強度近視&強乱視の私がICLの適応検査を受けて感じたこと
はじめまして。
私はICLの手術を受けることを決め、先日適応検査を受けてきました。
実際にICLを受けた人のレビューを探しましたが、自分の境遇にしっくりくるものが多くなかったため、後に受ける人のために、メモ程度ですが私もレビューを残しておこうと思います。
この程度の視力でこんな考え方の人間が受けた感想としてご参考にしていただければと思います。
なお、2024年7月26日時点で適応検査を受け、レンズの到着待ちであるため、進捗があり次第、記事を投稿していきます。
※基本的に、ICLについてご自身である程度情報収集をされている方に向けて記載しておりますので、ICLの基礎知識やよくある症状等に関しては、JSCRSや各クリニックのHPにてご確認ください。
※あくまでも素人である私の所感であるため、記載している情報に誤りがあった際やそれによる不都合が起こった際にも一切責任は持てません。
【プロフィール】
年齢:30代前半
視力:両目0.01以下
眼鏡:-11.00(視力1.0程度)
コンタクトレンズ:-10.00(視力0.7程度)
乱視の有無:有(強め)
右目の視力が出づらく、片眼視になっているとのことですが、無理に直そうとするとブレて見えてしまうことがあるとのことで、生活に支障はないことからそのまま暮らしています。
なお、斜視はありません。
【ICLとは】
詳細な説明は各クリニックが種々されておりますので割愛しますが、ざっくりと説明すると、眼内にコンタクトレンズを挿入するようです。
視力矯正手術はレーシックもありますが、こちらは角膜を削ることから元の状態に戻すことはできないことに対し、ICLの場合はレンズを挿入するだけなので、取り外せば元の状態に戻すこともできるそうです。
【ICLの検討を始めた経緯】
数年前より、妻からICLの提案をされていましたが、視力は眼鏡で矯正できていること、手術時や手術後のリスクがゼロではないことから検討もしておりませんでした。
しかし先日、今までは某市場で眼鏡を購入していたところを、ちょっと高めの眼鏡屋から眼鏡を購入しました。
某市場ではフレームとレンズがセットで2万円強ですが、今回の眼鏡はフレーム、レンズ共に単体で35,000円程度、合計7万円ほどの料金でした。
視力が悪いためにどうしてもレンズが厚く、重くなってしまいますが、価格が高いフレームであればある程度は付け心地もよく、また高いレンズのため今までよりは幾分薄くなるだろうと期待していましたが、実際にはレンズはかなり厚く、その重みをカバーするためにフレームの締め付けは強くなり、耳の裏に褥瘡ができるほどでした。
今までは安い眼鏡を付けていたため、フィット感等がしっくり来なくても仕方ないと感じていましたが、高い眼鏡を購入しても改善しなかったため、お金を積んで解決できる問題ではないことがはっきりわかり、一生重い眼鏡を付けるのは辛いなと思っていたところ、再度妻からICLを提案され、検討してみることにしました。
また、世の中の人間はほとんど皆さん目が悪いものと思っていましたが、実は自分は強度近視に分類されており、かなり悪い方だということがわかったことも、ICLの検討を始めた一因です。
※レンズが厚くなったのは、度数を上げていることとそれまでよりもレンズ幅が若干大きいフレームであることが要因でもあるため、納得はしています。
※その後、フィッティングのため眼鏡店に数度伺い調整してもらったところ、大変丁寧で上手な方に巡り合い、痛みが消えた上に、ずり落ちづらくなりました。最初からこの調整をしていただいていたら、もしかしたらICLは検討しないままだったかもしれません。
【クリニックの選定】
特にたくさんのクリニックを比較したわけではありませんが、知り合いがレーシックを受けていて特に不満を持っていないこと、数をこなしている大手の方が何となく信頼できるんじゃないかという漠然なイメージから大手のところに決めました。
本当はセカンドオピニオンを受けた方がよいことはわかっておりますが、田舎に住んでいるためクリニックのある都市へ何度も足を運ぶことが面倒であることから、受ける予定はありません。
ちなみに、私が受診したクリニックの費用は60万円強でした。
【適応検査について】
様々な機械で目の測定をされ、視力検査を1時間以上かけて入念にされました。
誤差をなるべく少なくするためと、2人の検査技師さんが視力検査をしてくださりました。
その後、瞳孔を開く目薬を差してもらい、効いてくるまでの間に技師さんから説明を受け、説明動画を視聴し、医師から診察を受け、終了しました。
色々と質問をしましたが、技師さんも医師も快く答えてくださり、また、デメリットやリスクもしっかりと説明してくださったので、逆に安心しました。
【印象に残ったこと】
印象に残った順にそれぞれ記載していきます。
1.近視矯正に必ず誤差が出る
ネット上で情報収集をしても、この情報についてはほとんどヒットしません。今回説明を受けた中で、一番印象に残った内容でした。
ICLの特性上、矯正誤差は必ず生じるそうです。
目が見える仕組みは皆さま大体ご存じかとは思いますが、ICLは網膜にピタッと焦点を合わせることが苦手だそうで、若干の矯正しすぎ、または低矯正になることは仕組み上避けられないそうです。(下図は参考)
