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業務自動化で作業時間を6分の1に短縮、ミスも「ほぼゼロ」に。小さなDXを積み重ねる
東京都「DX人材リスキリング支援事業」※に参加されている全国学校用品株式会社の木村さん(業務効率化コース)から、DX推進の成果や学習の工夫を伺いました。
全国学校用品株式会社
図書、辞典、教材教具、鉛筆、体育用品、通学用ヘルメットなど、学校で使用される多様な用品を取り扱う。学校生協事業と深い関係を持ち、全国の教職員の様々なニーズを的確に反映した商品提供を強みとする。
先輩受講者からの「口コミ」で受講を決意。膨大な手作業の自動化を目指す
――御社の事業内容と、DX人材リスキリング支援事業に参加した背景についてお聞かせください。
私の部署では、教職員の方に向けた食品、日用品や雑貨の販売をしています。取り扱う商品の数が多く、選定や販促資料の作成に合わせて情報を管理する必要があるため、Excelやデータベースへの手入力作業が日常的に発生しています。膨大なデータを手作業で取り扱う中で業務の属人化が進み、慣れた人に依存していたため、人員の変更に伴って業務の精度が低下してしまいました。また、作業時間も増大し、改善活動に取り組む余裕も持てなくなっていました。
そのような中で上司からDX人材リスキリング支援事業を勧められました。関連会社でこのプログラムを受講した方が高く評価していたこともあり、「この機会に業務改善に本格的に取り組もう」と参加を決めました。
具体的な課題にアプローチできる、具体的な手法を獲得
――受講を通して、課題解決への手ごたえはありますか?
受講を始めてすぐに「これならすぐに使えそうだ」と感じました。もともと「業務の一部を自動化したい」「入力ミスや時間のロスを減らしたい」といった具体的な課題があったので、継続的な学習ができ、実務と結びつけるアイデアも得やすかったのではないかと思います。
特に、Power AutomateやExcelの効率化に関する講座は「この方法であの業務が改善できる」とイメージしやすかったです。動画教材の中に、請求書やデータ入力の自動化に特化した具体的な事例が紹介されており、非常に助かりました。
もちろん最初は専門的な用語や設定に少し戸惑いましたし、すぐに使えそうな内容ばかりではなく、「これは応用が必要だな」「もう少し時間をかけて理解を深める必要があるな」と感じる部分もありました。しかし全体的には、学びながら進められる業務改善の手法に手応えを感じています。
自動化によって1時間の作業を10分に短縮し、ミスも「ほぼゼロ」に
――受講内容は、実務の中でどのように活かせていますか。
特に効果が大きかったのは、Power Automateを使った入力作業の自動化です。Excelシートの情報を手作業でデータベースに転記していたのを自動化でき、1時間かかっていた作業が10分程度で済むようになりました。この作業は年間24回発生していたので、24時間の作業が4時間ほどに短縮できたことになります。また、手作業で頻発していた入力ミスもほぼゼロになりました。入力作業や確認作業の時間が短縮され、他の重要な業務に時間を割けるようになりました。
他にも、データ抽出作業の一部を自動化しています。システムから抽出したデータを整形してレポートを作成する作業では、受講内容で得た知識をもとにマクロを構築して大幅に効率化できました。
「小さな改善」を広げ、組織全体を巻き込んだDXを目指す
――今後、どのような方針で学習と実践をされる見込みですか?
業務改善の余地はまだまだあります。特に複数の工程間で発生するデータのやり取りや確認作業などはもっと簡略化したいですね。今後はメール配信の自動化や、より高度なデータ整理に取り組む予定です。
現在の取り組みや実践は上司や同僚から好意的な反応をもらっており、チーム全体に業務改善を進めようという雰囲気ができています。今後は部下が自発的に改善に取り組み、自らアイデアを出して業務改善を進められるような環境を整えたいと考えています。
現状の小規模な改善をさらに広げ、将来的には業務全体を見直すような方向に進めていきたいです。小さな成功体験の積み重ねで、全体的なDXを進めていけると考えています。
※東京都では、2024年度現在、都内中小企業を対象にしたDX人材を育成するための学習プログラム、「DX人材リスキリング支援事業」を実施しています。(事業概要はこちら)
※本記事は、株式会社ベネッセコーポレーションが東京都の許諾の下取材を実施しています。