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果たしてキスで魔女の呪いは解けたのか

ドラマ『リビングの松永さん』10話における健太郎と朝子の話。予言しておくが、11話の後にもこの二人の話は書く事になる気がする。



えー、二人のキスの理由付けは恐らく原作と違うのだろうと前回書いたが、これがもう全くもって原作通り!! しっかり原作通り過ぎてびっくりした!!!
まあ言い回しとか流れ自体には差異がある。でも、あくまで「お試し」としてのキスという体を崩さずに来たので、正直かなり驚いた。あかねとサンジェが付き合うようになったくだりにも上手に「呪い」を組み込んだなという印象だ。

原作だと、二人がキスに至るまでにワンクッションと言うかツークッションぐらいあって、

離婚記念日(原作だとクリスマスイヴ)に一緒に飲んでる時、女の幸せは当分いいと言う朝子に対して健太郎が「朝子の事を女として見てる」と伝えて迫るも「からかわないで」と逃げられる

微妙な空気の中、朝子がネイルサロン独立の相談をしている男性と朝帰り(男女の関係は無い)して、そこに出くわした健太郎が男の優しさには下心があると悪態をつき、朝子も売り言葉に買い言葉で喧嘩になる

(ミーコが朝子の相談に乗る)(どうでもいいけど原作のミーコと朝子の恋バナのシーン全部可愛くてめっちゃ好き)(特に終盤の朝子が玄関で迷ってる時、ミーコがしゃがみ込んで勇気づける所が最高過ぎる。岩下先生の描く泣きそうな顔の女の子マジで可愛い)

松永とミーコのお膳立てもあり、健太郎から「言い過ぎた」「朝子の事は尊敬してる」と謝って仲直りするが、その際に「別に抱きたいとは思わないけど」と茶化して元通りの関係になる

という流れからしばらく経った頃にお試しキスに至る訳だが、ドラマのお試しキスは「呪い」という言い回しを使って、また上手く回収したな~という感である。

何だかんだ、原作の健太郎は朝子に逃げられた後から「抱きたいとは思わない」としっかり予防線を引いていた。更にお試しキスも酔っぱらってる風を装っていて、逃げ道を幾つも残していた印象があるっちゃある。
まあでも、女遊び激しいキャラなのでそんなもんだよな、と。だからこそ本命には臆病になるんだよな、分かるよ健ちゃん……と思いながら読んでいた。

それがドラマの健太郎と言ったらどうだ。まあ、あくまでもお試しという体ではあるけれど、名目としてはどちらかと言うと「朝子の呪いを解く」という方に重点が置かれている。
眠り姫か白雪姫か。キスで呪いを解くなんてまるで御伽噺の王子様じゃないか。(中の人があなた迎えに行く王子だからね!)

全体的にエスコートの要素を強く感じたのが印象的だったなと思う。それこそお姫様の呪いを解く王子様のように、でも御伽噺とは違って朝子は眠っていない訳で、キスに関しては朝子の意思を尊重しつつ、優しく彼女の手を取って導いていく。
役者インタビューにて、健人くんが「この日の康二はずっと智花ちゃんに対してジェントルだった」と話していたけれど、健太郎として朝子を大事にしたい気持ちをしっかり抱えてくれているんだな、と実際のシーンを見て改めて感じた。

車の中でお試しの結果を話す時の調子も、これまでの健太郎には無い雰囲気だった。落ち着いてゆっくり話す事自体は、過去に松永を諭す時などにもあったが、今回の車の中では少し臆病なような素振りも見られた。
あの「俺は凄いドキドキした」という台詞だが、原作の健太郎は恥ずかしそうに、何処か思春期の少年を思わせるような表情で言うのだ。赤らめた顔を隠さずに朝子に伝えて、けれどその後「お互いに今のキスは忘れよう」と続ける。

でも、ドラマの健太郎は恐らくあの後、忘れようとは言ってないんじゃないかなと思われる。知らんけど。じゃあ無かった事にしちゃおうというタイプには見えない。知らんけど。次回予告で流れた気まずいシーンは朝子が一方的に気まずくなってるだけで、健太郎は自然に接してくれてるんじゃないだろうか。知らんけど。

