リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様 冒頭3分半Q&A式解説
はじめに
リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様の冒頭3分半が公開されました。You Tubeで誰でも見ることができます。
Twitterで「なにこれ……」「テニプリってマジで踊るの?」「この包帯何?」といった困惑のツイートが散見されたので、簡単な解説を書いてみました。久々にテニプリに触れた方、「跡部王国」や「手塚ゾーン」、「置きブラックホール」といった単語は聞いたことあるけど詳しくはわからない方、「デカすぎんだろ……」「滅びよ」「忍んでる場合じゃねーっ!」等テニヌ用語だけは知っている方向けです。
わかりやすさを重視し、映像に合わせてQ&A形式で記載しました。
どんな状況なの?
週刊少年ジャンプで連載をしていたテニスの王子様における最終決戦、『第XX回全国中学生テニストーナメント全国大会決勝 立海大附属(神奈川)VS青春学園(東京)』の決勝戦です。主人公の越前(えちぜん)リョーマは青春学園の1年生、相手は全国大会2連覇をしている立海大附属の部長『神の子』幸村精市(ゆきむらせいいち)です。
どうしてリョーマは絶望してるの?
この時リョーマは視覚、聴覚、痛覚、味覚、触覚を失っています。目も見えず、音も聞こえない状態の試合になってしまい、リョーマは「テニスってこんなに辛かったっけ」と心の中で叫んでいます。
なんでリョーマの五感はなくなったの?
試合相手の幸村が、試合相手の五感を剥奪できるからです。幸村は相手のボールを全て完璧に打ち返すことで『どこに打っても、何をしてもボールを返されてしまう』というイメージを植え付け、相手選手の五感を奪うことができます。『イップス』に陥らせると思ってください。
リョーマに問いかけてきたのは誰?
リョーマの父、越前南次郎(えちぜんなんじろう)です。かつてプロのテニスプレイヤーとして活躍し、リョーマのテニスに多大な影響を与えています。ちなみに姿は若い頃のもので、今は作務衣を着ているおっさんです。
左手でラケット掴んでませんか?
リョーマは左利きのプレイヤーだからです。
一瞬映ったキャラクターたちは誰?
この後のシーンのほうが説明しやすいので後述します。
なんで光ったの?
天衣無縫の極み(てんいむほうのきわみ)に入ったからです。
天衣無縫の極みって?
テニプリの世界において、一部のプレイヤーは『無我の境地(むがのきょうち)』という一種のゾーン状態に入ることができます。その無我の境地に行き着いたプレイヤーは3つの扉を開けられるとされ、それぞれ『百錬自得(ひゃくてんじとく)の極み』、『才気煥発(さいきかんぱつ)の極み』、そして『天衣無縫の極み』と呼ばれています。ワンピースを知っている人は武装色の覇気、見聞色の覇気、覇王色の覇気みたいな感覚でイメージしてもらえば大丈夫です。(能力は異なります)
百錬自得の極みや才気煥発の極みを習得するプレイヤーが登場する中、天衣無縫の極みに至る方法は長らく謎のままでした。しかしリョーマが天衣無縫の極みになってから、試合を見に来ていた南次郎がその正体を語ります。実は天衣無縫の極みは本来、テニスプレイヤーなら誰もが持っていたものなのです。テニスに出会ったばかりのころは、勝ち負けやテクニックよりも、とにかく単純にテニスを楽しんでいたはずであると南次郎は語ります。つまりテニスを楽しむテニス、それこそが天衣無縫の極みの正体だったのです。
リョーマは天衣無縫の極みにに至る方法を教えてもらっていませんでしたが、五感を奪われた絶望的な状況において、今までのテニス、そして父南次郎の言葉を思い出し「テニスって楽しいじゃん」と生意気に言い放った結果、自力で天衣無縫の極みに至りました。
流れる歌何?
Dear Prince~テニスの王子様達へ~
作詞:許斐剛
作曲:佐々木収
唄:イケメン侍(リョーマ/手塚/跡部/幸村/真田/木手/白石)
原作でも歌詞が流れた歌です。ただし流れるタイミングは異なり、原作では試合終了後、映画版では試合中に流れます。ちなみにジャンプ連載中はJASRAC申請中表記が入り、コミックスではJASRAC登録番号が記載されています。
なんでみんな踊ったの?
