シネマ歌舞伎「アテルイ」観てきました(2/11)
刀ミュの新作に阿弖流爲が出てくるってタイミングで、シネマ歌舞伎で「アテルイ」を上映するってことがわかったので(これは「たまたま」じゃないんだろうな。いいお仕事だわ)東劇へ。
ベースが新感線の舞台だったってこともあって、アタシみたいな歌舞伎ビギナーでもめちゃ見やすかった。ド派手な演出、バキバキの殺陣、圧倒的なお芝居、ダイナミックな作劇……どれをとっても好きな要素しかなかったんだけど、やっぱりね、いずれ刀を交えることになる運命だとわかっていても、その人間性に惹かれあって友情を築いてしまう様って最高じゃないですか……。
東北の女なので「な〜〜〜〜にが蝦夷征伐だコンニャロ!」みたいな気持ちがどっかにあったんですが、勘九郎さんの田村麻呂の光属性っぷりがあまりにも眩し過ぎて、好きにならずにはいられなかったよ。そして、それに対する染五郎さん(現幸四郎さん)の阿弖流爲の、強さの奥に悲しみが滲んでいるようなかっこよさもすてきだったぜ……。田村麻呂が太陽なら、阿弖流爲はさしずめ月か。好きでしょこういうの? ええ、好きです! そして七之助さんの美しさたるや……殺陣のときに舞うように計算され尽くされた衣装もたまらなかったな。
上演当時は、歌舞伎はおろか演劇にさして興味がなかったからこの作品の存在も当然知らなくて、だからこそ今でかいスクリーンで見られてよかったです。てか、当時ナマで観劇できてた人が羨ましすぎる! 新感線バージョンも観たかったな……。そうそう、アタシは新感線の舞台もぜんぜん通ってきてないんだけど、グレンラガンやキルラキル、プロメアなんかで中島かずき脚本に触れてたせいで「あ〜〜〜このセリフ回し知ってる!」ってデジャヴのようになったの面白かったです。魂が覚えてたぜ
さて、刀ミュでは田村麻呂と阿弖流爲(そして母禮)がどう描かれるんだろうな。三日月にとって阿弖流爲や蝦夷は救いたかった命だったりするのかな。『パライソ』で史実通りにするために市井の人たちを死に導いた鶴丸は、蝦夷征伐をどう見るんだろう。『江水散花雪』で史実通りにできず、別の形の地獄をみた大包平は何を思うのかな……。あぁ、どう転んでも史実がきつすぎるから地獄しか見えない。楽しみです。
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