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「研修サービス」を提供する企業のリスキリング。集客数増加、業務時間短縮を実現。
前年度の東京都「DX人材リスキリング支援事業」※に参加された株式会社グローバルテクノの砂川さん(経営戦略コース)、萬木さん(データを活用した営業力向上コース)、岡本さん(集客・販路拡大コース)の3名から、受講修了から1年経った現在のDX推進の状況や事業の見通しについてお話を伺いました。
株式会社グローバルテクノ
ISO関連の研修や各種サービスを提供する研修企業。ISO 9001(品質)やISO 14001(環境)、ISO 27001(情報セキュリティ)などの審査員養成研修や、内部監査員の養成研修、国家資格キャリアコンサルタント研修、食品監査業務などを手掛ける。
オンライン学習の普及が進む中、自社サービスへの取り込みも狙い
――DX人材リスキリング支援事業に参加した背景について、あらためてお聞かせください
▼砂川さん(経営戦略コース)
当社は、国際標準化機構(ISO)の認証制度が日本で普及し始めた時期に審査員養成研修・コンサルティング事業で創業しました。現在もISOの審査員や内部監査員の養成研修などを主に提供しています。
ビジネスのデジタル化が進む中で、企業が競争力を維持するために何が必要なのかを考えていたこと、個人的にもデータサイエンス領域に興味があったことから、以前からビジネススクールへの参加などはしていました。今回の支援事業をきっかけに、もっと継続的に学習し、デジタル分野でのスキルを向上させて、それを会社の成長に結び付けたいと考え、受講を決めました。
▼萬木さん(データを活用した営業力向上コース)
私は企画室に所属し、セミナー企画や販促物制作、外注管理を中心にマーケティング全般を担当しています。広範な業務をこなす中で、企業研修のオンライン化やeラーニングの普及に合わせた企画が必要だと感じていました。
ただ、私自身、過去に通信教育を受けて、生活の中にうまく学習習慣を組み込めずに挫折した経験があり、ビジネスパーソンが「学びを続ける」ことの難しさは身に染みています。今回の受講を通してオンライン学習の取り組み方を学びたいという狙いがありました。
▼岡本さん(集客・販路拡大コース)
私は主にセミナーの運営を担当しています。受講者の受付業務や講師との連絡調整など、スムーズに研修を実施するための運営全般を担っており、その中で集客の難しさを感じていました。
当初は目の前の業務の忙しさから受講は難しいと考え、受講者として手を挙げなかったのですが、改めて組織内で声をかけていただき、現在の課題に対する知識やスキルを得られるかもしれない、と考え直しました。実践的な知識を学んで業務改善ができることを期待して受講を決めました。
集客数増加、業務時間の短縮を達成。継続的な学びによる確かな成果
――受講によって、当初の課題は解決できましたか?
▼砂川さん
経営者としてデータ活用の重要性を再認識し、知識を振り返って実践を進めるきっかけができたと思います。ビジネススクールや他の研修で学んだ内容と重複するものもありましたが、毎週のワークで手を動かす中で、継続して学ぶことや振り返りの重要性を実感しました。
▼萬木さん
データサイエンスや統計に関する知識を深め、業務効率化や企画力向上のための視点を得られたと思います。特に、統計的手法を学びなおしたことで、これまで感覚的に進めてしまっていたデータ活用の精度や効率を上げられました。
また、ペルソナを活用してセミナー対象者の設定を明確化し、マーケティング動線の改善ができました。業務時間内で学びを取り入れる重要性も痛感しており、今後の社員教育においても工夫が必要だと考えています。
▼岡本さん
集客方法や業務効率化の実践的な知識から、セミナー運営の改善に取り組めました。ペルソナマーケティングの技法を活かしてこれまで中途半端な位置付けになっていたセミナーに「初心者と上級者の間」という付加価値を明確化し、集客数を2倍に増やせました(ただし、もともと規模が少なかったこと、その他外部環境の要因も大きいと思います)。
また、自動化ツールを活用して受講者対応を効率化できました。これまで手作業で対応していた受付業務の一部を自動化したところ、30分の時間短縮を実現し、就業時間内に余裕をもって作業を終えられるようになりました。
周囲を巻き込み、仕組みを整えて、全体のデジタルスキルを底上げ
――現状の課題や今後の展望についてお聞かせください
▼砂川さん
現在、私が統括責任者となってDX推進委員会を立ち上げ、全社的なDXを進めています。DXへのモチベーションは各個人で変わるので、ここで知ったデータ活用のノウハウを全社員に共有して良さを分かってもらい、そこから社内全体のスキルを底上げしたいと考えています。(株式会社グローバルテクノ DX推進への取組み)
成果が出たプロジェクトのノウハウは他のセミナーや業務領域へも横展開し、それを全社的なDXの流れとして確立したいと考えています。データ活用によって新たな価値を創出する仕組みも作りたいですね。
▼萬木さん
DXには段階や得意不得意があります。たとえば急な電子化や強行的なペーパーレス化をしても、それが組織全体のパフォーマンス向上に直結するとは限りません。仕事の仕方の変更は現場とコミュニケーションを取り、各人の得意分野とチームの人間関係を尊重しながら進めるものだと思っています。
▼岡本さん
直近ではまだまだ手作業の業務があるので、それらを自動化ツールなどで効率化していきたいです。
また、最近大きなプロジェクトを任せていただき、周囲を巻き込む重要性を痛感しています。今後も新しいアイデアを提案していきつつ学びを深めて、リーダーシップを取れるように成長していきたいと思っています。
※東京都では、2024年度現在、都内中小企業を対象にしたDX人材を育成するための学習プログラム、「DX人材リスキリング支援事業」を実施しています。(事業概要はこちら)
※本記事は、株式会社ベネッセコーポレーションが東京都の許諾の下取材を実施しています。