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【簡単】財務諸表を読めるようになろう。

こんにちは。ゆうだいです。ちょっとした趣味で色んな企業の決算書(財務諸表)を見たりしてます。

先日僕が働いてるリクルート社の決算発表がありました。もちろんうちの会社だけじゃなく、色んな会社さんがこの時期は発表してますよね。

そのタイミングで複数の同期から「うちの会社の決算書、分かりやすく説明してくれよ」と言われ、その後も別の会社に務める先輩からも「自分の会社の決算書くらいは見れるようになりたいから解説してくれ」とお願いを受けたこともあり、「誰でも簡単に財務諸表が読めるようになる」noteを書くことにしました。


■ こんな人にピッタリの内容かと思います!

・会計を勉強したい!けど難しい…

・純粋に財務諸表を読めるようになりたい!

・なんとなく決算書は読めた方がいいよなぁ…

・いちビジネスマンとして、必要最低限の会計知識は持っておきたい

・「会計」を通して、色々な会社の状況を把握できるようになりたい

・会計についてはほぼ無知だけど、知識としては持っておきたい

・将来、起業したり事業を創りたいと思っている(けど会計難しいなぁ…意識あり)


■ 財務諸表を読めるとこんな良いことがある!

・「会計」を使って会社の話ができるようになる

・「会計」から会社の状況やどんな戦略で戦おうとしているかの概略が分かる

・事業計画を単なる収支計算ではなく、PL/BS/CFごとに立てられるようになる

・取引先の見極めや提案のやり方、与信管理の幅が広がる  

・財務諸表上の数字が操作されている「ウソの数字」に気づくことができる(場合によりますが…)


という感じで早速書いていきたいと思います!


【1】 まず会計は「仕組み」で理解しましょう!

企業の財務諸表は、

・損益計算書(PL)

・貸借対照表(BS)

・キャッシュフロー計算書(CF)

・株主資本等変動計算書(SS)

この4つで基本的に構成されています。そのうち上3つのPL・BS・CFをまとめて「財務3表」と呼びます。

今回はこの財務3表をメインに書いていこうと思いますが、そもそもこのPL・BS・CFは何を表しているのか。

それを理解するためにはビジネスの基本的な活動フローを押さえておく必要があります。ビジネスの基本的なフローは

①「お金を集める」
②「そのお金を何かに投資する」
③「そして利益を出す」

という3つに分けられますよね。

この、お金を集め、投資を行い、利益を出す。この3つを実はPL・BS・CFの3つで表しています。分かりやすく図で示すとこのようになります。

まず「お金を集める」という部分は、BS(貸借対照表)の右側で表しています。ここは「負債の部」「純資産(資本)の部」の2つで構成されています。「お金を集める」ということなので「借入金」「資本金」などがここに入るわけですね。

そして同じくBSの左側に「何に対して投資を行ったのか」が来ます。このBS左側の「資産の部」には、例を出すと、工場などの設備投資や皆さんが普段から使っているパソコンの購入などが資産(これらの正しくは固定資産。逆に現金化しやすい資産は流動資産と呼ぶ)としてここに入ってきます。

最後に「利益を出す」ということをPL(損益計算書)で表します。ある一定期間の中でどれほどの売上を立て、いくらの費用が掛かり、最終的にどれくらいの利益を残せたのか、をここでは示しています。

このようにPL・BSで、①お金を集め→②投資を行い→③利益を上げる、という3つのフローを示しているんですね。

ではCF(キャッシュフロー計算書)は何を示しているのでしょうか。それは上記3つのビジネス活動における「現金の流れ」を表しています。

具体的には、「お金を集める」「投資する」「利益を出す」の3つを、


● 営業活動によるキャッシュフロー(利益を出す)

● 投資活動によるキャッシュフロー(投資を行う)

● 財務活動によるキャッシュフロー(お金を集める)


