高校生って、キラキラ光って見える
最近、世の高校生たちがキラキラ光って見える。
私が現役高校生だった時期からどんどん離れていっていることも原因の一つだが、キラキラした高校生を目にする機会が多いからなのかもしれない。
少し前に、27時間テレビを見た。
今年の27時間テレビは「日本一たのしい学園祭!」をテーマに掲げ、高校生が出演するコーナーがいくつかあった。
番組内で、「コロナの影響で青春を送れなかった高校生たちに楽しんでもらいたい」といった言葉を何度か聞いた。
私は現在大学生なので、高校生という枠の中にはいない。しかし、コロナの影響で修学旅行や文化祭などの様々な行事が無くなり、昼食の時間も友人と話しながら食べることが困難だった。
当時の私はそこまでダメージを受けていなかったが、今考えてみると「もっと青春らしいことをしたかったかもな」とも思う。
「現在大学生の私だって高校生の時に想像していた青春を満足に送れなかったのに、今の高校生は27時間テレビで企画に参加できて羨ましい」という気持ちが頭の片隅にあるまま、放送は進んでいった。
最後のコーナーは、カギダンススタジアムというものだった。総合司会を務める芸人さんと全国の高校のダンス部がタッグを組み、一つのダンスを完成させるというコーナーである。
このコーナーを見て、先ほど記述した私のもやもやとした気持ちは一瞬で消えていった。
ダンス経験の少ない芸人さんが猛練習している姿はもちろん、仲間と支え合いながら精一杯ダンスに取り組む高校生の姿がまっすぐで、爽やかで、本当にキラキラしていた。
この企画に参加した芸人さんが、「このダンスを見て、明日も頑張ろうという活力になってくれたら十分」といったことを言っていた。
明日どころじゃない。私は、長期間分の活力をいただいてしまった。
27時間テレビが放送終了してから数日後、カギダンススタジアムの完全版が放送された。ひたむきに練習する高校生やそれを支える家族の思いを見て、また感動した。
もう戻れないからこそ、高校生っていいな、と思う。
最近高校生たちに感動させられた経験は、これだけでない。
連日行われている夏の甲子園もである。
甲子園でプレーする高校球児は、本当にキラキラしているのだ。グラウンドに立つ球児だけでなく、スタンドで応援する吹奏楽部やチアリーディング部などもだ。
中でも、ベンチ入りが叶わなかった球児がスタンドで応援する姿が記憶に強く残る。
高校時代に部活動に励んでいた私は、どちらかというと選ばれない側の部員だった。
「同じ期間、同じ場所で練習してきたのに、なんで私は選ばれなかったのだろう」という気持ちと、「選ばれた部員たちはこれから大会に向けてさらに技術を磨かなければならないのだから、少しでもサポートしたい」という気持ちが混在して、ごちゃごちゃして、ぐるぐるして、本当に辛かった。
スタンドで応援する球児の中にも、あの頃の私と同じような気持ちの人がいるだろう。
それでも、心を切り替えてスタンドで精一杯声を張り上げる姿は、かっこいい。
夏の甲子園をさらに楽しむには、「熱闘甲子園」という番組を見るに限る。
この番組では、その日行われた試合のハイライトや、高校球児のドキュメンタリーが放送される。様々な境遇で練習を重ね、憧れた甲子園に立つまでの経緯を知ることで、試合の応援にさらに熱が入るのだ。
高校生たちが全力で取り組む姿に、もう戻れないんだなという切なさを感じる反面、元気をもらえる。
私は定期的に通っていた高校に訪れることがあるのだが、その際に当時お世話になった先生や後輩と話すと、高校生だった自分を思い出す。辛いこともあったし頑張っていたけど、ちゃんと楽しんでいた。
今の高校生や、高校生だった時の自分に元気をもらいながら、大学生の私も楽しんでみよう。