【開催レポート】全国自治体リスキリングネットワーク 第3回自治体情報交換会:庁内リスキリング~職員のDX人材育成~
ベネッセコーポレーションは、2023年5月に「全国自治体リスキリングネットワーク」を発足しました。
このネットワークでは、自治体同士が横のつながりを持ちながら人材育成に取り組むことで、業務改善や行政サービスの向上、地域の活性化を目指しています。
2024年2月7日には、第3回目となる情報交換会を開催しました。
今回はその中でも「庁内リスキリング」をテーマとした内容についてレポートします。
庁内DX/デジタル化の取り組み状況と課題
ベネッセコーポレーション 黒岩友樹
国内の労働需給ギャップは年々加速しており、2030年までに全国で約170万人の専門技術を持つ人材が不足する見込みとなっています。
事務・生産・運送業を中心に人材過剰も指摘され、社会全体でリスキリングが必要となることがわかります。
行政や自治体でも人材育成の重要性が増している中で、自治体を取り巻く環境の変化として、「行政のデジタル化の遅れ」「地域産業の衰退や人材不足」「キャリア観の多様化」などが注目されています。
これらの課題を俯瞰して行政施策に落とし込み、解決していくためにも庁内の職員に向けたリスキリングに取り組む動きが活発になっています。
ベネッセでは、2023年度に「自治体DXにおけるUdemy Business受講者の実態調査」を行い、Eラーニングで新しい知識を学んでいる行政職員の声を集めました。
DX推進に必要な体制・支援策についての考えを聞いた質問では、「身近な実践事例の共有」「庁内でDXについて相談し、技術的支援を受けられる体制」「継続してスキル・知識を学べる環境」などが挙がりました。
また、DXに対する組織全体の意識改革や、育成後の人材を適切に配置すべきとの指摘もありました。
一方で受講に対する課題では、「学習時間の確保」といった時間に関する悩みが目立ちます。
業務時間中に学ぶことへの組織的な抵抗感がある自治体もまだまだ多いようです。
このことから、学びやすい職場環境への改善や組織的なマインドの変革が急務であるといえます。
これらの課題をリスキリングの取り組みと並走させることが大事です。
都城市の取り組み事例
宮崎県都城市 デジタル統括課 佐藤泰格氏
都城デジタル化推進宣言2.0とは
2019年、市民や職員に対してデジタルを推進する姿勢を示すために「都城デジタル化推進宣言2.0」を宣言しました。
市民サービス・自治体経営・地域社会の3つの分野でデジタル化を進めています。
デジタルを加速させる3要素としては、組織・人材・予算を掲げています。組織では、市長をCDO(最高デジタル責任者)に任命する全国初の取り組みを行いました。
これにより、庁内および市民に対するデジタル化の強いメッセージ発信と、スピード感をもった判断を実現しています。
人材では、DXアドバイザーを外部人材から登用しました。
しかし、デジタル推進の主人公はあくまでも庁内の職員です。
外部人材に頼った活動にならないよう、困ったときに相談できる体制を整えました。
予算では、補助金や交付金を活用しつつ、2023年度のデジタル関連予算に12.6億円を計上しています。
これは「都城デジタル化推進宣言2.0」を発表した2019年比で、およそ20倍の額となっています。
デジタル化推進の目的と考え方
都城市がデジタル化で目指すのは、市民の幸せと市の発展です。
そのために、次のような考え方でDXを推進しています。
都城市の特徴的な取り組みとしては、以下のようなものがあります。
チャットツールの導入(組織間連携をスムーズにする)
データに基づく政策立案(福祉・税・住民の情報などを匿名化したうえでデータ分析し、政策立案に役立てる)
スマートキーを活用した公共施設のオンライン予約システム
手続きオンライン化推進宣言(2023度末までにオンライン化可能な手続きをすべて移行予定。すでに1000以上の手続きをオンライン化済み)
全国初の取り組みも数多くあり、今後もチャレンジ精神やスピード感を重視した施策の実行をしていきたいと考えています。
パネルディスカッション
【登壇者】
宮崎県都城市 デジタル統括課 佐藤泰格氏
ベネッセコーポレーション 黒岩友樹
トークテーマ①育成・学習における課題の対処は?
===note版でのご紹介はここまでとさせていただきます===
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