ここ最近の野生動物のニュースについて考えられること#2
市街地でのクマ被害対策(猟銃使用)に関する
法令の改正の動きがあるみたいです。
1、法改正の動きについて
環境省の専門家などによる検討会にて
人に被害がおよぶ恐れがあるなど一定の条件を満たす場合には
警察の命令がなくても、猟友会員が市街地で猟銃を使用できるよう
鳥獣保護管理法を改正する方針を取りまとめたとのこと。
一定の条件とは、
1、人身被害の恐れが生じている
2、建物内にクマが入り込んでいる
3、箱わなでクマを捕獲した場合に猟銃を使用できる
の3つ。
現行法では警察が現場に到着し、周囲の安全確保がされた後、
猟友会員の猟銃の発砲が許可されている。
2、警察官はクマに発砲できないのか?
この報道で疑問に思ったのが、交番に勤務しているような
警察官は危険性のある動物に対して散弾銃などの発砲が
できないのか?ということ。
上の報道を見るかぎり、警察官が市街地内で
人に危害を加えている動物への発砲については
特に法令での縛りは無いらしい。
10発以上も拳銃で撃たれても倒れない紀州犬がタフなのか、
警察官が所持している拳銃の弾の威力が弱いのか、
あえて犬の頭部や心臓周辺のバイタルポイントを外して
撃っていたのか。そのあたりは謎である。
(個人の推測だが、日本において犯罪者に発砲した際、
致死性を低くするために銃弾の火薬量も少なめにして
いるんだろうと思う。勝手な想像だけど。)
警察が市街地に出没し、人身被害が発生しそうな場合
に猟友会にクマの銃による駆除を押し付けるのは
「駆除で銃を使用した際の世間からの様々なバッシング」
を避けたい。余計なリスクは猟友会に押し付けたい。
ということも根底にあるのかもしれない。
3、規制を緩くしたところで人身被害は減るのか??
ただ個人的に思うことがある。
実際にクマによる人身被害を受けているのは、
山林内で山菜獲りやタケノコ堀りをしている人、
いかにもクマが出そうな藪だらけの山際や川際を
早朝に散歩している高齢者の方や登山者、
鹿や猪を捕獲するための罠を仕掛けようと
山に入った狩猟者である。
クマによる人身被害は、人とクマが
お互いの存在に気づかずに至近距離で
鉢合わせしてしまい、パニックになった
クマが人を攻撃するケース。
(もしくは子熊を守ろうと母グマが攻撃)
クマの餌となるもの(山菜など)を
採っていた人がクマが近づいているのに
気付かずそのまま襲われるケース。
この2つのケースが圧倒的に多い。
北海道のヒグマによる福大ワンダーフォーゲル部の
事件や三毛別ヒグマ事件など、「人間を餌」とヒグマが
認識し、人を襲うケースはあるが、、
ツキノワグマが人間を餌と認識して、あからさまに
人を狙うような被害はあまり無いように思う。
(それでもツキノワグマは雑食であり、肉も
食べるので、危険な動物なのは変わりないが)
4、人身被害を減少させるには、人側の想定と準備が必要
中山間地域に住んでいる人は、
ツキノワグマが出没しそうな場所や時間に
一人で行くときは必ず「クマ鈴」と、
いざという時の為に「クマ撃退用品」を
携帯しておく。
これはもうマストである。
ちなみにクマ鈴は「高い音が出るもの」で
なるべく「音が大きいもの」がクマに効果的である。
※低く、小さい音しかしないクマ鈴をぶら下げていて
も自然の音にかき消されてしまいます。あとクマは
自然界に無いような高い音に敏感です。
※ちなみにクマ撃退スプレーも消費期限があるので注意が必要です。
想定「山菜を採りに山に入るから、クマが出てくる可能性が高い」
準備「クマに出会いたくないから、クマが気付きやすい高音で
大きい鈴をザックに付け、もし向かってきた時のことを考え、
腰ベルトに撃退できるものを付けておこう」
自分自身で身を守る知識と備えをしておかなければならない。
と個人的には思います。
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