コスプレイヤーのグラビアアイドル化
情熱大陸にコスプレイヤーの「えなこ」が出演。
コスプレイヤー(以下レイヤー)が情熱大陸にでるなんて10年前だったら信じられないわけだけども、ここ数年のオタクのライト化もあってか、コスプレもだいぶ市民権を得てレイヤー人口も年々増えている。そんな中、最近ずっと魚の骨がノドに詰まったような違和感を感じていて、ついさっきそれが言語化できた。
それは、レイヤーがグラビアアイドル化していくという現象。
日本では「キャラクター愛が強いが故にコスプレをする。」という考えが根強く、その再現性や身振り素振りが完璧であればあるほどその作品への愛が深いとされ、評価されてきた文化だったわけです。そして、そのキャラ愛を共通言語として、好きな人だけが集まる非オープンなコミュニティも構築されていきました。(SNSでいうとCureとかカイブとかね。)
一方で、TwitterやInstagramの普及により、オタクだけではないオープンなTLにもコスプレ写真を上げる環境ができこともあってか、「自分をかわいく見せるためにコスプレをする。」というトレンドがではじめます。コスプレをしてかわいくなった自分を褒めてもらう、手軽に承認欲求をみたすツール的なニュアンスが大きくなったわけです。ワンタップでメイクもできちゃうアプリも増えたので、Photoshopでの専門的なレタッチも必要ないですよね。
かわいい女の子がコスプレをしてる写真をSNSにあげるわけだから、ほっといおいてもフォロワーが増える。こうして徐々にその女の子は有名になり、SNS活動を中心としたアイドルレイヤーとして人気になっていきます。
そして、それを放っておかないのが大人たち。
フォロワー数が多いということはすでにファンがいるということ。しかも事務所に入ってない女の子がほとんどだからチャンス。芸能事務所なんかの大人達がレイヤーに声をかけて、その子を囲ってタレントにしようとするわけです。
でも、ここで問題がでてきます。
「コスプレをして何ができるの?」ということです。
演技が上手いわけでもなく、何かの特技があるわけでもないから、結局のところコスプレ写真を見せるしかないんですよね。しかも、版権ありきのコスプレなので、営利目的ではコスプレ写真も気軽に載せられない。じゃあ「オリジナルコスをしよう。」ってなるわけなんですけど、悲しいかな、ファンは男性がメインなので、自ずと露出が多いオリジナルコスプレ衣装になってしまいます。脱いでなんぼになってしまうわけ。
有名になったレイヤーがヤンマガの表紙を飾るとき、良くても露出の多いオリジナルコス衣装、酷いものだと水着。青年誌の表紙なんて可愛い女の子がエッチな格好で出てれば売れるだろうし、自分も手にとっちゃうわけだけど、これがプロレイヤーの仕事って言われると、それってグラビアアイドルじゃんって思うわけです。
最近はtiktokをはじめとした動画媒体の普及で、コスプレのメイク方法をbefore&afterで面白く見せたり、コスプレしてアクションをしたり(最近だと鬼滅の刃コスでアクロバットな動きしてみたり)、キャラの声にあわせて動きをつけてみたりと、コスプレ以外の付加価値が当たり前になってきているので、写真だけではない、新世代のレイヤーがメディアに出る未来が遠くはないのかな。と前向きに自分へ言い聞かすのでした。
最後になりますが、コスプレの目的は人それぞれだし大対数の人はキャラクターに愛があるからコスプレをしているのがほとんどです。あくまで一面的な話です。
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