レジに横入りする若者(から見る不誠実な社会)
今日の夕方、今晩の夕食の材料を買いに近所のスーパーに行きました。レジには多くの客が行列を成していました。
私の前には全身スウェットのお兄さん(私から見たらおっさんなんですが)。その隣の列には腰を少し曲げたおばあさん。
いよいよ私の前のお客さんたちが会計をする番です。隣の列のお客さんが一足早くお会計を終えました。すると、その列で待っていたおばあさんをしり目に、私の前で待っていたお兄さんが列に横入りしました。お兄さんの前のお客さんはかご3つほど会計していました。あと数分は会計にかかる目論見だったのでしょう。
おばあさんは「すみません、こちらに私が並んでいたんですが」とお兄さんに注意します。お兄さんは「知らねえよ。俺がここに並んでたんだよ」と言い返します。そんなはずはありません。お兄さんは私の前に並んでいたんですから。「俺の後ろもずらっと人が並んでるんだよ。ボケてんのか」と私を指さしつつおばあさんに口撃しました。もう私しか並んでなかったんですけどね。
するとおばあさんは「そうよね。まぁ、そうよね」と納得してしまいました。納得できるわけがありません。明らかな横入り。でも、おばあさんはじっと横入りしたお兄さんのうしろで待っているのでした。
私はお兄さんに注意する勇気はありません。でも私の前を指して「どうぞ」とジェスチャーをしました。おばあさんは「いいのよ」と断ります。
そのまま各自、会計を終えるのでした。
こういう社会っていやだなって強く思いました。正しいはずのおばあさんが横入りされて、怒鳴りつけられて、加害者の全身スウェットのお兄さんが我が物顔でのさばる世の中って本当に嫌だなって思います。おばあさんはおそらく今までもそんな経験してきたのでしょう。何度も不誠実な人間から理不尽をうけてきたのでしょう。
日常に転がるこの理不尽が、現代日本には媚びる不誠実さを現わしているなって思います。
さんざん待ったんだからあと数分くらい待てばいいじゃん。おばあさんは間違っていないですよ。なんて言えない自分も情けないです。
顎にひげ揃えて、全身スウェットで平気で出回り、ブランド物の手入れされてない靴を履いて、おばあさんを怒鳴りつける。そんな人生が幸せなのでしょうか。楽しいのでしょうか。
こんな理不尽ってありふれていて、心の貧しい人間が不誠実に誠実な人間を加害し続ける、どうしてこんなにも貧しい社会になったのでしょうか。
今の日本の必要なのって、英語力だけですか?IT教育だけですか?国際的な学力ランキングの高順位ですか?
心の貧しさ。本当に改革すべきはここではないでしょうか。