
「借りものの時間」の中で本物の夢を見る
僕は高校生の頃、THE BLUE HEARTSが好きだった。
正直、全然世代ではない。
でもそのアウトローに一球外したスタンスが好きで、
正確に言えばそんなブルーハーツが好きな自分が好きで、
ウォークマンにアルバムを入れていた。
そんなブルーハーツの曲で「夢」という曲をご存知だろうか。
香取慎吾や加藤浩次、須賀健太が演じた2002年のドラマ「人にやさしく」の主題歌だ。
あれも欲しい これも欲しい
もっと欲しい もっともっと欲しい
俺には夢がある 両手じゃ抱えきれない
俺には夢がある ドキドキするような
家から遠く離れても
なんとかやっていける
暗い夜に一人でも 夢見心地でいるよ
たてまえでも本音でも
本気でも うそっぱちでも
限られた時間のなかで
借りものの時間のなかで
本物の夢を見るんだ
本物の夢を見るんだ
あれもしたい これもしたい
もっとしたい もっともっとしたい
俺には夢がある 毎晩育ててる
俺には夢がある 時々びびってる
何だかんだ言われたって
いい気になってるんだ
夢がかなう その日まで
夢見心地でいるよ
たてまえでも本音でも
本気でも うそっぱちでも
限られた時間のなかで
借りものの時間のなかで
本物の夢を見るんだ
本物の夢を見るんだ
あれも欲しい これも欲しい
もっと欲しい もっともっと欲しい
あれもしたい これもしたい
もっとしたい もっともっとしたい
あれも欲しい これも欲しい
もっと欲しい もっともっと欲しい
あれもしたい これもしたい
もっとしたい もっともっとしたい
愚直なまでに正直な曲。
ヒゲダンや藤井風といったオシャレ過ぎる歌詞を書くアーティストに比べたら、
比喩も婉曲もない火の玉ストレートすぎるリリックだ。
(ちなみにウエダはOfficial髭男dismも藤井風も大好きです)
歌詞の中で
「借りものの時間の中で」という歌詞がある。
高校生の頃の僕はよく意味が分かってなかった。
借りもの?
誰に?
神サマとか…?
そんなかんじだ。
早弁を何限目にするか、どうすれば彼女ができるのかしか頭にない16歳ウエダには理解しがたい表現だった。
しかし今は齢33歳。
これから頑張りどきという年に差し掛かり、
少しだけ「借りもの」の意味が理解できるような気がしている。
この世に生を受けてから、世の中に様々な借りを作っていると思っている。
(ここからはあくまで僕の解釈です。)
育ててくれた親や家族は、利益があるのかも分からない僕にたくさん無償で"貸し"をくれたと思う。
付き合ってくれた友達は、成り行きや流れかもしれないが、僕の居所を見出してくれて日常のバカ騒ぎの中でたくさんの"貸し"をくれていたと思う。
世話になった先輩や上司は、このプライドの高い僕を理解し、飯や飲みに連れて、たまには叱って、今にも役立つ"貸し"をくれたと思う。
後輩もかわいい。
こんな僕のアドバイスや提案を真面目な顔して聞いてくれて、たまに遊びに誘ってくれるのも"貸し"だと思える。
これが そうか
この掌にあるものが

そんななかで、ぼくは自己実現をしようとしている。
過去の分も未来の分も含め、
大きな"借り"を世の中に返すために今がんばってるのかもと思う。
そんな事をブルーハーツの曲に感じる今日この頃。
いとうあさこと椿鬼奴が話してそうな人生観の世間話みたいになったが、僕はこの先もがんばりたい。
つづく。