ほとんどの人は時間経過と共に慣れるそうですが、ずっと気になり続ける人も中にはいらっしゃるそうです。
ちなみに、元々が強度近視の人は見え方に多少誤差があっても「まぁこんなものだろう」ということであまり気にならないケースが多いそうですが、あまり強くない近視の人は普段の眼鏡で完全矯正を経験していることから、違和感が残り続ける可能性があるとのことでした。
私自身も強度近視のため、納得できる部分が大きいことから、この説明を受けたからといって特に障害とはなりませんでした。
2024.10.21追記
矯正誤差がでることについて1週間検診後に改めて実感しました。下記の記事に記載しておりますので、併せてご参考にしてください。
2.年に1回の定期検診は、ICLを付けている限り一生しなければならない
これもなかなかの衝撃がありました。
角膜の内側に角膜内皮細胞という細胞があり、これが一定数減少すると水疱性角膜症となり、水晶体?が濁ることによって眼底等が外から見えなくなるそうです。
ICLが角膜内皮細胞に及ぼす影響がまだよくわかっていないらしく、細胞が正常に残っていることを確認するために、1年に1回の定期受診は必ず行わなければならないそうです。
割と面倒だとは思いましたが、定期健診をするということは何も検診していない今と比べて、逆に安心なんじゃない?という妻の言葉をそのまま採用して、飲み込みました。
3.レンズのサイズが合わない場合は、白内障または緑内障になるリスクがある
ICLは基本的に合併症のリスクは低いそうですが、レンズを虹彩と水晶体の間に固定する(ひっかける)ため、サイズが合っていない場合はこの限りではないそうです。
(1)レンズが小さい場合
レンズが動くことによって水晶体にぶつかると傷がつき、白内障になる恐れがある。
(2)レンズが大きい場合
虹彩が強く押されることにより眼圧?か何かの圧力が上がり緑内障になる恐れがある。
サイズの不適合がわかるためには1週間~1か月程度必要なそうなので、その際の検診時にしっかり確認していただけるそうです。
また、1週間経たずにこれらの障害が起きるほどサイズが合っていない場合は、手術翌日の検診にて取り外すとのことでした。
4.ハローはなくならない
グレア・ハローはよくある症状としてどこの説明でも記載されており、時間の経過と共に気にならなくなると記載されていることが多いかと思います。
ハローに関しては、ICLレンズの特性上、一生残り続けるそうで、単にその見え方に慣れていくだけだそうです。
神経質な人ならずっと気になるかもしれないとの説明がありましたが、強乱視の私は元々光は眩しいし、にじんで見えているので、多分すぐ慣れるだろうと予想しています。
4.乱視用レンズを入れる場合は、追加で再手術やレーシック等を行う必要が生じる場合がある
眼鏡やコンタクトレンズもそうですが、乱視用は軸があるため、これがずれると位置を再固定する手術が必要になるそうです。
そう頻繁に起こることではないそうですが、複数回起こるようであればレンズのサイズが合っていない可能性があることから、レンズのサイズ変更や、近視用のレンズに変更し、乱視はレーシックで解消する等の対応がとられるとのことでした。
ちなみに私は角膜の形状からレーシックは適さないとの診断を受けているため、万が一サイズ交換後のレンズも不適合であれば、ICLで近視のみ矯正し、乱視は眼鏡をかけて矯正することになると説明されました。
5.格闘技は一生禁止になる
元々一生やらないので私には関係ありません。
暴漢対策は怠らないようにします。
【あとがき】
私は元々視力が悪いことをあまり気にしておらず、矯正して見えるのであれば恵まれている方だと考えていました。
手術に際して様々な説明を受けたことで、目のためには本当はこんな手術なんてしない方がいいんだろうなと感じていますし、実際にまだ少し迷っている部分もあります。
ただ、この迷いはいくら情報を集めても解消されない、漠然とした不安であるとも感じていますので、ICL自体は十中八九このまま受けるかと思います。
また、費用面は特に問題としておらず、懸念材料は失明だけですが、何か不測の事態が起こったとしても、両目がいっぺんに見えなくなることはないんだろうと感じたことも、ICLを後押しする材料になっています。
なお、全くの余談ですが、ICLを受けるにあたり、初めてレーシックの料金表をまじまじと見ましたが、非常に怖い料金設定と感じませんか?
安いプランと高いプランの違いは、手術時に性能の高い機器を使うか使わないかみたいな設定のされかたをしており、金額が高ければ高いほど確実性が高まるような印象を受けました。
不可逆性のある手術なのにそんな設定のされ方をするのは本当に怖いので、私はレーシックは何があっても絶対に受けないと思います。
逆にICLは料金がレンズによって変動するだけで、基本的には一定のため安心しました。極めて日本人的と感じてはいます。
現在はレンズの到着待ちのため、手術当日以降の話は改めて記事を投稿しようと思っております。
ずいぶんと長文になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。