舌苔を取るための「簡単な舌体操」とは
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
舌が白くなると口臭など様々なトラブルを引き起こします。その場合には、舌苔を取り除くと有効であるため、舌磨きを行っていませんか。
しかし、舌苔除去は、ブラシを使わなくても簡単に取ることができることを知っていますか?
外出先で口臭が気になった時の、「ティッシュペーパー」を使った舌苔の除去方法(この他にも、コットンや歯ブラシ、スプーン、アルカリイオン水を用いる舌苔ケア)をご紹介しましたが、(道具など)何もなくても簡単に口臭を予防する方法があります。
舌苔には、出来やすい人と出来にくい人が存在しますが、その違いは口のうるおいの差にあります。口の中が乾燥すると舌苔が増えることにつながるからです。
私のように、寝ている時にいびきや口呼吸をしていると、口が乾くため、朝起きると舌が白くなっています。ただし、舌苔ができているのは全体ではなく、舌の奥のほうです。
このような時に、30秒ほど「舌の体操」をするだけで舌苔が取れます。もし、口呼吸による舌苔で悩んでいましたら、ご参考にしてください。
関連記事:舌が白い人と白くない人5つの違い!舌苔の原因と取り方
舌苔とは何?
舌苔(ぜったい)とは、口の中に存在するいろんな細菌と、粘膜が古くなってはがれ落ちたものと、食べかすなどの汚れが固まってできたものです。(正しくは、舌乳頭の角化した部分と一体化している塊。)
タンパク質から成る舌苔ができると、口が臭くなって口臭トラブルをもたらすだけだはなく、誤嚥性肺炎のリスクも高くします。
また、舌苔が味蕾を覆うと、食べ物の味が分からなくなる(味覚障害の原因)こともあります。朝起きた時に口がまずい場合には、舌苔ができているかもしれないので、そのような場合は鏡で確認するようにしましょう。
口の中が乾燥すると舌苔ができる
舌苔ができやすい場合の主な原因は、大きく分けて2つあります。一つは唾液の分泌が少ないこと。もう一つは口呼吸によって口内が乾いている。
普段は、唾液が舌の汚れを洗い流していますが、唾液の分泌量が少なくなると口の中が乾いてしまい、細菌が増えます。そのことによって舌苔ができやすくなるのです。
口腔乾燥の原因としては、、
1, たばこの吸い過ぎ
2, 口を開いて寝ている(開口による口呼吸、いびき)
3, ストレス
4, 食事の時によく噛まない
これらが習慣になると、唾液が減って口の中を乾燥させてしまい、舌苔が出来ることにつながります。
ドライマウスの原因と対策については、こちらが参考になります。
>>ドライマウスの対策はコレが一番!いったいどんな方法なのか?
舌の色の状態でわかること
舌苔の原因は、唾液の減少だけではありません。人によって様々な要因によって舌苔ができています。ですから、唾液の分泌を促しても治らないケースがある、とご理解ください。
中医学では、舌の色や形などの状態を見て健康状態を診断しますので、ご参考までにご紹介します。
・舌苔が白く厚ぼったい…胃腸が弱っている。風邪や感染症が原因のことも。
・黄色…からだの抵抗力が下がっている。胃腸の不調、高熱、食べ過ぎによる胃炎などが原因。
・黒ずんでいる…重い病気で体力が極端に低下している。抗生物質(抗菌薬、抗生剤)の副作用。
・舌苔が少ないけど、舌色が白っぽい…貧血で衰弱している。抵抗力が低い状態。
舌の異常を早期に発見して、根本的な原因から改善するようにしましょう。
舌体操で舌苔が簡単に取れる
積極的に舌を動かすと、唾液を分泌させることができます。口の乾きを感じる場合には、次の「舌体操」をおすすめします。
① 舌をほっぺの内側に当てて、舌を上から下に動かします。
右側のほっぺを10回、左側のほっぺを10回。
② 舌を上顎前歯と唇の間に入れて、そのまま舌を右側のほっぺ、下顎前歯と唇の間、左ほっぺへと、ぐるりと回します。
これを10回。
※注意するポイント
1,舌を動かす時に、唾液腺を刺激して唾液を出すようにイメージします。
2,初めて舌体操を行う時には、やり過ぎて舌を傷めないように回数を半分程度(5回)に抑えましょう。(痛くなったらすぐにお止めください。)
3,起床時に行う場合は、先ずうがいをして口内を清潔にしてから舌体操を行ってください。
この舌体操で最も効果が期待できるのは、朝起きてすぐの時間帯です。というのは、、口呼吸で寝ている人の場合には、起きた時に舌苔ができているからです。
この体操で舌を潤すことによって舌苔が改善した人が多いので、是非お試しください。
分厚く中々取れない舌苔の取り方
舌苔が分厚い場合には、舌体操を行っても取れないかもしれません。その場合には、コットン(綿花)にアルカリイオン水を湿らせて舌苔を拭き取るようにしましょう。ただし、一度に取ることは難しいので、舌ケアを毎日続けることが大切です。