あと、今回の水族館デートの日が朝子の離婚した日だという改変も、個人的にはかなり良かったように思う。
原作では、朝子の離婚記念日はシェアハウスの皆でパーティーをして飲み明かす印象だったが、ドラマではどうも毎年健太郎がさり気ない風を装って飲みに付き合っているらしい。それはもうチャラ男じゃなくてただの良い男だ。見え見えの演技で「たまたまだ」と言い張り、でもそれが自分に向けられた彼の気遣いだと朝子も理解している。だからこそ、バレンタインの日にもチョコをせがんだ健太郎の為に、わざわざ早く帰宅してチョコを渡してくれたのだろう。
これまで健太郎が積み重ねてきた朝子へのさり気ない優しさと、彼女がちゃんとその優しさを受け止めている事がすぐに分かる、良いやり取りだった。

一つ気になったのが、イルカ水槽の前で朝子が悩みを吐露した時、健太郎が「朝子さんにかけられた呪いだ」と言った後のカットだ。何か思い悩むような顔の朝子が映し出されて、その後次のカットに行くけれど、あそこの動作にはどういう意味があったのだろう。
個人的には「なんで健ちゃんにこんな事話しちゃったんだろうなぁ」という自嘲のようなものに感じられたのだけど、毎年離婚記念日に健太郎が付き合ってくれている事に感謝している、という前振りを踏まえると、そもそもこの段階で朝子としても健太郎を憎からず想っているような表情・仕草に見えないだろうか? 正直ちょっと健ちゃんの事を意識してなくもないんですけどねっていう感じにも取れてくるのだ。実際どうなのかは多分謎のままだけども。

ところで、健太郎と朝子については10~11話で決着がつくと思っていたが、もしかして12話まで引っ張る可能性があるだろうか? 来週の気まずいターンがどれぐらい続くのかが不明だが、場合によっては12話の前半でバーのシーンが来たり……?
前にテレビ誌のインタビューでひかるちゃんが、原作の健太郎が終盤に髪を切る事について言及していた。わざわざそこについて言及するという事は、きっとドラマでもやってくれると信じているのだが、三ヶ月かけて「健ちゃん=長髪」の図式に慣れてしまった今、髪を切った健太郎が出てきたら視聴者に物凄い衝撃が走りそうだ。





ここから下はキスシーンにおけるただのオタク(推しのラブシーンウェルカム派閥)の悲鳴です。



し、シルエットか~~~~~~~~~!!!! もっとしっかり映してくれてもいいんだぞ~~~~~~~~!!!!!! キスしてるかしてないか分からない角度じゃなくて、がっつりしてくれていいんだぞ~~~~~~~~!!!!!!!!!
って言うか、キスした後の腕の動きヤバくない? ぐっと抱き寄せる感ヤバくなかった? 健太郎のオスみを感じたよね?????(オスみとは) 最初触れるだけの呪いを解く御伽噺的なキスなんだけど、その後なんか急に感情を乗せた大人のキスへとグイーンてハンドル切る感じあったよね???????
正直、ちょっと角度的なやつとかシルエットで「もっとちゃんと見せて!!!」となったんだけど、いやでもなんかあれ、佐久間大先生も言ってたけど逆にえっちいかも知れない。えちえち。佐久間大先生は流石にオタクとしての解釈も深い。見せないエロさというものが世の中にはあるが、そういう感じのような気がする。大人のキスを敢えてシルエットで演出する感じ。松永さんとミーコがドラマの中でキスするかは分からんけど、もしやるとしても、多分そっちの二人のキスはもっと健全に演出されるのでは。
なんかさあ、キスする直前のさあ、朝子に近寄った健太郎が長い睫毛を伏せる所とかさあ、戸惑った朝子の目線が上行って下行ってウロウロした挙句そっと瞼を閉じる所とかさあ、二人の視線誘導の流れが……流れが美しい……。
朝子に近づく瞬間の健太郎が、急に「健ちゃん」から「健太郎」になる訳ですよ。いつもの人懐っこい可愛いワンちゃんから急に男の顔になる訳ですよ。そりゃ朝子も戸惑うよな。でもそこの切り替えがね~~~~~~向井康二はライブでもそうなんだけど表情の作り方がね~~~~上手いんですよ~~~~~~!!!!!!!
朝子もそれまでのお姉さんの顔が急に女の子の顔になるんだもんよ~~~~~~可愛いよね~~~~~~~!!!! ほんまに智花ちゃんの顔、昔からずーっと大好きなのでキュン通り越してギュンギュンしながら見た……ヒイ……。

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