見出し画像

あれから3年経とうとしている。

今年も12月の末になり、気温も10℃を下回る日々が多くなった。
先週は会社の忘年会が開かれ、僕はその前日に2年くらい伸ばしてた髪をばっさりと、なんの躊躇いもなく切り、そして今年の仕事も後数日残した状況になった。

来年の4月で新卒から社会人を始めて3年経つことを前に今までの日々を思い出した。
あまりにも早い時の流れ。新卒の時の不安。同期がいたことの安心。社会人としてしなければいけないこと。仕事を覚えること。上司に怒られたこと。必死にただ毎日を生きていたこと。先輩がいなくなったこと。後輩ができたこと。スランプ。悩み。迷い。言葉にできない感情。吐き出せない思い。たまに知らされる良い報告。

色々な事が詰まっていた。けれども一瞬のように過ぎていった。そんな社会人生活を今年一年も含めて少し振り返ろうと思う。

一年目。

自分の希望に沿った就活で内定をもらった企業だったが、ここしか受からずに入った会社の内定式、入社式を経て、研修を乗り越え、いざ現場に向かった。

怖そうな見た目の上司に同期3人とも怯えながら打ち解けた初対面。
現場では社会の洗礼を受け、こっぴどく同期や自分が叱られた。
それに加え業務の多忙さ。会社に入る前から分かっていたことだが、暇な時間が一つもない。1秒たりとも仕事を完了させてくれないどころか、さらに仕事が積み重なり、同時進行でしか進められない。
社会人としても、今の業務にしても仕事のやり方について何が正しくて何があっていて何が間違っていてなんて、分からずにただ上司に怒られないように、言われたことをこなしたいと思うようになった。同じことも何度も言われないようにとも。そしたらいつからかその姿勢を上司が見てくれて、新しい仕事を任されるようになった。
新しい仕事に挑戦しつつも、自分が言える立場ではないが、人より少しだけ覚えが良かったり、少しだけできるから、できない人をみると少し気になった。

できない人に対してもそうだったが、できるのにやらない人にも少し嫌気がさした。
楽しようとか、最低限できればいいとか、そういうのが目に見えて感じた。
みんなでそれはやろうと決めたことに対してなぜやらないのか甚だ疑問でしかたなかった。が、一年目のぽっと出の野郎に言われたところで聞く人もおらず。

仕事も慣れてきて自分ができると思い込み、他の人の悪いところしか見れなくなった。


2年目。

移動やら新卒受け入れやらで人事が代わり、新しい先輩、後輩ができた。
先輩は何十年もこの仕事をやっている人。同期が異動になったため、後輩は歳も近くて少し親近感を抱いていた。

朝、職場について喫煙所で「君が2年目の?」と言われて、「あー俺ももう2年目なのか」と思った時の事は忘れない。
この一年で何をやってきたのか、どこまで仕事を覚えたのかまずは一緒に働く中で見てくれた。
ここまでしかできないのかというところと、一年でここまで、これ以上できてるのかというところどちらもあったと信じたい。
そして、2年目はまた新しく、大きな課題を課された。それは僕にとってとても難しい課題だった。
今までは上司に言われたことを言われた通りに完遂すれば評価してくれた。しかし、その課題は正解がなかった。言われたことの+10でも良くないし-2でも良くない。強いて答えがあるとするなら「+-0」

一年目までは言われたことは「マニュアル」が存在した。正解があった。
先輩にその大きな課題について「マニュアルはあるんですか?」と聞いたら、ないと返事が返ってきた。
答えのない問題にどう答えをつければいいのか。
行き詰まってしまった。