に分けて、それぞれの中での「現金の流れ」を示しています。

例えば、「借入金」として会社に100万円入れた場合、BS右側の「負債の部」に100万円入り(=お金を集める)、同時に左側の「資産の部」に100万円入ります。これは「現金及び預金」という流動資産に入ります(=投資する。=集めてきた100万円が今は現金となっている、と捉えてもらえればOKです)。

【MEMO】「PLは動かないの?」と思われた方いるかと思います。「借入金」は営業活動には関係しないので、PL上の数字に変動はありません。

ここまではこれまで説明してきた通りですが、ここでいよいよCF(キャッシュフロー計算書)が登場します。「借入金」として「現金」「100万円動いた」ことになるので、「財務活動によるキャッシュフロー(お金を集める)」に同時に100万円が入ることになるんですね。

このように、PL・BS上で動いた「現金の流れ」をCFでは表しています。


と、いうことで改めて「PL」「BS」「CF」は、その一つひとつが単体で存在している訳ではなく、「お金を集め→投資を行い→利益を出す」といったように「仕組み」でそれぞれが繋がっているんですね!この基本的な流れさえ理解すると、財務諸表に対する「難しさ」は一気になくなると思います。


【2】 PL・BSの全部じゃなく、ここを見れば大丈夫!

とは言え、財務3表にはそれぞれたくさんの項目があります。PLで言えば経費を構成している色んな項目、BSだと資産・負債を構成している色んな項目、本当にたくさんありますよね。

それも会計に対する「難しさ」を生む一つの要因だと思います。だからこそ、「ここさえ見れば(読めれば)大丈夫!」というポイントをお伝えできればと思います! ※なぜ「そこさえ見れば大丈夫!」なのかはこの後に説明します。

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◇ PL(損益計算書)編


①売上総利益

「売上高から売上原価(売上を上げるために仕入れた費用)を差し引いた利益」です。よく耳にする「粗利(あらり)」にあたるものです。


②営業利益

「売上総利益から販売費及び一般管理費(給料・交通費・広告宣伝費・賃貸料といったいわゆる経費)を差し引いた利益」です。よく「本業の利益」とも呼びますね。


③経常利益

「営業利益から営業外収益(主な事業活動以外で発生した収益)と営業外費用(支払利息)を足し引きした利益」です。つまり、その会社の主な営業活動とその他の活動によって経常的に発生する利益を指します。これは会社の経常的な利益率を見る指標にもなるので、中でも重視される項目になります。

④当期純利益

税金などを全て差し引いて、その期間最終的に残った利益です。

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◇ BS(貸借対照表)編


《資産の部》

①流動資産

1年以内に現金化・費用化できる資産。上記で挙げた「現金及び預金」「売掛金」「商品」などが入って来ます。


②現金及び預金

流動資産の中の一つの項目です。シンプルにこちらは会社にある「現金」です。なので、CF(=会社の現金の流れを示してる)における最下位の「期末残高」と一致することになります。ここを見れば、その会社がどれくらいの現金を持っているか、が分かるということですね。


③固定資産

1年以内に現金化しやすい流動資産とは対照的に、1年を超えても現金に換える予定のない資産(長期的に保有する資産)を指します。上述した工場やPC(土地・機械・建物)などがここで示されます。


《負債の部》

④流動負債

1年以内に返済する必要がある負債です。「買掛金」「短期借入金」などはここに来ます。


⑤固定負債

1年を超えて返済する必要がある負債です。主に「長期借入金」などがここでは示されます。

【MEMO】「流動」資産・負債/「固定」資産・負債がそれぞれ「1年以内or超えて」という線引きになっているのにはもうお気づきかと思います。会計上のルールでこれを「ワンイヤールール(一年基準)」と言います。


《純資産の部》

⑥利益剰余金

会社が積み上げて来た利益の総額です。下で説明する株主資本の一部になります。つまり、その会社が黒字が続けば利益剰余金は増加し、逆に赤字が続けば減少することになります。PLの「当期純利益」と、この「利益剰余金」繋がっているんですね。

⑦株主資本

「資本金」や上記の「利益剰余金」などで構成される資本です。資本全体でどれだけの自分たちで資本を持っているかを示すものなので、「自己資本」とも言います。


👇【まとめ】PL/BSではここさえ見れば大丈夫!👇


【3】 でも、どうしてそれらを見れば大丈夫!なの??