テニスの王子様だからです。
普段からみんな踊るの?
原作、アニメでは踊りません。ミュージカルテニスの王子様でもこれほどの人数で踊ることはありません。まあ、テニスの王子様の映画なら踊りもするでしょう。
赤紫色の髪、ヒョウ柄の服を着ている人は誰?
大阪代表、四天宝寺中学校の1年生遠山金太郎(とおやまきんたろう)です。最初期の設定では主人公は遠山金太郎、ライバルが越前リョーマでした。テニスの王子様においては逆にリョーマと同い年のライバルというポジションです。
ヘアバンドの人は誰?
彼こそが王者立海大附属テニス部部長、幸村精市です。なおボールを捉えきれていないのは、リョーマが天衣無縫の極みになり打球の速度が増したためです。目視では追いきれず、審判でもカメラがなければ見えていません。
テニスの王子様は様々な技(通称テニヌ)で読者を驚かせる展開が多く、ラスボスである幸村はどんな技を使うのか話題になったのですが、蓋を開ければ『全ての技に対応し全てを打ち返す』タイプのプレイヤーでした。テニヌの無効化からの五感剥奪コンボは読者に衝撃を与えました。
彼だけ踊っていない理由は、あくまで個人的な推察ですが、彼が『テニスを楽しむテニス』ができなかったからかと思います。
幸村は全国2連覇を成し遂げた後、難病を患い、テニスから離れ療養生活を送っていました。二度とテニスができなくなってしまうかもしれないと医師が言うほどの病状でしたが、手術とリハビリを重ね、全国大会で復帰することができました。
結果的には間に合ったと言えど、部長という立場でありながら戦力に穴を開け、テニスもできなくなってしまうかもしれないという恐怖と戦う幸村の胸中は、察するに余りあるものがあります。さらに立海大附属は絶対的な王者として君臨しているため、負けることは許されません。部長である幸村は復帰後特にその思いが強く、全国3連覇のために『勝つためのテニス』をしています。故に、この時点では『テニスを楽しむテニス』ができなかったのです。
水色ジャージのメガネと帽子のふたりは誰?
メガネが忍足侑士(おしたりゆうし)、帽子は宍戸亮(ししどりょう)です。二人とも跡部景吾率いる氷帝学園テニス部レギュラーで、全国大会準々決勝で青春学園と戦いました。
ニコニコ動画で大流行した『あいつこそがテニスの王子様』において「樺地……何か震えてへん?」は忍足のセリフで、斎藤工氏が演じています。
茶髪のメガネは誰?
青春学園テニス部部長、手塚国光(てづかくにみつ)です。テニスの王子様において、リョーマに勝った数少ないプレイヤーのひとりです。
水色ジャージの茶髪の人は誰?
氷帝学園テニス部部長、『王様(キング)』跡部景吾(あとべけいご)です。Twitterをやっている人なら一度は目にした名前ではないでしょうか。
紫のノースリーブの人と、左手に包帯巻いてる人は誰?
紫のノースリーブは沖縄代表比嘉中テニス部部長『殺し屋』木手永四郎(きてえいしろう)、包帯を巻いているのは四天宝寺中テニス部部長『聖書』白石蔵ノ介(しらいしくらのすけ)です。
比嘉中は青春学園にとって全国大会初戦の相手でした。沖縄古武術に苦しめられましたが、菊丸が分身しシングルスをダブルスにしたり、不二が第四のカウンターを披露するなどして勝利しました。木手は手塚と対戦しましたが、テニスで故意に人を傷つけようとする比嘉中の戦法に手塚が怒り、手塚が勝利しています。
四天宝寺中は青春学園と準決勝で試合をしています。タカさんが大変な目に合ったり、ダブルスがシングルスになったりしました。白石は青春学園の不二周助(ふじしゅうすけ)と対戦し、白石が勝利しています。なお包帯を巻いている理由は新テニスの王子様で語られました。
なんでいろいろな学校の人がいるの?
全国大会決勝戦だからです。また、絶対王者立海大に挑む青春学園というシチュエーションだけでなく、生意気なルーキー越前リョーマのテニスが様々なキャラクターに影響を与えたことも理由のひとつかもしれません。
怪我してる人誰なの? 頭まるごと包帯巻いてる人もいませんか?
