劇場版レヴュースタァライトについて、百合の目線で

以下は2021年公開の『劇場版少女☆歌劇 レヴュースタァライト』のネタバレを含みます!それが目的じゃないです!

少女☆歌劇 レヴュースタァライトは、俳優によるミュージカルを踏まえた二層展開のプロジェクトです。
延期を経て待望の劇場版の公開から1週間が経ちました。主題歌サビが聞こえては涙目になる日々。

画像1

さてこれは、いちクィアパーソンで百合オタ(私)の見方ではありますが。
まず、TVアニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は、演劇を学ぶ学生である9人の舞台少女のお話です。その1人、露崎まひるが主人公 愛城華恋へ抱く感情が友達以上の好意だとわりと明確に描かれていました。ただし明言はされておらず、恋愛作品ではないので舞台上での嫉妬のシーンなどはあっても日常においてのハグとかはたしかありません(うろ覚え)。まひるに友達以上の気持ちという自覚はなさそうな描写でした。

そして―まだ見てない人には以下ネタバレ―
『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(以下、劇場版スタァライト)は、9人の葛藤、卒業、その後の進路、大きくは人生を前向きに描き、舞台少女たちの成長を見せることにフォーカスした内容でしたが、そこでは幼馴染で通常運転の石動双葉と花柳香子(ふたかお)がso gayで。めちゃくちゃGAYで!どのカップリングもそうなんですが、むき出しの本音、嫉妬、愛をこれでもかとぶつけあってて!だから初見時には「え?まじ?ふたかおの痴話げんかから始まった??」と、若干困惑のレヴュー、でもそれでいい。ただ見守る。

痴話げんかはある意味、褒め言葉。「こんなに想ってるのに!!?」って言わないけどあらゆるボディランゲージや台詞がそう叫んでいました。...ふたかおにとっては...それで伝わる。(個人的には直球が好きなんですけど) これを恋愛(愛)としての百合と呼ばずになんと呼ぶ?

「百合」作品や、異性愛者ではない(可能性のある)人物が登場するとき、百合とか、レズビアンとか、セクマイとか、ゲイ、といった言葉を使うのが今でもなんか煙たがられる?避けられる?ようですが、相手(同性)への友愛/仲間以上の好意がはっきり表れているのが上記。まあ、この作品は舞台少女の話であって彼女らのセクシャリティ(性的指向)の話じゃないし、設定は不明なのでそこは慎重になるとして。

ていうか、想いあう同性同士を「そこまで(恋愛)の感情じゃない」なんていう、同性愛への嫌悪感やそれに近いものがある人は、その嫌悪感と向き合えるようになるといいですよね。同性への好意を否定する必要はないですから。明らかに好意と解釈できるものを(必要以上に)隠すこともないかなって。(オタクの妄想の話じゃなくて。それとは別)

逸れた。
ほかにも、天堂真矢と西條クロディーヌ(真矢クロ)、神楽ひかりと愛城華恋(かれひか)、大場ななと星見純那(じゅんななな)。彼女たちは切磋琢磨する仲間。そこに「自覚ないけどそれ以上の気持ち」の可能性は十分にあります。なくてもいいんですけど否定しなくてもいい。

別に、『レヴュースタァライト』においては性的指向はなんでもいいんですよ、語弊がありますが、舞台とそこに生きる人たちの話なので。(明言されたら大歓喜なのは言わずもがな!)…まあ、女性しか出てこない作品という条件下で、新作として制作の際に考慮にも入らないのなら (ふたかおにおいては今更かも)、それは2021年の時点で遅れてるかなーとは思いますが……それをおいても、絵・演出・音楽・演技・知性をもってスクリーンで衝撃的な観劇体験をさせてくれる映画でしたし……私にはあふれんばかりの愛が伝わりましたし......劇場版の前作『ロンド・ロンド・ロンド』も好きです……

それで、ふたかおは…人生のパートナー以外の何者でもないと解釈できました。薬指に相棒のバイクのキーストラップですよ。真矢クロも、かれひかも、いずれそうなるかも。しらんけど。(純那とななも一飛びの距離なので?) お互いが、これからも、唯一無二の存在。それを9人が学園を卒業する『劇場版スタァライト』で見られたのは嬉しかったです。

私はクィア(ヘテロセクシャルではない)として、広義にも狭義にも取れる百合の感想として、書いておきたかったので。


いいなと思ったら応援しよう!

ucoearpnotes
嬉しいです。ありがとうございます