舌苔が取れない原因は「舌の角化」です
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
舌磨きをしても舌苔が取れない、と困っていませんか?
舌が白くなると口臭が強くなるので、舌磨きをされている方が多いのですが、舌苔はブラシでこすっても取れることはありません。
その理由はこうです。
舌苔がとれないのは、舌苔は糸状乳頭の「角化」が原因だからです。舌磨きを推奨している歯科医院のサイトが多くありますが、舌磨きはやめた方が良いです。
その理由は、舌磨きによって糸状乳頭の角化が亢進して、乳頭が伸びるからです。乳頭が長くなると、汚れがよく溜まるため舌苔が厚くなり、口臭が強くなってしまいます。
舌苔を治すためには、舌磨きするのではなく、唾液をたくさん分泌させることが大事です。唾液量が増えると舌苔が薄くなり口臭も改善されます。
今回は、舌苔が取れない原因についてお伝えします。
舌苔の正体とは
舌苔(ぜったい)とは、舌に付着している白や黄色の「苔」のことを言います。舌苔の正体は糸状乳頭に付着した、細胞の剥がれ落ちたものや食べかす、細菌などが固まってできたものです。
舌苔が厚くなるのは何故?
Quint Dental Gateによると、「舌苔の量は全身の状態に左右される。」そうです。
たとえば、舌を流れる血液中の糖分やタンパク質が多くなると、糸状乳頭の「角化」が進んで糸状乳頭が長くなる。
長い糸状乳頭の間には、剥がれ落ちた細胞の死がいなどがたまりやすく、舌苔量が増えることになるのです。
舌苔の原因となる「舌の角化」とは
日本化粧品技術者協会によると、角化とは「表皮における、基底細胞が有棘細胞、顆粒細胞、角層細胞と変わっていく過程のこと」だそうです。
専門用語ばかりで難しく聞こえますが、簡単に言うと「新陳代謝」のことです。角化で固くなった「糸状乳頭」が、最終的には垢となって細胞が剥がれ落ちます。
角化する「糸状乳頭」ってなに?
先ほどから「糸状乳頭」という言葉が多く出てきましたが、この糸状乳頭を理解していないと、舌苔を治すことが難しくなります。
舌の背面には、糸状乳頭、茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭の4種の乳頭が存在しますが、舌の背面全体にもっとも多く存在するのが(乳頭の先端が糸のように細く長い)「糸状乳頭」です。
糸状乳頭が存在することで、舌をザラザラにして食物をなめとりやすくし、舌で触感を感じることができるのです。
ところが、糸状乳頭は表層の上皮が角化して白く見えるため、よく舌苔と間違われます。舌の背面が、白く透き通ったカーテンで薄く覆われたような状態であれば、それは舌苔ではなく通常の舌ですので、間違えないようにしてくださいね。
糸状乳頭が長くなると舌苔が増える
糸状乳頭は、舌に唾液を溜めて保湿していますが、口腔が乾燥すると乳頭は角化し長くなるため、舌苔が増えます。
これ以外にも、内臓などの状態によっても舌乳頭が長くなります。
このように舌苔は唾液の分泌や健康状態と関連しているため、舌磨きによって舌苔を除去しなくても、からだの状態が改善されれば舌苔量は減少し、口臭も治っていくものです。
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舌苔を減少させるには
舌磨きによって乳頭を傷つけたことが原因で、糸状乳頭の角化が亢進し糸状乳頭が長くなり舌苔が付着した(舌苔が取れなくなった)、ということが理解できたと思います。
でもご安心ください。
たとえ、角化が進んで糸状乳頭が長くなっていても、しばらく舌磨きをやめればまた元の角化に落ち着くと思います。
そのためには、唾液を出すようにしましょう。舌をお掃除するなら、舌を上顎にこすり付けてみたり、舌を前後にべろべろと動かす「舌体操」を行うことをおすすめします。
舌苔を除去するおすすめの方法
舌に舌苔が厚くびっしりと付着している場合は、そのままにしないで舌ケアを行うことが必要です。
使用するのは、アルカリイオン水(口臭予防歯磨き粉「美息美人」)です。コットン(綿花)に美息美人の粉を溶かしたアルカリイオン水を湿らせて舌の表面全体を拭きます。(2~3回)
たったこれだけですが、アルカリイオン水にはタンパク質を分解する働きがあり、また細菌の増殖を予防する効果もあるので、毎日習慣にすることで舌苔を改善することが可能です。
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