怪我をしているのは青春学園随一のパワー系ファイター河村隆(かわむらたかし)です。彼は準決勝の四天宝寺との戦いで波動球の打ち合いにより肋骨3本にヒビが入り、大腿骨損傷、踵骨損傷、頸部挫傷、右足首の捻挫をしています。正直踊っている場合ではない。
頭を包帯でぐるぐる巻きにされているのは、『データマン』乾貞治(いぬいさだはる)です。ダブルスの試合で悪魔化した切原赤也(きりはらあかや)に狙われ、試合中に倒れました。その後包帯巻巻総合病院に運ばれた結果包帯を巻かれました。
横一列で踊ってる青と白のジャージの人達は誰なの?
青春学園テニス部レギュラーです。左から、『マムシ』海堂薫(かいどうかおる)、『曲者』桃城武(ももしろたけし)、河村隆、菊丸英二(きくまるえいじ)、『天才』不二周助(ふじしゅうすけ)、乾貞治、『ダブルスの名手』大石秀一郎(おおいししゅういちろう)、手塚国光です。
リョーマのかけがえのない仲間たちです。
黄色と黒のシャツを着た人たちは誰なの?
立海代附属テニス部レギュラーの面々です。
赤い髪が『ボレーのスペシャリスト』丸井ブン太(まるいぶんた)、その隣の黒髪が『悪魔』切原赤也、銀髪が『コート上の詐欺師』仁王雅治(におうまさはる)、メガネが『紳士』柳生比呂士(やぎゅうひろし)、黒い帽子を被っているのが『皇帝』真田弦一郎(さなだげんいちろう)、真田の奥にいるサラサラストレートが『達人』柳蓮二(やなぎれんじ)です。
部長が負け気味なのにどうして踊っているんだとお思いかもしれませんが、彼らは一切笑っていないため、応援の気持ちの表現かと思われます。
ちなみに原作やアニメではジャッカル桑原(じゃっかるくわはら)も決勝戦には出場し、あの場に居るはずなのですがなぜかいません。何らかの事情があったのでしょうか。
最後にボールが2つに割れたのはどうして?
リョーマの必殺技『サムライドライブ』です。ボールが2つに割れたために相手はそれぞれを打ち返す必要があります。幸村は王者の意地を見せ両方を返しますが、リョーマは再度打ち返し、青春学園の全国制覇が決まりました。
なおボールの軌道がとんでもないことになっていますが、原作通りです。
コートの上で皆で踊るのはなぜ?
テニスの王子様だからです。
踊る人増えてませんか?
はい、増えています。
左手奥の黒ジャージは不動峰中学校の伊武深司(いぶしんじ)、赤いノースリーブは佐伯虎次郎(さえきこじろう)、白と茶色の服が不二裕太(ふじゆうた)、右から二番目の黄緑のテニスウェアにオレンジ色の髪が千石清純(せんごくきよすみ)、銀髪が亜久津仁(あくつじん)です。
何で立海大附属の列で幸村が中央じゃないんですか?
この時中央にいるのは副部長、真田弦一郎です。真田は幸村不在の時期は部長の役割を担っていました。また上の列では跡部景吾が中央に立っています。真田は『皇帝』、跡部は『王様(キング)』の異名を持ち、二人ともリョーマと対戦していることもあって、このシーンでは真田が中央に立ったのではないでしょうか。(下段リョーマ、中央真田、上段跡部という並びになるため)
なんでこの映像だけでテニプリ好きは感動しているんですか?
原作の最終決戦だから、原作絵と3Dモデルの相性がかなりいいから、Dear Prince~テニスの王子様達へ~が流れたからと様々な理由があります。
ですが何よりも、見た人それぞれに、テニプリに関する思い出が蘇るからではないでしょうか。
原作やアニメ、ミュージカルに触れてから、改めてこの映像を見ると気になるポイントが変わるかもしれません。
リョーマが飛行機に乗ってるのはどうして?
映画は全国大会から新テニスの王子様開始前の時間軸です。原作も最終話でリョーマは全国大会で青春学園が優勝した後アメリカに行ったという終わり方をしているので、それに繋げたのだと思います。
この後テニスギャングとラップバトルするんですか?
続きは是非劇場で!