自分を買ってもらうために
音楽やアートを用いた社会プログラムのプランニングのご依頼を、ありがたいことに多数いただいています。
僕の強みは、こんなところだと思います。
・メジャーデビューを経験し、今も現役アーティストである
・IT、ファッション、社会保障に関わる業種の社会人経験がある
・中小規模のイベントを6年間、毎月開催している
・海外でもイベントを開催したことがある
・若手や異業種とのマッチングを重視している
・教育、福祉の分野に明るい
・それにしてはちょっと若い
ニーズはケースバイケースですが、「ただコンテンツをぶっこめばいい」みたいなイベントはやりません。
というか、イベントは別に好きじゃないんですけど、結果的に「イベントにしちゃいますか!」で決着がつくことが多かったり、予算消化や「やってるぞ感」が出せる兼ね合いでイベントは喜ばれることもあって、やってます。
ただ、僕がやらなくても誰かができることなら、僕がやる意味がないので、チャレンジングな企画をいつも出すことにしています。
「アーティストならパフォーマンスだけに集中するべきだ」
「おまえはもっとちゃんと音楽をやりなさい」
というご指摘もいただきますし、その通りだと思います。
実際、ステージに立ち続けることの大切さ、大変さは、最近ますます実感しています。
生半可な気持ちで立っては、通用しないのはどの世界も同じです。
それでもアーティストとプランナーの二足のわらじ(大きく分けて)を履き続けるのには、理由があります。
僕は20代で音楽だけで結果を出せませんでした。
メジャーの名前を冠してもスーパーヒットを出せなかったし、数年経ったら僕がやっていたバンドのことを知っている人もほぼいなくなりました。
悔しいけど、現実です。
僕はアーティストとしての立ち位置としては、フロントマンであることにしか興味がありません。
今は楽曲提供やボイトレをすることもありますが、本来「音楽でお金を稼ぐ」ということは、願わくば自分の作品や技術を売ることではなく、「自分という存在自体を買ってもらう」ことならいいな、と思っているのです。
音楽に限っては、自分の表現や作品といった財産は自分だけのものにしたいんですね、きっと。
そんな中、夢ではなく、現実に僕が理想とする「音楽で稼ぐ」方法をどうすれば実現できるのか。
それは、「僕がありのままでいること」自体が、誰かの役にたつ生き方をすることだと思いました。
アーティストである、色んなことを経験している、課題ばかり見つけてしまう性格、とりあえず実行してみる、という人材を必要としている人を探してみました。
すると、どんな組織もお金と手間を最小限にできるなら、マルッと任せてしまいたい気分でいることをなんとなく知りました。
そこに、僕がやりたいことを乗せて実現すると約束すると、少なくとも元のアイデアに「+1」上乗せした企画になることだけは、確実に保証できるのです。
クライアントの元のアイデアを実現するための努力をすれば、やりたいことも一緒にできる、しかもなんか喜んでくれてるぜやったぜ、ということです。
そのために冒頭のようなノウハウを一生懸命身につける努力をしました。
僕がやりたいこととは、「自分がいつでも歌える環境を作ること」と「仲間と実績をシェアすることでチャンスロスを防ぐこと」です。
自分の目先の小銭を掴むためだけに一生懸命になっていると、やっと掴んだニーズ(収入源になるかもしれない案件)も、単発で終わらせてしまう癖がついてしまいます。
そうなると、クライアントのニーズを真の意味で理解できなくなったり、自分の相対的な価値も見誤っていってしまいます。
本当の目的は何なのかを冷静に考え、中長期を見据えてマーケットのように関係性を育てていくことが大切だと思うのです。
僕にとって、いただいたお仕事は毎回がチャレンジです。
そして、それ以上にアーティストとしての価値を時代に合わせてアップデートしていくことにも今まで以上に意識を向けないと、感性が鈍っていく世代なのかもしれません。
20代前半の子と話すと痛感します。
気付けて良かったので、ヤングに色々教わりながらアップデートしていこうと思います。