京都ずぶ濡れスタンプラリー記
前回の続きなのでそれを読んでからの方が内容的に分かりやすいかもしれません
ではずぶ濡れになっていきましょう
追記:イベント終わってから四か月以上経って公開するこの文章の存在意義とは…?
なぜこんなにも無計画なのか
滋賀県某所の駐輪場より自転車を出してちゃきちゃきと漕ぎ始める。目的地までまっすぐ行けば2時間ほどで到着する見込みを立ててひたすら国道沿いを進む
特に変わったこともなく1時間程度で逢阪(蝉丸が短歌詠んだあそこ)に到着、がそこらへんで霧雨がシトシト降り始める
大津市内を走っている間、ずっと京都方面に灰色の影が映っていたのである程度想定済み。特に気にせずぐいぐいと坂を登り、そして下る
京都領に入ってしばらくすると雨が止んだので安心していると、今度はつぶつぶが大きめの雨が。さすがにびしょ濡れになるのは嫌だったので少しペースを上げて山科の街を駆け抜ける。しかしその努力も虚しく、御陵あたりから本降りになり始め、無理して漕ぎ続けたもののこれ以上進むとまずいと思い蹴上駅の入口で雨宿り
上着はドボドボだしショルダーバッグもかなり浸水、中の財布に紙幣を入れていなかったのは不幸中の幸い(ただ金欠なだけだが)
地下鉄から降りて地上と出ていく人からものすごい量の視線を浴びながらひたすら雨が止むのを待つ。あの時の視線を全て電気エネルギーにしたら水力発電1個分になったんじゃねえか、というくらい色んな人にジロジロされた
30分後、雨が止む気配がないので爆速で自転車を漕ぎ始める。仁王門通をただひたすら西へ進み、さらに御池通へと進み、京都市役所近くの駐輪場に自転車を止めようやく一息
地下のゼスト御池に降り、セリアで雨ガッパを買う(110円)。出発からおよそ2時間程度にてようやく防雨装備を獲得
再び地上に戻りカッパを着たところでようやく人権を獲得したような気がした
そして悲しきカッパライダー
少しだけ気力を取り戻してまた自転車を漕ぎ始める。四条通をひたすら市バスの後ろを追いかけて走る
京都市内って自転車用の青い線が道路上にあるからそこの上を走るわけだけど、雨で路面が濡れている+結構な速度で車が追い抜いていくのでまあまあ怖かった
だいたい18時間ぶりに四条大宮に着き、そこからなんとなく頭に入れている地図を頼りに仁和寺へ到着。自転車を空きスペースに停めてフィーナを発見
さて、ついに残すところあと一箇所となったがその場所が嵐山。
とおい!!!
つべこべ言っても仕方がないので再び四条通に戻り、親の仇かというくらいまで自転車を回す。電動自転車である利点を精一杯活用して、足を攣らせながら京都を西へ西へ
西院を通り葛野大路を越えついに桂川へ到達
ここで右に曲がり桂川沿いの道路を漕ぐ。段々と人混みが見えてくる
ふと、そこで1つの疑問
「果たして自転車乗りのワイがあの人だかりに特攻できるのか?」
嵐山は昨日の夕方にも行ったから分かるけど、そんなに歩道が広くない。少なくとも京都駅前みたいにのびのびとは歩けまい
そういう疑念が頭に浮かんだものの、結局疲れに身を任せてチャリをこぎ、見事に歩行者ウォールに進路を阻まれた。当然のごとく下車し手押しで歩く
周囲に自転車など一台もあるはずがなく、全員傘を差して歩いている。カッパなんて着ているのも誰もおらず、一瞬で自分が非常に浮いた存在であることを自覚
だが、こんなことで怯んでいるようでは何のためにここまで来たのかわからなくなるので周囲の目をすべて無視し自転車で新八茶屋を目指す。渡月橋のたもとの交差点を右に曲がり、ついに目的地に到着。ウミカがこちらを見て微笑んでいる
さて、ここからどうすべきか。
歩道:歩行者多し
車道:定期的に車が来る(多くはない)
結論から言うと、もうなんか死ぬほど疲れていたので歩道の脇に自転車をとめてさっさとスタンプを回収した
周囲からの視線が痛いんで早急に撤退
心身衰弱雨水浸透的人間
もはや嵐山に用はなかったのでただひたすらに四条通を東へ東へ。天神川、大宮、と進み少し南へ出て五条通(国道1号線)に出る
京都駅で全箇所訪問の缶バッジを貰い少しだけSAN値が回復。少しだけ。
京都駅から飛び出し再び国一(とーかいどー)へ
うんざりするほど長く続く五条坂を上がり東山のトンネルを抜けてただただ無心で自転車を漕ぎ続ける。足がもうパンパン
ちょうど京都東インターの近く、滋賀県との県境あたりで脚が限界だと主張したため10分ほど休憩。ずーーーーっと雨が降り続きめちゃくちゃ寒い。歯をガチガチ鳴らすほどではないんだけど確実に体温が奪われてる感じがする
このままぼーっとしていたかったけれど、そうしている≒死に繋がる可能性があった(今思うとそんなことなかったかも)ので再び自転車へ
逢坂の関ってなんでこんなに長いんですか???とか文句をぶーたれながら大津市街地に突入、ちょっと元気になった
ただずぶ濡れの亡霊のように虚ろな目で二輪車をぐるぐる駆っている自分はあの時他者から見られていたらどんなふうに映っていたんだろう
嵐山を出てから2時間半、ようやく朝に出発した自転車庫へ帰着。そこから転げるように電車に乗り家に帰った
すぐに風呂に入って体を温めたけれど、「注文の多い料理店」で山猫に食われそうになった二人組みたいにしばらく震えが止まらなかった
ただ、次の日の朝に起きたら元気になっていた。風邪をひいて数日寝込むのではなどと思っていたので一安心
以上になります
ただただ無計画に出かけて雨でドボドボになった話でした
ブルアカはいいぞ
では