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ベース録音の音について② アンプ録音

前回ベースのライン録音について書いたので今回はアンプ録音。
言わずと知れたベースアンプのスピーカーキャビネットから
鳴らされている音をマイクで拾うと言うやつ。

宅録でやるにはかなりの防音環境が必要で主にレコスタでやる事。
ありがたい事にうちはベースアンプが鳴らせる環境なので
製品になるものも、単なるデモでもライン録音に合わせて
アンプ録音も一緒に収録して使ってます。

都度マイク立てたり色んなセッティングしたりで地味に
メンドくさいのだけど理由は一つ、"音作りがラク"だから。
チミチミとアンプシミュで音作るより一撃でベースらしい
ローからローミッドたっぷりな音になるんですわ。

今はかなり自分の理想な音が録れるようになったわけだけど
とは言え結構試行錯誤の末という感じ。

その遍歴も交えて色々語れれれば。

ベースアンプ(ヘッド)

自分が使ってきた遍歴としては

ヒュースアンドケトナーのコンボアンプ(トランジスタ)

Markbass Little Mark Rocker 500(トランジスタ)

Mesa/Boogie Bass Strategy Eight:88 (チューブ)

Fender Bassman Amp 1966(チューブ、ヴィンテージ)

ORANGE AD200B MKIII(チューブ)


他にもあったかもしれないけど記憶にあるものは以上で
上から所有した順番。
現在手元にあるものはMarkBassとBassManとOrange。

で、ざっと分けると上2つがトランジスタアンプで
した3つがチューブアンプ。
個人的な主観だけどトランジスタアンプはバランスは
いい感じがするけど何をやっても大人しい感じ、
そしてチューブアンプに比べて音がちょっと遠い。

チューブアンプの後はやっぱドライブしているわけです。
歪ませなくても前に音が飛ぶ感じ。
この辺はライブでもレコーディングでも基本同じ印象。

なので録音に使うアンプはトランジスタ→チューブアンプが主流になって
その後でチューブの中でより自分の好きなものを探していく感じで
現在の感じになりました。

ちなみにここでのチューブとはあくまでパワー管のことで
プリ管だけのものではない、いわゆるフルチューブの事です。

自分は録音の時、アンプ直の事が多いからそんな路線なら
Orangeが現在一番好き。方向性の違いでBassManになる感じ
古いampegも良いけどビンテージはメンテと壊れるリスクがあるし
Orangeで十分戦える。

"チューブアンプのような歪みを得られる"的なエフェクターもありますが
いやいや、チューブアンプ使えばいいじゃんって思ってしまうのと同時に
そのエフェクターだってチューブアンプで使った方が
大抵の場合はいい音がしたりするっての(笑)

ただチューブのデメリットは重量がめっちゃ重い事。
なので自分で持ち運ばないといけないライブとかは
トランジスタのMarkBassのヘッドを持って行きます。腰大事。
ここではあくまでレコーディングに限っての話です。

ちなみによくあるアンプの出力ワット数、ギターとベースでも
全然違うのは知られてますが、何気にトランジスタのベースアンプと
チューブのベースアンプで同じワット数でも体感できる音量は
全然違います。チューブの方が小さいワット数でも全然音がでかく
感じるはず。

簡単にいうと
ORANGE AD200Bは200wで
Markbass Little Mark Rocker 500は500wだけど
体感する音量が大きいのは200wのORANGEの方。

もしレコスタでアンプを何かレンタルできるという状況であれば
古いampegのフルチューブのものになるかなと
実際昔はそうしていたし。

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ベースアンプ(スピーカーキャビネット)

アンプヘッドときたら続いてはキャビ。
こちらも所有してたのは

ヒュースアンドケトナーのコンボアンプ(15インチ×1)

Markbass New York 121 12インチ×1)

Orange OBC410(10インチ×4)

こちらも上から所有した順。
他にもampegの10インチ×4とかEDENの12インチ×1とか
その昔持ってたけどマイク立てて録音したことがないので今回は除外。

各メーカー毎の音の違いとか色々あるだろうけど、
自分が特に気になっていて知り得たかったのが
"何インチ×何発のキャビが理想か?”

