One Day at a Timeパネル(2019)
パネリスト:イザベラ(エレナ役)、シェリダン(シド役)、ブレント・ミラー エグゼクティブプロデューサー(EP)
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最初に、番組シーズン1で登場したカーメン役のアリエラ・ブレアーが全員を紹介しました。(現在『マーベル ランナウェイズ』出演中のアリエラはイザベラと大親友。イザベラを呼ぶ時もlove of my lifeと紹介するほど。)
MC:なぜこのような良質なコンテンツの番組が製作できたんでしょうか?
ブレントEP:ドラマでフォーカスが当てられていないコンテンツを作りたく、ノーマン・リアーとLatinxのキャストでワンデイをリメイクしたいんだが、と持ちかけた。そこからプロジェクトが進行し始めたらファンの境地。
イザベラ(I):それと、Netflixが自由に多様な番組作っていいと言ってくれたから製作できた。
EP:あとソニーも。
MC:NetflixはLGBTQ+の多様なキャラのプラットフォームであるとして評価されています(去年)。そのような役を演じてみてどうですか?
I:夢みたい。エレナは3次元のキャラでさまざまな面があるからよくあるほかのキャラとは違う。さらにはエレナを通じて色んなクィアの人たちに好影響を与えることができて光栄。
シェリダン(S):端的に言って、人生最高の体験ができた。ノンバイナリー(NB)の役作りで色々調査して、大変だったけど、シドニーを作り上げてファンから感想たくさんきけて本当に幸せ。YouTubeや記事を見て可能な限り吸収したけど、結局、シドという1人の人間に命を吹き込むことに専念した。番組から学んだこともたくさんある。共演者からも多くを学んだ。
MC:それぞれ個人の抱えるテーマがあるわけですが、どういったことを新たに学びましたか?
I:エレナは何でも知ってるから台詞を読んで「彼女はいったい何を言ってるの」ってこともあった(笑)投票の回とか。初体験の話、不安障害の話など自分の体験と異なることもあるから学ぶことはたくさんあった。気になることは脚本チームに直接聞けて助かった(代名詞の話など。格闘しながらリタ・モレノと用語に慣れていったりした)。
・シーズン3の初体験のエピソードについて
S:あの1シーンにたくさん詰め込んだ。撮影においてお互いにたくさん確認した。脚本がすばらしかった。
I:個人的には苛酷(rough)だった。メディアで扱われる女性の表現や男性への女性の価値の決められ方がくそったれ(Bullsh*t)だけれど、私が育ったLatinxの文化では外見で人の価値は決まらないと教わる。そしてあの会話はこれまでしたことがなかった。自分の経験とは全然違うから本当にこわかった。私が怖かったのはあのダイアログの親密度だった。すごくてheartbreakingだった。超つらかった。合意について話し合われてなさすぎる。大事なことなのに。パートナーとセックスについて話すことができないならまだ準備ができていないんだと思う。結果的に、撮影もとてもつらかったけど、視聴者に見せることができてわくわくもした。
MC:こういった「難しい話題」を扱うにあたって製作の心構えなどはありますか?
EP:チームが最終的に心がけているのは真摯なこと。大事なことを話そうよ、というメッセージ。ノーマンがそういう姿勢でいる。しかもユーモアを交えて。笑えるけど肝心な部分をしっかり伝えるようにしている。
MC:一番誇りにしている台詞は?
I:初体験のエピソード。脚本チームにもLGBTQピープルがいるおかげ。それまでLGBTQの表象が欠如していることに無自覚だったけど、こうして、セクシャリテイでキャラを決めつけられていないエレナを演じられること、たまたまそのセクシャリティだった人物として演じられているからこそ。ただ「ゲイのカムアウトエピソードをやって終わり」な扱いじゃなく、多面的なリアルな人物として存在している。それを演じられるのはラッキー。
EP:それをイザベラが演じてくれてラッキーですよ。
S:お気に入りが多すぎるけど、選ぶとしたら、シドとエレナがお互いの関係性を表す名称について話すところ。シュナイダーが助けてくれた。シドはエレナの彼女だけどシドはどんな人なのかといった点も分かる。それと・・
I: you’re such a dork(笑)(訳注:可愛い的な褒め言葉)
S:ごめん・・実際はわたし、落ち着いててクールなんだけどー(笑)
―(マシュー・マコノヒーのモノマネ)―
S:あと1つなんだっけ!
話脱線(プロムに誘う回の歌にまつわる話)
MC:スタッフ集めや製作にあたって難しいとよく言い訳されますが、その点はどう対処していますか?
EP:難しいというよりは、仕事の一部なのでやらない方がはるかに楽ではある。最初に3人の白人男性(ノーマン、マイク、ブレント)が「女性目線でラテン系の話を作るのに・・どうする?」ということで、グロリアを見つけた。そこからは製作チームもテーマに沿った当事者目線を維持できるように。つまり、番組が伝えたいテーマに沿った真摯なものを書けるように脚本チーム作りも努力したし、バランスが取れた適切な環境にしている。
S:3人の白人男性だけじゃなくてほんとよかったよね!
MC:お気に入りのシーズンは?
会場:シーズン4!!!
EP:まだ希望を捨てないで!