学生の時は問題文があってそれに対する答えも存在して、間違っているか間違っていないか、その2つのみだった。

それも正解だしこの場合も正解、でもそれは不正解だし正解にもなり得る。

この問いに対して何度も試行錯誤し、上司にアドバイスを求めたり、失敗して責任を取ったりした。
失敗するとかなり全体の仕事に大きく影響を与えるので、「自分のせいだ」と落ち込み、今の仕事になかなか集中できない時が多々あった。
最近になってようやくなんとなくだかその答えに近づく術を掴んだ気がした。たまに失敗することもあるが、その数は最初に比べたら格段に減ったように感じる。
これもまた怒られないように、また自分のせいだと落ち込まないようにするためでもあるのかもしれない。
他の仕事に関してもまだ覚えられてないことも自分からタイミングを見てやりたいですと言ってみたり、本当は先輩がやる仕事を僕にやらせてくださいと頼んでみたり、少しでも仕事を覚えようと意識した。

そして2年目で起きた二つ目の出来事。
先輩の都合により欠員が3ヶ月くらい続いたこと。
急だったものの、起きてしまったことはどうしようもできず、欠員の状態で3ヶ月乗り切った。その時先輩に代わって何か指導や注意をする人はいなくなり、自分がその役をする事が増えた。
注意したりする立場には早いのも分かってるし、お前なんかに言われたくないとも思われるのも分かっていた。でも、言わない事で、職場環境がもっと悪く、もっと緩く、適当になってしまうのは1番恐れた。
自分も注意される立場なのに後輩にも指導はしなければいけないし、指導の仕方も分からずにできない後輩をただ怒るだけで、良い先輩として居る事ができなかった。労働時間も増え、休憩時間も削れ、毎日首の皮一枚繋がってるみたいだった。
変わらぬ仕事の多忙さに加え、仕事量の多さも重なり、適当にだけはやりたくないと、毎日丁寧に全ての仕事が終わるまで続けていた。
日付が超えるまでしている時もあった。歳もそんなに変わらないバイトの子にもそれを見られていた時もあった。見てるならやってほしいとは思わなかった訳ではないが、社会人として仕事をこなさずに人のことも注意できまいと、1人仕事を続けていた。
一つの隙間もないくらい仕事を抱えているのにそれに気づかれないように保っていても、やっぱり気づいて欲しかった自分もいた。どこかで助けを求めていた。その時の自分はたぶん心の底から笑った日なんてなかったんじゃないかと思うくらいに壊れかけていたのかもしれない。
いつか応援で来た先輩に、「辛い時期だと思うけど、ここ乗り越えたら自分の力になるから。」
そんなことを言われて、その言葉だけを信じて、一歩ずつ、重い足を前に進めていただけなのかもしれない。

その足が軽くなり始めたのは先輩が現場に戻ってきてからの話。
先輩が現場復帰すると同時に新入社員の異動と新しい上司の追加。できる上司が増え、その3ヶ月本来やるべき仕事がやるべき人に移り、業務量が減った。あまりの業務量に引っ越しも行ったが、早く帰れる時も増え、休憩時間も増えたり、ちゃんと休憩する時が増えた。笑顔も自分からする立場ではあまりなかったが、先輩の余裕や雑談で仕事中笑顔も増えた気がした。
有給も繁忙期を超え、年間休日はあまり多くはないが、取りやすくなった。自分がいなくても職場が続く環境になった。
地獄のような3ヶ月で経験した多忙と業務量のおかげか、少し業務が増えたところで驚かなくなった。
忙しくない時間に違和感を覚えるくらい与えられた休息にそわそわした。

休憩時間や労働時間ではない時間が増えた喜びもあったが、少し楽をしようとする自分が出てきた。もちろん、あんなに3ヶ月1人でなんでもやってきたから、少しは手を抜かせてくれと思う気持ちもあったが、2年目にもなりほとんどの業務に慣れ、毎日同じことの繰り返し、職場に来て挨拶から始まり、仕事をし、休憩に行き、戻ったら時間まで仕事をして帰る。普通のことだし、何も悪くないのに何処かやる気が出ない日があったりなかったりした。

ある日、仕事中、疲れか、やる気がなくなったかで、一瞬だけ仕事を降ろされた。仕事に慣れて、自分のペースでやりたいようにやり、コミュニケーションもあまり取らず、自分ができると過信もした。その慢心が今回のことに繋がった。

