エグい話

 その白い肌をした者たちは、裸にされ、見知らぬ狭い場所に敷き詰められていた。彼らはベタつく身体を必死に動かし、もがき続けた。同じ種である者たちを足蹴にし、上方からかすかに漏れる光を目指して、必死に進んでいった。やがて、てっぺんに上り詰めた者が、上空を指差して叫んだ。
「おい! あれを見ろ!」
 同じように上ってきていた者たちが、一斉に天を仰いだ。
 上空には、真っ白い球体が宙に浮かんでいた。
「あれはきっと、我々を助けに来た飛行機か何かだろう。おーい、助けてくれ!」
 彼らが球体に向かって叫び出した、その時だった。突然その球体が二つに分離したのだ。球体の中から何かが飛び出し、猛スピードでこちらへ向かってくる。それは半透明の粘膜をまとった、黄色い化け物だった。戦慄する彼らの上に、粘膜をまとった化け物が勢いよく落ちた。
 半透明の粘膜は白い肌の者たちを一瞬にして包み込み、彼らの動きを更に鈍くさせた。もがき苦しむ彼らを尻目に、黄色い化け物の更に上方から、二本の太く長い柱が落下してきた。
 その柱は黄色い化け物を貫通し、白い肌の者たちの山に突き刺さる。化け物から出た黄色い体液と粘膜を纏ったまま、二本の柱は動き回り、無残にも白い肌の者たちをすり潰していった。しばらくして、その地には黒い雨が降った。

 たまごかけご飯の完成である。

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