以前は12インチ×1発のMarkBassのキャビが持ち運びも楽だし
レコーディングでも持ち込んでたけどその辺がずっと謎でした。

大抵の4発とか8発のキャビは搭載されてるスピーカーは10インチで、
スピーカーが1発のキャビは12インチとか15インチだったりするわけです。
当然大きい経口のスピーカーの方が低音を出すのに有利なわけだし
キャビネットに何発スピーカーを積んでようと、マイクで狙うのは1発です。

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で、実際身を切って購入した先に紹介したキャビネットたちで色々試した結果

"10インチ×4発キャビが一番ベースらしく太い音"

と、なりやした。といか箱のデカさがめちゃくちゃ影響する。
12インチ×1発は箱が小さすぎる事がわかった。
やはりキャビネットは箱含めてアンプなのです。

ただそれによりキャビネットの持ち運びは地獄の作業となり
うちは普段地下一階にアンプを常設しているので
運び出すたびに軽く生命の危機を感じます。
だってOrangeのキャビ41Kgあるもの(笑)

結論としては1つのスピーカーしか狙わないとは言え
4発キャビ、もしくは8発キャビの方が良さげということ。

そうなると10インチ×4発キャビと同サイズくらいの大きさの
12インチ×2発とか、15インチ×1のでかいやつとかも
気になってくるけどもう気軽に入れ替えたりできるサイズじゃないから
キャビ探求はこの辺で一旦休憩。

マイク

アンプのマイク録りなので次に必要なのはもちろんマイク
ベースアンプに適したマイクの定番といえば
ノイマンu47FET、electrovoice RE20、ゼンハイザーMD421とか。
自分で録る前からレコスタでよく見ていたからなんとくなく
知ってはいたけど結局は自分で使ってみないとわからない。

Sennheiser MD421(通称クジラ)
electrovoice RE20(通称DJ赤坂)
写真にないけど他にもtelefunken M82
と買ってみて使ってまあまあ良かったんだけど、
結局自分にとってベース録る音ってノイマンのu47FETなんだと。
上の写真の一番右のSOUNDELUX USA U195は
コンデンサーだけどベーアンの音量も受けられていい線いっていたけど、
結局u47FETと比べちゃうわけですわ。

で結局

NEUMANN u47 FETを買うという選択肢に行き着くわけです。

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やっぱベーアンにはこれ。ベースらしい音。自分が昔から聞いてきた音。
他のマイクより特別高いし、主にベース用っていう自分でも
気が○ってると思うけど、本当に買って良かったマイク。
レコスタでは特別なローが録れるマイクって印象だったけど、
自分で使うとそれよりもローミッドのキメこまさに驚く。
バキバキとかジャキジャキとかトレブル成分で音抜けさせずに
あくまでベースはローミッドで音抜けしたいと思っている自分の理念とも
ガッチリ一致。

ま、個人で所有するもんでもないけど(笑)

マイクプリ、コンプ

この辺は色々試せてるわけでもないので現状使ってるものの紹介

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AURORA AUDIO GTQ2

前回ライン録音編でも触れてますが
マイク録音にはこれを気に入って使ってます。
上のCHANDLER LIMITEDのTG2もいいけどこっちの方が好き。
結局ラインもアンプもこれです。

Wes Audio Beta76

コンプは写真上から4段目のこちら
トランスのON/OFFだったり使い勝手も良いのだけど
サイドチェインフィルターがベースにいい仕事をしてくれる。
いわゆる低音にはコンプがかからなくしてくれるってやつ。
1176本機より魅力を感じるポイント。

恥ずかしながらレビューなどもさせてもらってます。

録音の時は軽く叩いて収録して
後はラインと混ぜた兼ね合いとか曲に合わせて
混ぜた音にプラグインでしっかりコンプしたりしなかったりです。

プラグイン

最後に録音したトラックの処理としてお気に入りの紹介

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アンプ録音した音はあまり刺さないことが多くて
ライン録音の方にSansAmpとWavesのLA-2A
でラインとアンプをBusでまとめたものに
CHANDLER LIMITEDのCURVE BENDERとUADのLA-2Aで調整ってのが
おなじみパターン。

曲によってもっとベースを主張したいときは

左のRupert Neve Designsの511に出して
SILKだけフルテンでかけたりします。

まとめ

長々と2回に渡ってお送りしましたが
こんな感じでベースを録っております。
我ながら身を切っているというかコスパ悪いなと思うけど
おかげで録音物という枠組みの中でも自分らしい音を
出せているんではないかなーと思ってます。

世間一般で良いと思われる音と、
本当に自分が欲しい音はイコールではないと
実行できる意識もつきました。

にしても久々の投稿。
次回はDTMデスクにでも触れようかしら。


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