としてはならない、とされるもの。
つまり、あってはならない方法でx子さんを追い込め!と書いている訳だ。
なので、この文春の記事に難色を示したのは弁護士さんが多かったように記憶している。ほとんどの人は「政治家の妻なら人殺しでも逮捕されないんだ!」などとSNSでX子さんと木原誠二議員を糾弾し、ネットリンチの使徒と化している様相。
メディアリンチの危険性を、報道被害による人権侵害を長く訴えてきた私ですが、ああ、またか、といった気分。報道によって人を被疑者にする。法治国家のやることではない。
文春の記事中には本人の肉声ではないのに本人が言ったかのように編集されていたり、木原氏が捜査を妨害した証拠は何もないのに決めてつけていたり、重要参考人であり、唯一の現場目撃者であるのに警察、消防に通報せず立ち去った人物の証言を鵜呑みにして X 子さんを犯人扱いする記事を書いている。その内容は極端に偏向しており悪質なデマ記事の最たるものだと思う。
追記:文春は裁判で証拠を積め
こんな有様じゃ、木原氏から告訴されて当然だし、もし裁判になったら女刑事もY氏も法廷で堂々と証言すればいいじゃないですか。それこそが法治国家のあるべき姿で、文春は司法の場でX子さんこそ犯人だ、早く逮捕しろ、その証拠はこれこれです!と法廷闘争すればいいじゃないですか。逮捕できないのは政権の横槍が入ったからだ!とその証拠を出せばいいじゃないですか。出せれば、の話ですが。裁判の証拠品が山積みになるのを楽しみにしています。(了)
(※Nシステムとは「自動車ナンバー読み取り装置」で事件関係者が乗った車をNシステムが読み取ることで行動経路や逃走先が分かるようになる。)
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