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国際支援事業の現地対応をデジタルで支援 ローカルな要望に応えるための「柔軟で便利なDX」とは?

東京都「DX人材リスキリング支援事業」※に参加されている株式会社ティーエーネットワーキングの高田由紀さん(業務効率化コース)から、事業の課題や現状の学習成果、これからの見込みについて語っていただきました。

株式会社ティーエーネットワーキング
グローバルサウスを対象に、保健医療分野を中心としたコンサルティング事業を展開する。国際協力機構(JICA)と連携して技術者を現地に派遣し、地元の医療インフラの安定化と人材育成等の支援をするもので、現地での医療体制を強化するための技術提供やトレーニングを担う。


優秀な人材の「パワープレイ」に依存

――DX人材リスキリング支援事業に参加した背景についてお聞かせください

当社は途上国・新興国を含む、いわゆるグローバルサウスの各国を主な対象として、保健医療システムの構築を支援しています。

そのような環境においては、必ずしも「最新技術が最適」ではありません。各国の医療に関するリテラシーや治安、状況に合わせた支援が必要で、現地に赴く人員の専門性が非常に重要です。現場の状況に合わせた柔軟な対応が必須となるため、個人のパワープレイに依存しがちで、業務のあちらこちらに非効率なアナログ作業が残っていました。それらをなんとかしたいと考えて受講を決めました。

従来の取り組みを学習で補足し、最新情報をキャッチアップ

――ここまでのプログラム受講状況を教えてください。

これまでもExcel VBAなどを使って、業務の効率化や自動化には取り組んでいました。その中で、漠然と「もっと良い方法がある気がする」と感じ、RPAの活用を想定していたので、業務効率化コースの中でも、想定に近いものや自社に合いそうなものを選び、受講しています。現時点(2024年10月)でUdemy Businessの総視聴時間数は8868分(約147時間)ですね。学習目標(45時間)のおよそ3倍です。世のブームにも乗って、AIの情報にも触れられました。

実践ありきの学習で現場ニーズに対応

――実際に学んだことは、現在の業務でどのように活かせていますか?

業務効率化における、業界をまたいだ共通項や当社特有の課題に適用できそうなもの、自社に不足しているものなどを取り入れている最中です。その中でもすぐにアウトプットにつながるものはあり、月次で開催する勉強会の中で発信しています。先日はメンタルヘルスについて講義をしました。
実務面では、先日現場の案件担当者から業務改善の相談を受け、Notionを使い始めました。私がNotionでサンプルを作り、実務で使用する担当者がそれをもとに社内活用のテンプレートを作成して、案件の整理や情報共有をするフローを作っているところです。

また、実践ゼミでは、現場の状況に合わせた柔軟なしくみを構築する方法についての学びが多いです。以前から「現金精算を電子化したい」という要望を受けていたのですが、コストがかさむシステム導入は困難でした。でも、たとえば「Googleフォームから入力すると、RPAがフォーマットを埋めて経理に申請を出す」などの仕組みであれば可能です。そのような発想が得られたのは助かっています。

現場で実践し、現場に学習習慣を根付かせる

――今後の受講目標や、学んだことの活かし方についてお聞かせください

今後はUiPathやChatGPTなどの導入を進める予定です。当初、生成AIは情報のセキュリティの面で不安があったのですが、正確な知識を得たことで「怖がらずに使って良い部分」を理解できたと思います。ただ、AIもRPAも日進月歩でバージョンアップが非常に速いので、受講した内容がもう古くなっている場合があります。それらの知識のアップデートも必要ですね。

業務効率化を押し進め、メンバー全員のワークライフバランスの改善にもつながるような、皆で使える柔軟なしくみを作っていきたいと思っています。

左から受講生の高田さんと共に社内の業務効率化を推し進めている、太田さん、橋詰さん、佐々木さん

※東京都では、2024年度現在、都内中小企業を対象にしたDX人材を育成するための学習プログラム、「DX人材リスキリング支援事業」を実施しています。(事業概要はこちら
※本記事は、株式会社ベネッセコーポレーションが東京都の許諾の下取材を実施しています。