では、なぜこれらの項目さえ押さえればいいのか、それは「財務諸表における主な指標を分析する際に、使用するから」なんですね。なので例えば「BSのここがこの額で、こっちがこれくらいの額だったら、会社としての安定性が高いな〜」みたいなことが分かるようになるんですね。

では、具体的にどんな分析指標があるのでしょうか。早速見ていきましょう。

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■ 収益性を観る指標

・ROA:総資本利益率(%)

企業が投下した総資産(資本)が利益を獲得するために、どれだけ効率的に運用・利用できたのかを見る指標です。


・ROE:自己資本利益率(%)

総資産のうち自己資本(株主資本)を通して、企業がどれだけ利益獲得を獲得したのかを見る、投資効率を測る指標です。なのでよく株式投資などの際に見られる指標です。


・売上高経常利益率(%)

その企業が経常的にあげている利益額が売上全体に対して何%かを見る指標。もちろんこの利益率が高い方が業績が良いと言えます。


■ 安全・安定性を観る指標

・流動比率(%)

これは企業の「短期的な支払能力」を見る指標です。先ほどのワンイヤールールでもあったように、この「短期的」とは1年を基準に置いています。この数値が高ければ高いほど、支払能力は高い(=安全性が高い)と言えます。


・当座比率(%)

こちらも企業の短期的な支払能力を見る指標なのですが、簡単にいうと上記の流動比率を補完する指標です。より厳密かつ具体的に支払能力を判断する際に用いられます。


・固定長期適合率(%)

これは上記の流動・当座比率とは対照的に「長期的な支払能力」を判断するのに見る指標です。固定資産に投資した資金がどれだけの自己資本と固定負債によって賄われいるか、を見ています。一般的に100%以下であるのが望ましいと言われています。


・自己資本比率(%)

企業の総資本のうち、自己資本がどれだけの比率かを見る指標です。自己資本には返済義務がありませんので、この自己資本比率が高いほど、その企業は返済する必要のない資本を元に事業を行えるので安定性が高いと考えられます。


・負債比率(%)

これは上記の自己資本に対する他人資本(=負債)の比率です。つまりこれを見れば、その企業の負債の返済力を見ることができます。負債比率が低ければ、返済力は高く、安定性が高いと言えます。


■ 収益性&安全性を観る指標

・損益分岐点売上高

まず「損益分岐点」とは、売上と費用がちょうどイコールになる値を言います。なので、この損益分岐点売上高は文字通り「売上=費用」の売上額を示します。その値を上回れば黒字、下回れば赤字ということになります。


・安全余裕率(%)

この安全余裕率は、上記の損益分岐点と売上高にどれだけの差があるかを示した比率です。もちろんその比率が高いほど安定性が高く、経営に余裕があると見なされます。


■ 従業員の生産性を観る指標

・従業員一人当たり売上高

こちらは文字通り、企業の資源の一つである従業員ひとりがどれだけの売上高をあげているか、を見る指標です。「従業員の高い生産性」が重視されてきている中で、非常に重要になる一つの指標ですね。

ここまで11個の分析指標をご紹介しましたが、もちろん分析指標はこれだけではありませんし、一つの分析指標を見たからといって、その会社の良し悪しや状況を語ることはできません。様々な指標を総じて見ることで、「そこから何が言えるのか」を思考することが大切になります。

もちろんこれは会計のみならず、色んな分野にも言えることですよね。


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さて、改めてここまでの流れは、


・会計は仕組みで理解しよう!

・その中でもここをポイントとして押さえましょう!

・なぜならこういった指標を見るのに役立つからです!


という順序で概説していきましたが、いかがでしたでしょうか?


次回はもう少し踏み込んで、僕がいま働いているリクルート社の決算書を見ながら、上記で挙げた指標を使って分析していきたいと思います!乞うご期待!

#簡単 #会計 #財務諸表 #財務3表

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