【SwissPeaks Trail 170】全く歯が立たなかったアルプスの山々・・・
前回までのブログで、スタートの20時から明け方までの様子を紹介しました。
スタートから第1エイドまでの様子は下記から。
第1エイドから明け方までの様子は下記の通りです。
今回は、その続きを!
※このパートは眠すぎて、写真が少ない点、ご了承ください・・・。
第2エイドのCabane de Milleからは、一気に山を下っていきます。
夜が明けてから、しばらくはヨーロッパ特有のトラバースを気持ちよく走れました。でも、景色は微妙な感じ・・・。
トラバースを気持ちよく走れたのは少しの間だけで、その後は1,500m一気に下っていきます。
SwissPeaks 170はトータル170kmの行程ですが、最初の2セクションでランナーはふるいにかけられます。
というのは、スタート1,608mから、このコースの最高点2,966mまで1,300m登り、その後第一エイドの24.7km地点1,361mまで1,600m下ります。
※本来あったスタートから4km地点のエイドは雪のため設置されず。
1,300m登って、1,600m下れば、ロード出身のランナーはそれだけで結構お腹いっぱいになります。
ですが第1エイドから、すかさず800mの急な登りが待っていて、最終的に2,482m地点まで、1,100m登るんですよね。
天候が悪かったこともあり「ああ、やっと登り切った!」と思ったら、今度は799m地点まで1,700m近く下るわけです。
個人的に下りは得意で好きなんですが、「まだ下り終わらないの?ほんと勘弁して欲しい・・・。」と思ったのは、この時が初めて。
右腕のスント9で高低差表を見ても、100マイルの距離を凝縮して表示されているので、全然進んでいる気配がしないんですよね・・・。
ちなみに、ガーミンだと下記のような感じになります。
ひとまず、画面上の数字は無視していただいて大丈夫です(笑)。
レース全体の距離が短ければ、1,600m駆け下りることも可能。
ですが、まだまだ序盤だったこともあり、なるべく大腿四頭筋(前もも)のダメージを抑えながら下っていきます。
ようやく799mまで下り切り、小さな集落を抜けて比較的歩きやすいトレイルを700m程登り返していくと、2つあるうちの最初のライフベースChampexです。UTMBでもお馴染みのエイドですね。
この700mの登り返し区間で、第2回目の眠気が襲来。
身体はまだまだ問題なかったんですが、登りが急になってくると、呼吸が荒くなってきます。頑張って歩いているわけでもないのに。
この状態になるのは、これまでの区間のどこかで心拍数が高い状態になっていた可能性大です。
「え?レース中の心拍管理はしてなかったの?」と言われそうですが、恥ずかしながらできていませんでした・・・。
今回、ガーミンと胸部の心拍センサーをAirFitで繋いでいたんですが、心拍の数値がめちゃくちゃ過ぎて、途中から放棄・・・。
また、雪の岩場を慎重に行き過ぎて、第1エイド以降焦りが出ていたのかもしれません。少しずつでも時間の貯金を増やしていこうと。
結果的に、「心拍が上がっているな!」と感じていても、前に進むことを優先していました。
この状況を打破するのは、寝るのが一番です。
科学的根拠があるのかは知りませんが、以前のレースで「もうリタイアだな・・・」と思って、ダメもとで20分くらい寝たら、もの凄く回復した経験があったので、今でもそう信じています。
「ひとまずChampexに着いたら仮眠ができる!」
これだけをモチベーションに睡魔と戦いながら登っていきます。
この区間、唯一撮影したのがこれ。
ホント、「写真を見たらスイス行きたくなった!」っていう1枚を撮りたかったんですが、どんよりとした写真しかなくて・・・。
で、眠気でクタクタになりながらも、ようやく念願のChampexに到着。写真無し。
ドロップバックを受け取って、仮眠用に着替えて、持参していたカップうどんを食べます。
さて、15分だけ仮眠を取ろうと思って、スタッフに仮眠場所を聞くと、「え?あと20分くらいでエイドクローズしちゃうけどレース辞めるの?」と言われる始末。
"Oh My God!"
ここで使わずに、いつ使う?というシチュエーション!
こんなところで終わりたくないので、ギトギトのウエアに着替えて渋々出発です。
Champex lacこんなに素敵なところなのに、いい思い出作りができなかった後悔。
スタートして、これまでほぼ全てがトレイルでしたが、ようやくロードを走ることができました。
ただ、眠い。眠すぎる。
これまでの経験から、1回目の眠気は我慢していれば超えることができると分かっていて、2回目の睡魔が襲って来たら少し寝るようにしていました。
「2回目は超えられるのか?」という実験は今までした事もなく・・・。
ここから先のことを考えると、確実に1回寝たい!15分でもいいから。
中盤以降は比較的時間にも余裕が出てくるので、トレイルの傍にで寝っ転がってでも寝たかった。
でも、気温が低かった事もあり、なかなか寝っ転がる勇気もないまま、ズルズルと時間は過ぎていきました。
最後は精神的な部分も含めて、疲れてしまいましたが、64.7km地点のエイドで呆気なくSwissPeaksの旅は終了。
今までで一番呆気ないリタイア。胃腸の調子も問題ないし、身体的なダメージもそこまで大きくない。
でも、もうコテンパンにやられてしまって、どうする事もできない感じでした。
同じ場所でリタイアとなったドイツ在住の中国人女性が「去年完走したUTMBよりきついコースだった」と言っていたので、全体の1/3だけですが、多少は頑張ったのかなとも思いますが・・・。
ただ、リタイアした後は気が楽になったのか、レース中の疲労が嘘のようにサクサク下山できるんですよね。
何が言いたいのかというと、自分は「精神的にまだまだ弱すぎる」ということ。
肉体的にも弱いのはもちろん、特にメンタルが弱い。弱いのは昔から同じなんですが、全然成長できていない。
胃腸のトラブルもなく、ハンガーノックになったわけでも、低体温症で動けなくなったわけでもない。
ただただ、疲れていただけ。
そんなの皆同じなんですよね。
足が痛いのも、眠いのも皆同じ。でも、諦めてしまった。
あー、何も成長していない。
見たい景色は何も見えていない。
ひとまず、どうすればこのコースをコンプリートできるのか?今はまだ分かりませんが、1年後に再チャレンジできるよう、心と身体を鍛え直そうということだけは決めました。
コテンパンにやられっ放しじゃ嫌なんで!
これまでロードの延長戦でやってきたトレイルランニングを科学的な部分も含めて、見直していきたいと思います!
その様子は、このnoteもしくはランナーズNEXT内で書いていきたいなと!
下山した後は車で近くの駅まで送ってもらい、スタート/ゴール地点のブヴレまで電車で戻りました。
下山した後の一枚。
あれ?リタイアした場所の標高が1,527mで、1時間ほど下山してきたところの標高が1,527mて事あるんですかね(この時は全く気が付きませんでした)?
下山の途中で登りがあった記憶は無いですが、意識が朦朧としていたんでしょうか・・・?
いや、そんな事はない!高低差表を見ても、64.7kmのLA GIETEが1,527m、次のCol de Forclazも1,527m。
LA GIETEの標高が違ってるんじゃないかと!
続く。