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白鷹というお酒

白鷹と言う日本酒を構成しているのは大まかにいうと次の3つ。

「山田錦」「生酛造り」「宮水」

3つのキーワードで白鷹を紹介していきます!


・山田錦

 白鷹の殆どに山田錦が使われています。それも稀少とされる兵庫県三木市吉川町産の特A地区山田錦。
 と言うより寧ろ山田錦以外の酒造好適米はほとんど使っていません。
 白鷹は吉川町 市野瀬地区・楠原地区の生産農家さんと「村米制度」と呼ばれる契約栽培をしている為、安定して山田錦を仕入れることが出来るからです。

 契約農家から仕入れ、同地区に自社田も持つ事から白鷹はワインで言う所のテロワールに近しく、

「白鷹の酒は、設計した味わいのお酒を作り出そうとするのでは無く、農家さんが作ってくれた山田錦の良さを最大限に出す事に有る。」

と杜氏も言っています。


・生酛造り

 生酛造り(きもとづくり)とは簡単にいうとアルコール発酵の科学が分からなかった時代の、昔ながら酒造り方法の一つです。
生酛造りは現在主流の速醸酛に比べ倍近くの日数と手間を要します。それでも白鷹が手間暇を惜しみ生酛造りに拘るのはやはり「味」。
 生酛造りで醸したお酒は、しぼりたては酸味が強く旨みも余り感じられませんが、熟成するにつれて酸味は穏やかになり、旨味も出て奥行きのある味わいへと変化します。
 白鷹は本醸造酒から純米大吟醸酒までほとんどのお酒が生酛造りで醸され、おおよそ一年熟成させてから世に出ます。

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 また生酛造りで醸した白鷹は燗酒にも向いており、燗にすると旨味がさらに増し、灘らしい押味で喉を通った時に旨味がドンと押し寄せ、生酛特有の乳酸を感じキレが冴え後を引き、

“一杯目より二杯目、二杯目より三杯目”

 白鷹は飲めば飲むほど美味しさが増し呑み飽きしないお酒です。中毒性が有る為、飲み過ぎには注意してください。


・宮水

 白鷹では仕込み水は全量宮水を使用しています。
 宮水は中硬水でリンやカリウムなどのミネラルが豊富で酒造りの際に麹や酵母の働きを活発に促します。宮水によって麹や酵母は発酵が活発になりコクとキレがある昔で言う男酒が生まれます。

イメージです。

 灘の酒蔵は西宮市南部に位置する宮水地帯という宮水が採取出来るエリアに土地を買い井戸を掘り、宮水を汲み上げ各々の酒蔵まで運び、全部のお酒に使用する量は運べない為、おそらく一部のお酒を醸す時に使用されます。
 白鷹は宮水地帯に隣接しているという恵まれた環境に有ります。宮水地帯に所有する8本の井戸と蔵を地下配管で繋いでいる為、仕込み水は全量宮水を使用する事が出来ます。

 万が一宮水が枯渇する様な事になれば、白鷹だけでなく灘の酒の代々受け継がれてき味は途絶え兼ねないです。
 その為に各酒蔵、都市が協力して保全に努めています。


 以上の3つが白鷹の大きな要素です。
 米農家とのご縁、酒造りへの拘り、土地に恵まれた水、色々な偶然が重なって白鷹が有ります。
 ぜひ時流におもねる事なく紡いできた伝統を是非味わってみて下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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