その場ではやる気はあったが疲れていただけだと答えたが、最近モチベーションが安定しなかったことも正直事実だった。
今日は頑張るぞという日と、今日は一日乗り越えるまで耐えたらいいという日があった。
自分ももちろんそうだが、他の人も毎日どんな気持ちで仕事に取り掛かっているのだろうと思う時があった。やっぱりあと何時間か、と思って働くのか、それとも何か毎日目標を決めてやっているのか自分のやる気を維持するためにも気になった。
新しく来た上司には「言われたことだけをするのは君の仕事じゃない」とも言われた。もちろん、2年目では言われたこと以外にもいろいろやってみようと動いたりしたが、少し仕事にも慣れて、最低限やれたらいいやと思う気持ちが自分にも芽生えてきた。君は0か100でしか考えないけど、臨機応変に余裕がある時は完璧に、ない時は最低限に仕事をしたらいいんじゃない?と言われたのもあるだろう。結局僕は今まで100でやってきたものを90、80、70とどんどん下げていった自覚も少しある。できることなら毎日100を出したいが。
柔軟に対応して、できることも手を抜かず、より仕事を覚えるにはどうしたらと悩んでいた時、
もう1人の上の上司に言われた。
「与えられたポジションで最大のパフォーマンスをすること。これが今のお前がしなければいけないことだ。」

仕事が状況によってポジションが変わったり、役割が変わったりするのはしょっちゅうだ。そこで変わったからといって自分が得意とすることではないからだとか、あまり慣れていないからとかやったことないからと50或いは10くらいのパフォーマンスをしていい理由にはならない。初めてだったとしても、慣れていなくても、今の自分にできる最大限を時と場合、状況も含めてパフォーマンスすることが今しなくてはならない仕事の仕方だと知った。

仕事のモチベーションについての悩みが解決したところで、2年目の年末、3年目の4ヶ月前となってしまった。

今年は特に一言で言うと大変な一年だった。
欠員というアクシデント。後輩指導。上司の追加。同期が辞める知らせ。自分の仕事の出来。責任のある大きな仕事を任されたこと。涙を流して帰った日。仕事の取り組み方。
はたまた、新しい仕事を覚える。楽しく仕事をする。有給で少しリフレッシュ。会社の親睦会。忘年会。仕事じゃない時間、プライベートも大切にできた一年。まあもうちょっとプライベートの時間を増やしてもいいのかなとはずっと前から思ってはいるが、それは少し難しいお話。
現在も新卒の時も仕事が割と楽しくて、自分に合ってるのも感じる。
まだちょっと気になることは、自分以外の働いている人がどんな気持ちで働いているのか。自分が仕事をしている様をどう感じているのか。そんなところだ。それぞれ仕事に対する考え方があってやっぱり聞いてみないとなんでそんなことするのかだったり、分かり合えない部分はある。だからこそ暇な時にでも聞いてみることができたらななんて思う。

つい最近朝礼で読んでいる記事にこんな事が書いてあった。「Aさんは仕事はできるけどいつも怖い顔をして報連相しにくい。そう言われたAさんは自分から笑顔で接するようになった。鏡は先に笑わない。自分から笑う事で相手もいい気分になる事を意識して働きたい。」

毎日やらなければいけない朝礼だけれども、時間がなくてできない日はこの文章だけを読むようにしている。その内容が「今日も頑張ろう」と思えるからだ。
今回のように僕も先手で笑顔になれたらなと思う。これは相手だけでなく自分も楽しく喜びや幸せを感じながら仕事をしたいためでもある。

年末はしっかり休み、年明けて3年目になるまでに限られた時間でまた社会人に毛が生えた生き物として成熟できるよう前を向いて一歩ずつ軽やかに前進して行きたい。


今年20代前半最後、社会人若干2年目の独り言。



p.s.
髪を切ったのは自分でも本当によくわかってない。髪がうざったくなったから。
髪を切らなかったのは「黒髪短髪の社会人リーマン」になりたくなかったから。

いいなと思ったら応援しよう!