I:順不同に撮影しているからお気に入りがどのシーズンか正直、覚えてない。(でもシーズン2?)シュナイダーは白人特権のある嫌なやつなのに、トッド・グリネルが超人当たりのいいキャラに仕上げた。彼は最高。
S:シーズン3が好き。あと4、5、6も好き。
MC:キャラはシーズンを重ねて変わった?
I:エレナは変わったというよりは回を追うごとに違う側面が見えているんだと思う。彼女は1つずつ確認していくタイプだから回を追うごとに成長してる。シドとの関係を通しても成長していると思う。
S:2人ともまぬけな(goofyな)キャラっていうことも相まって難しいテーマを扱っている時でも楽しかった。シーズン2からの加入でバックラッシュが怖かったけど、LGBTQコミュニティからの応援が嬉しかった。特にnbのファンからの感想に何度か泣いた。
―ここで!!!リタ・モレノ(リディアおばあちゃん)から電話!!!―
リタ:どれくらいの人がいるの?
EP:大勢のファンがいますよ。
リタ:今『ジェーン ザ ヴァージン』のゲスト回の撮影中。
どういう集まりなの?シンポジウム?誰がいるの?イザベラ?だれそれ?
リタ:みんな愛してる。みんなどうもありがとうーリタ:みんな愛してる。みんなどうもありがとう
I:番組が更新されたかと思ったわよ、心臓に悪い!
EP:サプライズにしたかったんだよー。そのことだけど、番組は全然死んでない。契約の都合で他配信サービスのオファーを更新できない状態だけど、複数のテレビ局が興味を示してくれている。まだ模索中だから希望は捨てないで。
MC:質疑応答に移る前に今後の展開の希望はありますか?
I:シーズン4があったらいい。大学進学とかどう?あとシーズン1で話題が出たきりのディベートクラブの部長になりたいね!
S:『ミート・ザ・ペアレンツ』みたいにシドの両親と夕食会とか?
Q1:この番組は数少ないバイリンガルのドラマですが、その点は楽しんでいますか?
I:もちろん。私はバイリンガルなので。親がスペイン語で話すのに対して私は英語で返したりする。
Q2:スペイン語が分からないエレナの描写と、その後シュナイダーと一緒に習得し始める流れなどどう思いますか?その点の次の展開については?
I:最高だと思う。Latinx文化ではスペイン語が話せないとだめって言われたりするけど。それはばかばかしい。スペイン語はこの文化の一部ではあるけど。私が移住してきた頃は英語に必死になってスペイン語を忘れかけたりしたし、エレナに共感する点も多い。言葉の習得などを移民の3世代の視点を通じて見せているのが素晴らしい。ファミリーでお互いに助け合って語学習得しているのも素敵だと思う。
Q3:『ワンデイ』が意味すること、Latinxコミュニティへのメッセージはなんですか?
イザベラがスペイン語で回答した後、シェリダンが一言挟んで驚くイザベラ
S:実は母方がメキシコ系で、十分スペイン語を聞き取れるんですよね。だから今のイザベラの回答について付け足すと、「知ってた」。
I:いや「みんな知ってた」
S:別に何もクレイジーなことじゃないし。ただ気分良かったってだけ(笑)
MC:今の話をスペイン語が分からない一部の人に向けて翻訳して・・もらえたり・・しません?
S:イザベラは・・とても誇りに思ってる・・それとファンのみんなが大好きで・・クレクサコンが大好きなイベントで・・シーズン4が楽しみ。
―番組で登場したコスプレでファンを壇上に呼んだのでイザベラが椅子から降りて待ってたらシェリダンへの質問だった―
Q:シェリダン、今後のシーズンでイザベラ以外では誰と共演したいですか?ゲストでもいいです。
S:私、思うんですけど、シドとバーコウィッツ先生(スティーヴン・トボロウスキー)って相性がいいんじゃないかなって。それと、シドの家族についてのエピソードが作るなら、クレイジーなアイデアがあって。父親にダニー・デビート、母親にライザ・ミネリがいい。それならシドのいかれた感じと自信のある(wacky and confident)性格に納得いくでしょ。
Q:シーズン4が楽しみですが、今後取り組むプロジェクトがあったら活かせる「ワンデイ」から得たものは何ですか?
I:この番組に散々甘やかされたから・・どうかな・・?スタッフがお互いにリスペクトと愛をもって仕事をしている現場なので、他の現場でも愛情深く、オープンでできるだけ仕事がしやすい環境にしたい。
Q:『ブルックリン・ナインナイン』で登場するとしたら?
I:なんでもやる。
S:アダム・サムバーグの双子がいい。
Q:嫌な人への対処法はありますか?
I:えー、思いついたら逆に教えて?でも、私たちの現場ではみんな支えあっているし、話す相手がいる。日記(journalの方)書いたりも。あと最近はじめたのが、朝起きてスマホを触る前に、感謝していることや自分の好きなところを5個リストアップすること。「これまでうまくやってこれたんだから、今日もうまくいく」なんてことを安っぽいけどやってる。
S:実は『ワンデイ』のファンがすごく支援してくれてるからツイッター見ててとても気分が良くなった。あとヨガとか。
I:あと人間やってると不調な日があることもある。だから、それでいいって受け止めること。
EP:96歳のノーマンと毎日仕事しているわけで、今の仕事があって、健康体で、感謝してる。これでどうかな?