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小さい頃の自分に聞きたいこと


小さい頃、「千と千尋の神隠し」のDVDと一緒に寝ていた。


「千と千尋の神隠し」は好きだったけど、寝るときも一緒がいい!っていうほど好きだったわけではない。


DVDは空箱だったし(本体はレコーダーの中に入っていたから)、今考えてもなんで一緒に寝ていたのか全く分からない。


朝起きると横に千尋の顔があって、それをまじまじと眺めていたのをよく覚えている。


そのとき使っていた枕は、ハムスターの形をしたクッションみたいなやつ。


ピンクのかわいいハムちゃん。(あたいはとっとこハム太郎が好きだったけど、それはとっとこハム太郎ではなかった。でもだいぶ似ていた。)


あたいはよくそのハムちゃんに鼻血を垂らして寝ていた。


小学校低学年くらいかな、その頃は寝ているあいだによく鼻血が出ていたのだけど、なんでだったんだろう。


朝目が覚めると、鼻とハムちゃんが血でカピカピになっているのである。


「千と千尋の神隠し」のDVDと、ピンクのハムちゃんと、鼻血。


この3点セット、懐かしい。



あたいが小3くらいのとき、家族みんなで「街へいこうよどうぶつの森」にハマった。


ゲームなんか普段全然やらない両親がハマっていたのだから、どうぶつの森はすごい。


父はともかく、あの母が、!


ゲームを、している、、!



どうぶつの森はすごい。



あたいは「街へいこうよどうぶつの森」の攻略本を読むのが大好きだった。


あの分厚い攻略本。


暇さえあれば宿題そっちのけで攻略本を読んでいた。


季節のイベント(特にイースターとハロウィン)のページを読んだり、服のカタログを読んだり、あとヘアスタイルのページも好きだった。(美容院に行って、質問の答え方で髪型が決まるんだよね。)


あたいはその攻略本を読んで実践するわけでもなく、ただただ攻略本を読むのが好きだった。


例のごとく、あたいはその攻略本と一緒によく昼寝をしていた。


「千と千尋の神隠し」のDVDは、たまらなく好きというわけではないのに何故か一緒に寝ていたけど、


「街へいこうよどうぶつの森」の攻略本は、たまらなく好きだったから横で一緒に昼寝した。


任天堂さんもそんなつもりで作ったわけじゃないだろうに。



攻略本が大好きだから横で一緒に寝ちゃうのは、まぁ分かる。


でも、


特別好きだったわけではない「千と千尋の神隠し」のDVDと一緒に寝ていたのは今考えてみても、理由が全く分からない。


理解不能。


その当時の自分に問うてみたい。


「なんで『千と千尋の神隠し』のDVDと一緒に寝ているの?」




「…うーん…。」



「あれしかも中身空っぽだよね?」



「………」



「あ、『千と千尋の神隠し』が大好きなんだ!あの作品は傑作だもんね!分かるよ、あたいも大好き!」



「………」



「一緒に寝てて角とか痛くないの??」




「………😭」


だめだ、絶対答えられない。


小さい頃のあたいは超絶人見知りだったんだ、そういえば。


質問にどう答えるか以前に、知らない人とは話せないんだった。


(知らない人ではないんだけども)




あたいは、小さい頃の自分と話せる機会が設けられたら絶対に「なんで『千と千尋の神隠し』のDVDと寝ていたか」っていうことを聞きたいんだけど、


人見知りだから答えられないだろうなぁ。



真相は闇の中である。


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