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「億り人がやっている㊙投資法」とかいう書籍について

今年飛ぶ鳥落とす勢いでメディア出演を続けた『Mr.逆神』『日本一遅くFIREした男』こと岐阜暴威さん。

そんな彼の伝説の最初は昨年1月に雑誌「プレジデント」に掲載されてから。
それまでもFX系の雑誌やウェブサイトにちょこっと名前が出てたりはしてましたが、あの一流雑誌プレジデントのお墨付きをもらったというのが岐阜さんの躍進の決め手となったのは明らかです。

そんな岐阜さんがとうとう書籍の表紙に登場する事にまでなりました。

宝島社から12月15日に出版された「高配当株と円安株で月15万円稼ぐ!億り人がやっている㊙投資法」という本です。

そこにはタイトルに負けないくらいでかでかと書かれた岐阜暴威・・・と思わしき禿げた人物が。
デフォルメされすぎて岐阜さんのプロウォッチャーであればあるほど違和感を感じてしまいます。

共同執筆者はガチの億トレから怪しげな噂しか聞かない人までかなりカオスな陣容となっています。

彼らを差し置いて表紙の岐阜さんが「トレードは貧乏人が人生を逆転させる手段!!」とかなんとか呟いています。
まるで自らをトレードで人生を好転させた成功者であるかのように見せていますが、リアルの岐阜さんは全然人生逆転できていない事は今更説明しなくてもよいでしょう。

そもそも岐阜さんは子供部屋おじさん&実家が太い事による規格外の入金力を駆使しして戦ってきた男です。
一般的な個人投資家より全然豊かな生活基盤があります。貧乏人でもなんでもありません。

さて、気になる中身を見ていきましょう。
岐阜さんは今回、ソロ記事と対談記事の2つに関わっています。

まずソロ記事は「投資は夢を追うもの、だが人生を破滅させないための引き際が大切」というタイトル。

一時の短気で暴言吐きまくってGMOクビになった男がどのツラさげて言ってんだよって話ですが、一々突っ込んでいてもキリがないのでスルーしておきます。


このソロ記事、岐阜さんが伝えたいメッセージはただ一つ「損切りラインは絶対に動かすな」というものです。
ムービング指値の使い手岐阜さんが言うと(反面教師的な)説得力が抜群ですね。

しかし、損切について岐阜さんがひたすら熱弁するのかと思いきや少し語った後「なぜ俺は損切りができずに苦しんでい待っているのか、それには俺の悲しい過去が・・・」と岐阜ファンにとっては聞き飽きてしまった岐阜暴威相場人生振り返りパートにページを割いてしまいます。

この世に出る岐阜さんの投資系記事ってのは大体岐阜さんの投資人生の解説に紙面を使ってしまいます。

そうではなく必要なのは岐阜さんがその状況でどういうことを根拠にどう判断を下して結果どうなったのか、という逆神投資家の持つ独特な思考回路を我々に提供することなのです。

一応この本でも岐阜さんの投資思考が読み取れる箇所はいくつか出てきていましたが、そこはもっと深く掘り下げる記事の作り方にしてほしかったと思います。

最後に岐阜さんは「長期的に投資していれば転機は訪れる。再起できるように最終防衛ラインとしての引き際は設定しておけ。」とそれなりに良い事を言っています。

岐阜さんが16年長期投資をした結果起こったものが個人投資家として前代未聞の歌手デビューという珍事だったのはちょっと考え物ですがね・・・・。


続く対談パートでは岐阜さんと同じ岐阜県在住のスーパートレーダー愛鷹さんとトレードや人生について意見を交わす形をとっています。

ところがこの対談パート、ほとんど実りがありません。

なぜなら愛鷹さんが岐阜さんの珍言や珍思考に振り回されてしまい、よくわからない雰囲気のまま最後まで対談をしてしまっているからです。

これでは対談ってより岐阜暴威というなにを考えてるのか分からないおっさんに愛鷹さんが恐る恐るジャブを打ってるようです。

この対談、愛鷹さんの決算ギャンブルのやり方解説パートだけは考え方の参考になるなあと思いましたがそれ以外はほとんど読み飛ばしてしまいました。

こうして岐阜さん関係のページは総数で40ページくらいあったものの、中身がないので読んで勉強になった気にはまるでなれません。

この本は岐阜さんの記事を箸休めに他の執筆者の記事をじっくり読む、ってスタンスでいくのがベターなんじゃないかと思います。

定価は税込1680円。
私から人には積極的に勧めないつもりです。